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就活ニュースペーパーは明日から冬休みです。年明けは1月6日(月)の「週間ニュースまとめ」から再開します。
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(写真は、任天堂の国内初の直営店「ニンテンドートウキョウ」=2019年11月、東京都渋谷区)
トップは伊藤忠、働き方改革や寮充実も要因
ランキングは、あさがくナビの会員で2021年3月卒業・修了予定の大学・大学院生を対象に調べました。今回は就活の早期化に伴い、これまで12月から翌3月初めまでだった調査期間を、6月から12月初めまでと、大幅に前倒ししました。総合商社は、米中貿易摩擦の影響を受けながらも業績好調です。首位の伊藤忠に加え、4位の丸紅、14位の三菱商事、50位の住友商事も2019年3月期決算で過去最高益を更新しました。「朝型勤務」や「脱スーツ・デー」の先駆けとなった伊藤忠をはじめ、各社で「働き方改革」が進んでいます。社員寮を充実させているのも業界の特徴で、伊藤忠は2018年に横浜市に大規模な「日吉寮」を新設。各社とも「横の関係」重視を掲げ数百戸を持っています。好業績に加えて、こうした姿勢が学生をひきつけたと思われます。
(写真は、伊藤忠が2018年春に新設した「日吉寮」。4カ所あった借り上げマンションをやめ、寮生が一緒に過ごす共用部を充実させた=2018年6月、横浜市港北区)
ラグビー、五輪で旅行会社人気 食品は13社がトップ50入り
旅行会社はJTBに続き、エイチ・アイ・エス(HIS)が5位、近畿日本ツーリストが22位、日本旅行が43位と、順位を上げました。令和改元に伴う10連休や、ラグビーワールドカップ(W杯)や東京五輪・パラリンピックに向けた盛り上がりが業界を押し上げました。食品メーカーは今年も強く、味の素、6位のアサヒ飲料に加え、続々ランクイン。トップ50のうち13社が食品メーカーで、業界別で最多でした。資生堂はトップ10に復帰し、大日本印刷(DNP)、オリエンタルランドは10位内を維持しました。出版社人気も衰えず、集英社、KADOKAWA、講談社が30位内をキープしました。
(写真は、「JTB大阪船場店」が掲げた10連休ツアー商品のチラシ=大阪市中央区)
ゲームとスポーツ用品がジャンプアップ
今回、軒並み順位を上げたのが、ゲームメーカーとスポーツ用品メーカーです。任天堂は107位から一気にトップ10入り。スポーツではアシックスグループ、アディダスジャパン、ミズノが50位内に入りました。今回から業種の分類を変更し、「繊維・アパレル」に入れていたスポーツと「諸製造」だったゲームを、「スポーツ・ゲーム・その他メーカー」に変えた影響が出ました。ただ、それを差し引いても、ゲームやeスポーツ人気、五輪やラグビーの盛り上がりが寄与したのは間違いないと思います。東京都が20位に上がったのも五輪効果だと思われます。(写真は、ドーハ世界選手権男子100メートル予選を走る桐生祥秀〈右〉はアシックスの新型「ピンなし」スパイクで走った=201年9月27日、ドーハ・ハリファ国際スタジアム)
民放には早くも内定情報が…
調査時期前倒しの影響が出たと考えられるのが、選考時期が早い放送業界です。前年はゼロだった100位内に、TBSテレビ、NHK、関西テレビ放送、フジテレビジョン、朝日放送テレビが入りました。ただ、2021年卒採用はさらに早まり、すでに複数の民放キー局が内定を出したという情報もあります。志望者は乗り遅れないようにしてください。一方で大きく順位を下げたのが運輸業界です。全日本空輸(ANA)は16位、日本航空(JAL)はトップ50から外れました。JR西日本、JR東日本もダウン。さまざまな要因があると思いますが、自然災害が多発し交通機関が混乱したイメージが広がった可能性もあるのではないでしょうか。かつて上位に名を連ねた金融機関では三菱UFJ銀行の60位が最高でした。3メガバンクが採用数を激減させたこと、中でも女子学生に人気の「一般職」採用を絞ったことが大きいと考えられます。
男女別では、任天堂が一気に男性2位に入りました。文理別の理系10位には旭化成が入りましたが、ノーベル化学賞を受賞した吉野彰さんが同社の企業研究者だった影響もありそうです。
(写真は、TBS本社=東京都港区)
「業界地図」でBtoBを探せ
あなたはこのランキングから何を読み取りますか。自分の志望企業が上位に入った!と喜ぶのはちょっと違いますよね。人気企業ほど、応募が殺到して狭き門になる可能性が高いわけですから。そこで、注目してほしいのは、一般消費者向けのBtoC企業と企業間取引のBtoB企業の数です。ランキングに名を連ねる企業の圧倒的多数がBtoC企業です。ざっと分けると、トップ50に入ったBtoB企業は、商社、印刷、ディベロッパー、機械メーカー、IT、広告の9社のみ。トップ100でも18社です。いかにBtoC企業が人気かわかりますよね。だからこそ、就活ではBtoBが狙い目なんです。日本には知名度は低くても世界トップシェアや高い技術をもつ会社がたくさんあります。市販の「業界地図」を見てみてください。日本を代表する約4000社が載っていますが、索引を開くと、知っている会社より知らない会社がずっと多いはず。ここから興味を持てる会社を探してください。気になる会社を見つけたら、あさがくナビで検索したり、「就職四季報」などで詳しく調べましょう。
2021年卒採用は「3月1日エントリー開始、6月1日面接解禁」と、表向きの日程はこれまでと同じですが、エントリーシートの締め切りも、面接などの選考も、実際には前年より早くなるとみられています。3月にゼロからスタートしたのでは間に合いません。冬休みがチャンス。業界・企業研究、自己分析を深め、志望動機を練る。2月までに一通りの準備を済ませておくことが成功の秘訣ですよ。
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