2017年08月25日

甲子園に学ぶ…「裏方」の経験をアピールしよう!【今週のイチ押しニュース】

テーマ:経済

 夏の甲子園は、花咲徳栄(はなさきとくはる)高校が埼玉県勢初の優勝を飾って幕を閉じました(写真)。ホームラン計68本の大会新記録、個人でも中村奨成(しょうせい)選手(広島・広陵高校)の6本塁打の新記録、大逆転劇が相次ぐなど素晴らしいプレーの連続で大いに盛り上がった大会でした。そんな華やかなグラウンドでの活躍の陰には、多くの「裏方」の存在がありました。補欠やベンチに入れなかった選手、マネジャー、ブラスバンド、応援団……。「裏方」の体験は、就活で立派なアピールポイントになりますよ。(編集長・木之本敬介)

裏方としてチーム支える

 大会期間中、朝日新聞には、主役ではなく、脇役や裏方を担った高校生の熱い思い、挫折とそれを乗り越えた体験などを紹介する記事もたくさん載りました。

 ベスト4まで進んだ東海大菅生高校(西東京)の上林昌義君は今年の春、ひじを痛めてしまい打者を諦めました。その後、試合に出る機会は代走だけに限られましたが、三塁コーチ、副主将、外野の守備位置の指示役、相手チームのデータ分析など「裏方のスペシャリスト」としてチームを支えてきました。準決勝の九回には、代走としてホームに生還しました(写真)。

自らマネジャーに転向

 開星高校(島根)の岩瀬賢勇君(写真)は、先回りした動きが得意で「夏休みの宿題は7月中に終わらせるタイプ」です。下級生のとき、お客さんを監督室やグラウンドに案内する接客を買って出て暑い夏の日、外で練習を見るお客さんのお茶に、氷を追加して監督から褒められたことがありました。ベンチ入りが難しいと思った今年の6月、「自分の力をチームに生かすならマネジャーだ」と思い、選手からの転向を申し出ました。甲子園ではアルプス席で応援のしきり役。打席ごとに応援曲や演奏のタイミングを吹奏楽部に伝え、全体の応援をリードしました。卒業後はホテルマンを目指し、専門学校に入学しようと思っています。細やかな気遣いで人を喜ばせるのが目標だそうです。

高校、大学での「裏方」体験書き出そう

 高校生なのに、2人とも自分の性格や向いていることを冷静に分析して道を選んでいますよね。就活で企業が求めるのは、四番バッターやエースだけではありません。会社にはいろいろなタイプが必要ですから、上林君や岩瀬君のような人は、派手ではありませんが企業にはとっても魅力的に映ると思います。

 もちろん、高校野球に限りません。高校時代、運動部だけでなく、文化系の部活動、文化祭や体育祭、委員会活動に携わった人が多いと思います。いま大学のサークルやゼミで裏方の役割を担っている人もいますよね。失敗しながらも頑張った経験があるはずです。なぜそれに取り組んだのか、どんな苦労があり、どんな工夫をしてどう乗り越えたのか、その体験から何を得てどう成長したのか。問われるのは「成果」ではなく、こうした「過程」です。こうした体験を思い出して、書き出してみることをオススメします。きっと自分の「得意なこと」も見えてきますよ。

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