2015年11月02日

音や動きも商標に デジタル時代を生きる知恵(ニュース★あらもーど 10月26日~11月1日)

テーマ:週間ニュースまとめ

 「音」「動き」などの商標化が始まりました。欧米や韓国などが先行しているものに今回追いついた形ですが、ネットで安心して発信するには、音や動きに至るまで保護の幅が広がることが必要でした。ネットの世界では複製や加工が技術的には自在にできるため、つい商標や著作権などの制約を忘れたり、過小評価してしまいがちです。誰もが表現・発表できる時代だからこそ、していいことと悪いことを理解し、デジタル時代を生きていきたいものですね。

 写真は10月18日付朝日新聞東京本社版朝刊、中国の戦国時代を描いた集英社・週刊ヤングジャンプ連載の「キングダム」第1話を丸ごと掲載した全面広告を使ったバッグです。
 毎週月曜は1週間のニュースのうち、みなさんと共有したい話題をお届けする「ニュース★あらもーど」の日。火曜~金曜日の「今日の朝刊」通常版とともに、ご活用ください。(朝日新聞教育総合本部ディレクター・真下 聡)

【ブランド】ファイト一発やふじっ子、音や動きも商標に 特許庁43件認定 (10/27.Tue)

 「音」や「動き」などを登録できる新しい商標制度の運用が始まり、特許庁が第1陣の登録を認めた。味の素の「あ・じ・の・も・と」といった、CMでおなじみのメロディーや映像など27企業・個人の43件が選ばれた。商標は、事業者が商品やサービスを他社と区別するために使うマーク。4月から新たに、CMのサウンドロゴなどの「音」▽動画などの「動き」をはじめ5種類が認められることになり、登録されると文字やロゴと同様に権利として保護される。
 第1陣として認められたのは、「音」では、久光製薬がCMで使う「ヒ・サ・ミ・ツ」や、豆製品メーカーのフジッコの「ふじっ子のおまめさん」といったメロディー、大正製薬がCMで使う「ファイトー、イッパーツ」というかけ声など。「動き」では、風呂敷がほどけて酒瓶が姿を見せる菊正宗酒造の映像や、東宝が映画冒頭に流すロゴの映像などが選ばれた。

【国際】中国、一人っ子政策廃止 経済減速で(10/29.Thu)

 中国共産党は1979年から続いてきた「一人っ子政策」を廃止し、すべての夫婦が2人の子供を産めるようにすることを決めた。経済の減速に対応するため、大きな政策転換が迫られていることを象徴する動きとなった。中国共産党の重要会議、中央委員会第5回全体会議の会議後に発表されたコミュニケ(公表文)で、「1組の夫婦が2人の子どもを産む政策を全面的に実施し、人口高齢化への対策を進める」とした。最大の人口国・中国の少子化に歯止めがかかるかどうかが、将来の世界経済の姿も左右しそうだ。

【金融政策】日銀、物価2%上昇また先送り 「達成、16年度後半」(10/30.Fri)

 日本銀行は金融政策決定会合で、前年比2%上昇の物価目標を達成する時期の見通しを「2016年度前半ごろ」から、「16年度後半ごろ」に先送りした。先送りは4月に続いて2度目。日銀は「2年で2%」を掲げて2013年春に大規模緩和を始めたが、相次ぐ先送りで達成まで少なくとも4年近くかかることになった。追加の金融緩和は見送った。
 黒田東彦(はるひこ)総裁は、理由を「主としてエネルギー価格の下振れ」と説明。「内外のさまざまな変動は予想外のものが起こる。特に昨年の夏以降のかなり大幅な原油価格の下落」などと話した。

【外交】日中韓首脳会談、定例化へ 3年半ぶり開催 (11/1.Sun)

 安倍晋三首相は、韓国の朴槿恵大統領、中国の李克強首相とソウルの青瓦台(大統領府)で日中韓首脳会談を開いた。3首脳は首脳会談を年1回の開催で再び定例化することで合意したほか、日中韓自由貿易協定(FTA)の交渉加速などを確認。また、歴史認識問題では「歴史を直視し、未来の続きに向かう」との表現で一致し、これらを盛り込んだ共同宣言を取りまとめ、発表した。日中韓首脳会談の開催は2012年5月以来で、約3年半ぶり。安倍首相は終了後の共同記者会見で「3カ国による協力プロセスを正常化させたことは大きな成果だ」と訴えたが、歴史認識問題では日本と中韓のすれ違いもみられた。

【ネット】グーグルに検索結果削除命じる仮処分 職業絡みの逮捕歴(11/1.Sun)

 グーグルの検索により、不正な診療行為での逮捕歴がわかるとして、現役歯科医が検索結果の削除を求めた仮処分申請に対し、東京地裁が表示を消すようグーグルに命じる仮処分決定を出していたことがわかった。「歯科診療での不正」という社会の関心が高い情報であっても、一定期間が過ぎれば検索結果から消すべきだとの判断を示した。
 歯科医の診療上の犯罪は、診療を受けようとする人にとって関心事のひとつだ。こうした「職業にかかわる犯罪歴」の表示を消すよう命じた司法判断が明らかになるのは初めて。東京地裁が歯科医の主張を認める仮処分決定を出したのは2015年5月。地裁は認めた詳しい理由を記していない。仮処分は暫定的な救済措置であるため、歯科医はグーグルを相手に同じ内容の訴訟も起こし、近く第1回口頭弁論が開かれる。

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