2020年09月14日

大坂選手が掲げた反差別はSDGsにつながる人類共通の課題【週間ニュースまとめ9月7日~13日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 テニスの4大大会のひとつ、全米オープンで大坂なおみ選手が優勝しました。全米は2018年に続いて2度目、2019年に優勝した全豪とあわせると4大大会で3勝目になります。快挙です。大会では大坂選手が試合ごとにつけかえた7枚のマスクも話題になりました。アメリカで起こっている白人警察官による黒人への暴力に抗議する意図で、これまでに被害を受けた黒人の名前を書いたマスクをつけて入場しました。大坂選手の人種差別問題への強い思いを感じ、好意的に受け止めた人が多かったのではないでしょうか。ただ、スポーツにメッセージを持ち込むことには慎重な意見もあります。メッセージがヘイトにつながるようなものだったり政治色の強いものだったりすると、社会に悪い影響を与えたり純粋にスポーツを楽しめなかったりするからです。だからメッセージを持ち込むことを認めるにしても、線引きが必要です。その線は、人類が共通して克服しないといけないと思っているメッセージかどうかというところだとわたしは思います。人種差別については国際連合人種差別撤廃条約採択され、日本を含む多くの国が賛同しています。まさに人類が共通して克服しなければいけないと思っている課題です。国連では2015年に持続可能な開発目標(SDGs)が採択されました。SDGsは2030年を目標年にして、17の目標が設定されています。こちらも人類が克服しないといけない課題ばかりです。環境、貧困、健康、児童労働ジェンダーなどがテーマとして列挙されています。SDGsに沿ったメッセージなら不快感を持つ人は少ないのではないでしょうか。SDGsについては日本企業もとても高い関心を持っています。みなさんも17の目標を調べて、人類共通の克服すべき課題を頭に入れておきましょう。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色清)

(写真は、全米オープン準々決勝の後、白人の自警団員に撃たれて犠牲となったトレイボン・マーティンさんの母親〈右〉からのメッセージを見る大坂なおみ選手=米スポーツ専門チャンネル「ESPN」の動画から)

●SDGsについては、「SDGs」知らないとヤバい!? 社会貢献との違いは?【2018年8月31日の今週のイチ押しニュース】を読んでみて下さい。

【社会】伊勢谷祐介容疑者逮捕 大麻1袋を所持した疑い(9/8.Tue)

 自宅で大麻を所持していたとして、警視庁は8日、俳優の伊勢谷友介容疑者(44)を大麻取締法違反(単純所持)の疑いで現行犯逮捕し、発表した。組織犯罪対策5課によると、伊勢谷容疑者は8日午後4時40分ごろ、東京都目黒区碑文谷1丁目の自宅で、乾燥大麻1袋(7.8グラム)を所持した疑いがある。リビングの机の引き出しに保管してあったという。同じ場所にはほかにも乾燥大麻とみられる物が3袋(12.5グラム)あったほか、吸引具のような物も複数見つかった。伊勢谷容疑者は1999年に「ワンダフルライフ」で映画デビュー。昨年は大ヒット映画「翔(と)んで埼玉」に出演した。2012年にはブルーリボン賞助演男優賞と日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞している。俳優業と並行し、2008年に社会や地球の環境を見つめ直し、新たなビジネスモデルを模索する会社「リバースプロジェクト」を設立。代表を務めてきた。

【社会】ドコモ口座、17行と連携中断 被害さらに広がる恐れ(9/9.Wed)

 NTTドコモ電子決済サービス「ドコモ口座」を使った預金の不正な引き出しが、全国の地方銀行で相次いでいることが明らかになった。ドコモは9日未明までに、地銀など17の銀行の口座とドコモ口座の連携を中断したと発表。被害はさらに広がる可能性がある。ドコモは本人確認が不十分だったと認め、セキュリティーを強化するとしている。ドコモ口座はスマホ決済送金のためのサービス。利用者がドコモ口座を開設し、自身の銀行口座と連携すれば、お金を銀行からドコモ口座に入金(チャージ)し、スマホ決済の「d払い」や電子送金が使えるようになる。

【政治】合流新党、代表に枝野氏を選出 党名は「立憲民主党」(9/10.Thu)

 立憲民主党国民民主党などでつくる合流新党の代表選が10日に行われ、立憲の枝野幸男代表(56)が国民の泉健太政調会長(46)を破り、代表に選出された。任期は2022年9月まで。党名は「立憲民主党」に決まった。旧民進党が分裂して以来、3年ぶりに衆参149人が結集し、政権交代も視野に入れる野党 第1党が誕生した。15日に結党大会を開き、次の衆院解散総選挙への準備を加速させる。枝野氏は代表に選ばれた後、「次の総選挙で政権の選択肢となり、国民に選んでもらうよう最大限努力する」と政権奪取への意欲を見せた。

【社会】クラシックや映画館、満席も可能に スポーツも制限緩和(9/11.Fri)

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会(尾身茂会長)は11日の会合で、感染拡大防止で求めているイベント開催制限を19日から緩めることや、観光支援策「Go To トラベル」の対象に東京都民と都内への旅行を10月1日から加えるとする政府の方針をおおむね了承した。一定の感染対策を取れば、演劇場や映画館内を満席にすることも容認した。飲食業支援策「Go To イート」でネット予約した飲食に対するポイント還元事業を10月以降に始めることも了承した。大都市の歓楽街の感染拡大防止策を考える作業班を分科会につくることも決めた。1万人超入れる会場で行われるプロスポーツやロックコンサートなどは、収容人数の半分までであれば、参加人数の上限はなくなる。1万人以下の施設で開かれるライブハウス・ナイトクラブのイベント、子どもらが集まるキャラクターショー、競馬などの公営競技、遊園地内の絶叫系アトラクションなどは、収容率半分までになる。11月末までの措置とする。

【スポーツ】大坂なおみ、全米オープン2度目の優勝 アザレンカ破る(9/13.Sun)

 テニスの4大大会、全米オープン第13日は12日(日本時間13日)、ニューヨークで女子シングルス決勝があり、世界ランキング9位で第4シードの大坂なおみ(日清食品)が、4大大会2度優勝で同27位のビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)に1―6、6―3、6―3で逆転勝ちし、初制覇した2018年以来2度目の優勝を果たした。大坂は、2019年の全豪オープンをあわせて4大大会通算3勝目。人種差別への抗議の意を示すため、大坂は今大会、1回戦から決勝までの試合数にあわせた7種の黒のマスクを準備した。それぞれのマスクには、被害を受けた黒人の名前がプリントされ、大坂は試合ごとに異なるマスクを着けてコートに入場。決勝では、海外メディアによると、2014年にオハイオ州で白人警官に射殺された12歳の黒人少年のマスクを着けて現れた。

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