2017年02月02日

ペットに関わる企業を探そう…住宅・車・航空も関連業界?

テーマ:経済

ニュースのポイント

 犬や猫などのペットを飼っていたり、猫好きだったりして、ペットに関係する仕事に関心を持っている人、いますよね。ペット用品などの関連市場は最近の猫ブームもあって伸びていて1.5兆円に迫る規模です。意外な業界・企業もペット産業に関わっています。ペット関連ビジネスについて考えます。(編集長・木之本敬介)

 今日取り上げるのは、経済面(11面)の「ペット用品 健康志向/歯ブラシ・シャンプー・介護食/1.4兆円市場 異業種も注力」(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)です。

ペットは「家族」…広がる市場

 ペットフード協会によると、2016年の犬・猫の全国飼育数は約1973万頭で5年前より約182万頭減りました。とくに犬が減っています(グラフ)。それでも、15際未満の子どもの数は少子化で約1600万人。ペットのほうがずっと多いんですね。ペットを「家族」の一員として暮らす人が増えているため、健康や高齢化を気遣って悪寒をかける傾向が強まっています。このためペットへの支出も増えていて、矢野経済研究所は2016年度のペット関連市場は5年前から5.6%増の1兆4845億円になると予測しています。

 今日の記事から、日用品メーカーの取り組みを紹介します。
ライオン商事=犬・猫用の歯ブラシ「ペットキッス 指サック歯ブラシ」を4月に発売。室内飼育が増えるなか、ペット用シャンプーやペット用品を洗う洗剤なども拡充
花王=高い消臭効果に加え、尿で体調確認ができるようにした猫用トイレ販売
ユニ・チャーム=高齢犬の床ずれを防ぐ介護マットなどの新商品販売。高齢の犬・猫向けの軟らかいペットフードも充実

意外な会社も

 ペット関連の仕事でぱっと頭に浮かぶのは、獣医のほか、ペットショップ、トリマー、ペットフードやペット用品のメーカー、といったところだと思います。今日の記事には、意外な会社も載っています。

富士通=情報通信技術(IT)を活用して愛犬見守りサービスを展開。首輪につける小型センサーで犬の状態を認識し、「リラックス」「落ち着きがない」などの情報を買い主のスマホに知らせる(写真=富士通提供)
東レ=ペット用医薬品として、猫の慢性腎臓病治療薬「ラプロス」を開発。腎機能低下を抑える猫用治療薬は世界初。4月から販売

 ペットも高齢化が進んでいるため、医療や保険などの分野にもビジネスが広がりそうです。

「御社のペットビジネスにも関心」…熱く語れ!

 朝日新聞にはペット特集「ペットとともに」が2カ月に1回のペースで掲載されます。ペット関連ビジネスを展開している企業のインタビュー「トップに聞く」には、こんな会社が載りました。
旭化成ホームズ=賃貸の「ペット共生型住宅」展開(2016年5月26日)
全日本空輸(ANA)=犬と客席で一緒に過ごせるチャーター便運航(7月29日)
トヨタマーケティングジャパン=犬と一緒に車で旅行するための情報サイト「TOYOTA DOGサークル」(9月14日)
ライオン商事=ライオングループのペット関連の専業会社。犬・猫のオーラルケアに注力(9月27日)
メリアル・ジャパン=世界的なペット分野の製薬会社(11月22日)
ロイヤルカナン・ジャポン=健康管理に注力するペットフード会社(2017年1月29日)

 住宅や旅行関連の業界でもペットがらみの需要が増えていることがわかります。こうしたペットビジネスが中心ではない会社の場合、「どうしてもペットに関わる仕事がしたい!」と叫んでも厳しいと思います。でも、言い方を変えて「御社のペットビジネスにも関心がある」と熱く語れれば、むしろ「よく企業研究をしている」という印象を与えられますよ。

※「就活割」で朝日新聞デジタルの会員になれば、すべての記事を読むことができ、過去1年分の記事の検索もできます。大学、短大、専門学校など就職を控えた学生限定の特別コースで、卒業まで月額2000円です(通常月額3800円)。お申し込みはこちらから

アーカイブ

テーマ別

月別