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年が明けると、就活解禁の3月1日はあっという間にやってきます。冬休みの間にやっておくべきことも伝授します。就活ニュースペーパーは明日からしばらくお休みし、1月7日に再開します。どうぞ、よいお年をお迎えください。(編集長・木之本敬介)
(写真はトランプ米大統領)
大納会、大発会に注目
世界の株安は12月24日、米国ニューヨーク市場の急落で始まりました。日本の日経平均株価は25日、1000円超下がり、2017年9月以来1年3カ月ぶりに2万円の大台を割りました。米国の株価はクリスマス休暇明けの26日、急反発し、大企業で構成するダウ工業株平均の上げ幅が史上初めて1000ドルを超えました。日経平均株価も27日には上がるなど不安定な状況です。東京証券取引所はあす28日が年内最後の取引日の「大納会」、年が明けて1月4日が最初の「大発会(だいはっかい)」です。ふだん株価に関心がない人も、日経平均株価がいくらで終わり、2019年はいくらで始まるかに注目してください。「トランプリスク」って?
今回の世界株安の要因をまとめます。2008年のリーマン・ショック後、米国の景気拡大は10年続いてきました。やや過熱気味でそろそろ拡大局面が終わるのではないかとの観測がもともとありました。さらに、米国と中国の「貿易戦争」とも呼ばれる対立があります。12月初めの米中首脳会談で「一時休戦」したかにみえましたが、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の幹部が米国の要請を受けたカナダで逮捕されるなど深刻になっており、貿易にとどまらない世界の覇権争いの様相となっています。
そこに、トランプ大統領をめぐる以下の「トランプリスク」が重なって、危機感が強まりました。
◆トランプ政権はメキシコ国境の「壁」建設を進めようとしていて、その予算をめぐって議会が紛糾。政府機関が一部閉鎖に
◆11月の米中間選挙で野党・民主党が下院で過半数を占めたため、1月3日からの新議会は与党・共和党多数の上院と下院が「ねじれ」状態となり、政権運営がさらに難しくなる
◆米軍のシリアからの撤退に反対したマティス国防長官の辞任。2月末辞任の予定が年内に早まった。政権内の「良識派」と言われていたマティス氏が去ると、イエスマンばかりになりトランプ氏の「暴走」を止められなくなると心配されている
◆トランプ氏は、米国の中央銀行である米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ路線を痛烈に批判し、対立。パウエル議長を解任するとの報道もあり、中央銀行の独立を脅かす動きとして警戒されている
どうなる?消費増税
国内で今後注目してほしいのは、2019年10月の消費税増税が予定通り行われるかどうかです。今の8%を10%に上げるもので、増税で景気が冷え込まないようにお金をかけて様々な対策を練っているところですが、安倍政権はこれまで2度にわたって増税を延期してきたからです。その間、国の借金は膨らみ、財政再建はさらに先送りされてきました。首相(写真)は「リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り実施する」と言っています。今回は菅義偉官房長官が「世界経済全体は基本的には堅調と考えている」と言うように、まだそこまでの事態ではありませんが、これから世界の経済がリーマン・ショック級に冷え込めば延期もあり得ます。そのくらい景気が悪くなれば、みなさんの就活を直撃するでしょう。来年の経済情勢をしっかり見ていきましょう。
SPI対策を必ず!
さて、今年最後のみなさんへのアドバイスです。会社説明会や企業へのエントリーが始まる企業広報解禁は来年3月1日ですが、その後の日程は年々早まっており、3月中にエントリーシート(ES)を締め切り、4月には面接を始める企業が大半です。3月以降はESに忙殺され、面接対策に追われることになります。
だから、冬休みがとっても大事。自己分析や業界・企業研究も大切ですが、時間に余裕があるうちにやっておいてほしいのがSPIなどの適性検査の対策です。多くの会社がESと適性検査による書類選考で選抜し、人気企業だとここで数分の一にばっさり絞ります。どんなに素晴らしいESを書いても、適性検査で一定の点数を取らないと面接には進めません。
最近の「売り手市場」に油断してか、何の対策もせず書類選考で連敗する学生が後を絶ちません。特に大学受験で数学を選択しなかった私大文系の学生は要注意です。問題集など対策本を1冊やっておくこと。性格検査は無理に良く見せようとすると逆効果ですが、能力検査対策は有効です。「正解」がない採用試験において、やれば成果を得られる数少ない分野ですよ。
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