大手の面接解禁…どう乗り切る？選考重なっても諦めるな！

ニュースのポイント

　あす６月１日、いよいよ大手企業の面接が一斉に始まります。経団連が定めた就活スケジュールの「選考活動」開始日です。実際には、企業によってはすでに内々定を出している企業が多くありますし、事実上の面接を進めて１日に内々定を出す会社もあります。一方で、本当に１日から面接スタートという企業もあります。何社もの面接をハシゴしなければならなかったり、内々定出しのあと他の企業を回れないように１日中拘束されたり……超多忙で決断を迫られる日が続きます。スケジュールと体調をしっかり管理することが大切ですよ。（編集長・木之本敬介）

　今日取り上げるのは、経済面（７面）の「けいざい＋ 71年目の経団連㊤政治に近づく『総本山』」（東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から）です。
（写真は、昨年の面接解禁日に企業の面接の受付に並ぶ学生ら＝2016年６月１日、東京都新宿区）

経団連企業も対応いろいろ

　学情が５月13日まで実施した調査によると、関東、関西、東海圏の国公立大、私大上位校の学生の３割以上が内々定を得ていて、昨年同期よりかなり高い数字でした。ただ、９割前後は就活を続けており、内々定を持っていても「本命企業はこれから」という学生が多い様子がうかがえました。

　多くの学生が「本命」に据えるのが経団連加盟企業です。経団連の正式名称は「日本経済団体連合会」。自動車や鉄鋼、商社、銀行など日本を代表する大企業約1300社が名を連ねる経済界（財界）でもっとも影響力のある団体で、きょう創立70周年記念式典を開きます。

　「採用選考に関する指針」で、みなさんの就活スケジュールを決めているのも経団連で、加盟していない企業にも日程を守るよう呼びかけています。でも、加盟していない企業の多くは守っていませんし、罰則はありませんから、加盟企業の中にもこっそり選考を進めたり、すでに内々定を出したりしている企業もあります。

３日間で面接計12回！

　経団連企業の対応は以下の三つに分類できます。
①指針どおり６月１日面接をスタート、複数回の面接を経て６月上旬に内々定出し
②５月までに「面談」などと称して実質的な面接を進め、すでに内々定も出している
③まだ内々定は出していないが、６月１日あるいは数日のうちに形式的に正式な面接をして内々定出し

　同じスケジュールだった昨年の先輩の例を紹介します。
「６月１日は３社、２日は４社、３日は５社の選考を受けました。体力的にも精神的にも追い詰められた３日間でした。選考通過者にはその日に通知し、次の面接を翌日にセッティングという企業も多く、やはり５月までとはスピード感が全く異なる、と感じました。３日の夜に第１志望の会社から内々定をいただき、就活を終えることを決めました。他の企業に選考辞退の連絡をしました」（就活体験レポート）

　３日間でなんと面接12回！　殺人的な日程をこなした末に、第１志望の大手不動産会社から内々定を得ました。この会社は①だったのですが、それ以前に学生に会った機会にある程度の評価は固めていたのでしょう。３日間のスピード選考で内々定を出したわけです。

数日間拘束する会社も

　いま就活中の関西の学生はすでに大手メーカーの面談を受け、５月上旬には「６月１日は必ず来て」と言われたそうです。③のパターンだと思われますが、本人は「内定と言われたわけじゃないし、不安で不安で……」。企業はもっとはっきり伝えてよと思いますが、「内々定」と伝えたのが他の企業にばれるとまずいということから、あいまいに言わざるを得ない事情があるわけです。

　「６月１日に来て」と言われた人でも、簡単な面接ですむ人、丸１日拘束される人、研修所などに数日間合宿で缶詰にされる人など、会社によっていろいろでしょう。それほど志望度の高くない企業に拘束されて本命の面接に行けない、という人も出てくると思います。決断のしどころですが、決して諦めないこと。本命企業の人事部に連絡して事情を伝え、面接日程を変更してもらえないか頼んでみましょう。６月第１週に日程が集中するのは各社わかっていますし、今は空前の「売り手市場」ですから、応じてくれる会社も多いと思います。

2019卒インターンサイトもオープン

　大学３年生、大学院や短大１年生のみなさんにとって６月１日は、夏のインターンシップへ向けたスタートの日です。「あさがくナビ2019」など各サイトがオープンし、掲載企業のインターン情報が一斉に公開されます。あさがくナビの企業アンケートによると、インターンを実施する企業は半数を超えそうです。多くの企業が夏のインターン募集を始めます。まずは、情報サイトでどんな企業がどんなインターンをするのか見て、情報収集を始めてください。

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