2019年11月11日

ベルリンの壁崩壊から30年 世界は良くなったのか?【週間ニュースまとめ11月5日~10日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 ベルリンの壁崩壊から30年の記念式典がありました。30年ですから、ほとんどの就活生のみなさんは崩壊のときには生まれていなかったと思います。第2次世界大戦後、世界はアメリカとソ連という2大強国によって分断されていました。その象徴がドイツのベルリンに築かれた壁でした。西ベルリンと東ベルリンを分断し、行き来をできなくする壁です。その壁を乗り越えようとして命を落とした人が多数いました。私は壁が崩壊する2年前の1987年秋に取材でベルリンを訪れました。取材のために事前に手続きをして西ベルリンから東ベルリンに向かったのですが、それでも検問所で入念な検査を受けなければなりませんでした。クルマで東ベルリンに入ってすぐに感じたのは、道路がデコボコだったことです。西ベルリンを走っていたときにはなめらかだった乗り心地がとたんに悪くなりました。日が落ちてから西ベルリンに戻ろうとして気づいたのは、東ベルリンの夜が暗いことでした。遠くの西ベルリンは燃えているのかと思うほど明るく見えました。ドイツ事情に詳しい同行者が「東の人にあこがれさせるように意識的に明るくしている」と教えてくれました。東側の経済は苦しく、西側に行きたいという気持ちがかき立てられるだろうということがよく分かりました。2年後、そのベルリンの壁が崩壊したニュースに接したときは、「世界はきっとよくなる」という明るい気持ちになりました。ただ、30年たって思うのは、世界はそんなに単純ではなかったということです。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色清)

(写真は、ベルリンの壁崩壊から30周年の式典で、壁の隙間にバラの花を挿すドイツのメルケル首相〈奥〉=2019年11月9日、ベルリン)

【経済】富士フイルム、米ゼロックス買収断念 泥沼対立に終止符(11/5.Tue)

 富士フイルムホールディングス(HD)は、米事務機器大手ゼロックス買収を断念する。代わりに米ゼロックスとの合弁会社である事務機器大手の富士ゼロックス完全子会社化すると5日、発表した。米ゼロックスから富士ゼロックス株の25%などを買い取る。米ゼロックスが買収合意を破棄してから泥沼化していた対立に区切りをつける。富士ゼロックスは富士フイルムHDが75%、米ゼロックスが25%を出資している。事務機器事業で提携した両社が1962年に設立した。富士フイルムHDが約2530億円を投じて今月中に完全子会社化する予定だ。

【経済】ソフトバンクG、15年ぶり営業赤字 孫氏「大嵐だ」(11/6.Wed)

 ソフトバンクグループ(SBG)が6日発表した2019年9月中間決算国際会計基準)は、本業のもうけを示す営業損益が155億円の赤字になった。前年は1兆4207億円の黒字だった。投資先企業の評価額が激減したためで、中間決算での営業赤字転落は、2004年以来15年ぶりとなる。SBGは携帯電話事業からファンド事業に手を広げて投資会社としての色彩を強めてきたが、投資先の経営悪化で一気に損失が拡大した。都内で6日午後に記者会見したSBGの孫正義会長兼社長は、「今回の決算の発表内容はボロボロでございます。真っ赤っかの大赤字。3カ月の四半期でこれだけの赤字を出したのは創業以来のことではないか。台風というか、大嵐だ」と語った。

業界研究ニュース「投資会社になったソフトバンクGに見えたリスク」参照

【経済】トヨタ、3年連続 9月決算で純利益過去最高に(11/7.Thu)

 トヨタ自動車が7日発表した2019年9月中間決算(米国会計基準)は、売上高純利益がそれぞれ、上半期として過去最高となった。世界での車の販売が好調だった。売上高は前年同期比4.2%増の15兆2855億円、純利益は2.6%増の1兆2749億円だった。9月中間での増収増益は3年連続。本業のもうけを示す営業利益は11.3%増の1兆4043億円だった。円高ドル安など為替変動の影響で利益を900億円分下げたが、原価改善や販売増でおぎなった。下半期は販売が減速するとみて、通期の売上高、営業利益、純利益の予想を据え置いた。

【国際】ベルリンの壁崩壊から30年 メルケル氏ら壁の隙間に花(11/9.Sat)

 東西冷戦の象徴だったベルリンの壁が崩壊して30周年の9日、ベルリン市内で記念式典が開かれた。当時の民主化運動をリードしてきたポーランドチェコスロバキアハンガリー東欧4カ国の大統領も臨席。メルケル首相らと記念日を祝い、壁崩壊の歴史的な意味を確認し合った。ベルリンを東西に分断した壁は、当時の東ドイツ政府が1961年8月、国内からの逃亡を防ぐためにつくった。東ドイツ国内でも民主化運動が盛り上がった1989年11月9日夜、政府幹部が記者会見で、移動の自由を認める政策が「即時適用される」と発言。ニュースを知った大勢の市民が国境に殺到して検問所を開けざるを得なくなり、壁が事実上、意味をなさなくなった。

【社会】歓声に応えた両陛下、皇后さまは涙も パレード終了(11/10.Sun)

 天皇陛下の即位に伴うパレード「祝賀御列の儀」が10日に行われた。同日午後3時、天皇、皇后両陛下がオープンカーに乗って、皇居宮殿を出発した。天皇陛下は勲章をつけ、皇后雅子さまはティアラを身につけ、笑顔で手をふった。オープンカーは時速10キロほどのゆっくりとしたスピードで、お住まいの赤坂御所までの約4.6キロを約30分かけて進んだ。皇后さまは歓声にこたえるなかで、涙目になり、手で涙をぬぐう場面もあった。

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