2019年01月21日

英国のEU離脱…「合意なき離脱」なら大混乱!【週間ニュースまとめ1月15日~20日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 毎週5本のニュースを取り上げている「週間ニュースまとめ」ですが、今週はイギリスがらみのニュースが2本入りました。欧州連合(EU)離脱の混迷を伝えるニュースと日立がイギリスでの原発建設を凍結するというニュースです。ともに日本経済に大いに関係のあるニュースですので関心を持ってもらいたいと思いますが、中でもEU離脱は世界経済に大きな影響を与える可能性がありますので、注目です。というのは、EU離脱をめぐって大きな混乱が起きないようにイギリスとEUが長い時間をかけてまとめた離脱協定案がイギリス議会で否決され、「合意なき離脱」になる公算が大きくなっているからです。離脱賛成派からは「この案では中途半端だ」、反対派からは「離脱すべきでない」と、どちらからもノーを突きつけられ、メイ首相は「じゃあ、どうしろというの」と叫びたい心境だと思います。「合意なき離脱」になると、突然輸出入に関税がかけられたり、大陸側の仕事ができなくなったりします。そんな自分の首を絞めるようなことを紳士淑女の国がするとは思えないのですが、民主主義はときおり論理的でない結論を導き出すことがあります。遠い国の出来事と思わず、ニュースをフォローしましょう。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色 清)

(写真は、英議会で離脱協定案が否決され、歓喜の声を上げる残留派の市民=1月15日、ロンドン)

週間ニュースまとめ

【スポーツ】横綱稀勢の里が引退へ 初場所、初日から3連敗で決断(1/16.Wed)

 大相撲の東横綱稀勢の里(32)=本名・萩原寛(ゆたか)、茨城県出身、田子ノ浦部屋=が現役引退を決断した。進退をかけた初場所で初日から3連敗し、一夜明けた16日、師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)が明らかにした。2年前、19年ぶりに誕生した日本出身横綱として期待されたが、けがから復活できないまま土俵を去る。稀勢の里は16 日の記者会見で「横綱として、みなさまの期待にそえられないのは悔いが残りますが、私の土俵人生において一片の悔いもございません」と涙をこらえながら話した。

【国際】英議会、EU離脱協定案を否決 反対432・賛成202(1/16.Wed)

 3月29日に欧州連合(EU)から離脱する英国の議会下院で15日夜(日本時間16日朝)、円滑な離脱に向けた協定案の採決があり、賛成202、反対432の大差で否決された。これを受け、メイ首相は英議会の3開会日以内に代替案を示すことになる。政権も議会の多数派も、混乱を招く「合意なし離脱」は避けたい意向だが、打開策は見いだせていない。離脱の先行きはますます見通せなくなった。協定案は、離脱から2020年末までを移行期間とすることや、在英、在EUの双方の市民が引き続き社会保障を受給する権利を認めることなどを定めたもの。昨年11月に、英国とEUが合意していた。スムーズな離脱に欠かせず、3月末までに英・EU双方の議会が批准手続きを終えなければ、「合意なし離脱」となる。

【経済】日立、英原発建設計画の凍結決定 3000億円の損失計上(1/17.Thu)

 日立製作所は17日、英国での原発建設計画を凍結し、事業を中断すると発表した。計画に関連する資産の価値が下がったとして、2019年3月期に3000億円の損失を計上する。政府が成長戦略の柱として後押ししてきた「原発輸出」はこれで事実上全滅。政策の失敗が鮮明になった。この日の取締役会で決定した。着工の条件としていた他社からの資金協力が得られず、英政府による早期の支援拡大も見込めない状況で、「経済合理性が見いだせない」(広報)とした。今後は関連予算を計上しない。現地子会社は残すが、担当する従業員は減らす。これまで工事の準備や許認可を受ける作業などで計3000億円弱を投じてきたが、このまま続けても着工のめどが立たず、費用がふくらむだけだと判断した。

◆業界研究ニュース「曲がり角の原子力産業…脱原発でも仕事は残る」参照

【社会】年金抑制策、4年ぶりに実施 支給額は0.1%引き上げ(1/18.Fri)

 厚生労働省は18日、2019年度の公的年金の支給額を0.1%引き上げると発表した。年金額を抑える「マクロ経済スライド」が4年ぶりに実施されるため、支給額の伸びは物価や賃金の伸びより低く抑えられる。実施は2004年に制度を導入してから2回目になる。少子高齢化の中で将来の年金水準を維持するというスライドの機能は、十分働いていない。年金額は毎年、物価や賃金の動きに応じて見直される。今回の改定に使った賃金上昇率は0.6%だが、物価や賃金の伸びよりも年金額の伸びを抑えるマクロ経済スライドの実施に伴い0.1%増にとどまった。

【国際】2度目の米朝首脳会談、2月下旬に開催 場所は後日発表(1/18.Fri)

 米ホワイトハウスは18日、トランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長による2回目の米朝首脳会談が2月下旬に開かれることを明らかにした。開催場所は未定。トランプ氏が正恩氏の最側近、金英哲党副委員長と約1時間半会談して決まった。



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