2015年06月08日

地域の未来像に目を向けよう(ニュース★あらもーど 6月1日~7日)

テーマ:週間ニュースまとめ

地域の未来像に目を向けよう(ニュース★あらもーど 6月1日~7日)

 私たちはドラえもんと暮らしているわけではありませんから、未来を正確に見通すことはとてもできません。でもそのような中で、かなりの確かさで「未来」が分かるものがあります。それが人口の動きです。高齢者が多く、働き手が少ないという人口構成になることは、実は数十年前にはすでに分かっていたことです。

 6月4日の日本創成会議の「高齢者の地方移住提言」のような話は、20歳代のみなさんにとって、あまり関係のない話に思うかもしれませんが、将来の仕事の内容や自分の住む地域の未来にとても大きく影響します。まずは自分のいま住む地域やふるさとなど、少しでも実態を知っている地域のデータをみながら考えてみるといいですよ。興味を持った方は新書などで詳しく読むのもおすすめです。

 今回の写真は4日付朝日新聞朝刊に掲載された、第32回「日本の自然」写真コンテストの特集紙面を使ったバッグです。
 毎週月曜は1週間のニュースのうち、みなさんと共有したい話題をお届けする「ニュース★あらもーど」の日。火曜~金曜日の「今日の朝刊」通常版とともに、ご活用ください。(朝日新聞教育総合本部ディレクター・真下 聡)

ニュースダイジェスト

【個人情報】年金の番号や氏名など125万件流出 サイバー攻撃で(6/1.Mon)

 日本年金機構は、サイバー攻撃を受け、年金の受給者と加入者の基礎年金番号や氏名などの個人情報が流出した、と発表した。現時点で約125万件が流出したとみられ、さらに増える可能性がある。年金の支払い業務に特段の影響はないとしている。機構側の相談を受けた警視庁公安部は、不正アクセス禁止法違反や不正指令電磁的記録作成などの疑いがあるとみて捜査を始めた。

 不正アクセスされたのは一部の職員に見る権限が限られている情報で、流出したとみられるのは「基礎年金番号と氏名」が約3万1000件、「番号、氏名、生年月日」が約116万7000件、「番号、氏名、生年月日、住所」が約5万2000件。
 年金番号、氏名、生年月日、住所という四つの情報があっても個人情報はほかに免許証などで確認した上で答えているといい、機構は「何らかのなりすまし行為が行われることは考えにくい」と説明している。

【FTA】中韓、自由貿易協定に署名(6/1.Mon) 

 中韓両政府が自由貿易協定(FTA)に署名した。韓国にとって中国は最大の貿易相手国で、中国にとっても韓国はこれまで単独でFTAを結んだ国としては経済規模が最大となる。一方、日中韓FTAは交渉が進まない。

 韓国政府は年内発効をめざし、国内手続きに入る。発効時に無関税品目の交易額は対中輸出が730億ドル(約9.1兆円)、中国からの輸入は418億ドル(約5.2兆円)規模になり、韓米の交易額全体より大きい。自由化が最終的に達成されると、対中輸出で減らせる関税額は年間54.4億ドル(約6700億円)で、米国や欧州連合(EU)とのFTAをはるかに超えるという。
中国は米国主導の環太平洋経済連携協定(TPP)が、自国を抜きに進むことへの警戒感がある。第3位の貿易相手国である韓国とのFTAを進め、自前の貿易圏づくりの足がかりとしたい考えだ。

【MERS】中東呼吸器症候群、韓国で5人死亡(6/2.Tue)

 韓国政府は、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスに感染した2人が死亡したと発表した。三次感染者も確認され、初動対応の不手際が指摘されている。死者はその後さらに増え、7日現在で5人、感染者も64人になっている。韓国政府は6月7日、感染が起きたり、感染者が一時的に滞在したりした病院全24カ所も公表した。

 MERSコロナウイルスには、家族間や病院内などの密接な接触を通じて感染するとされる。発熱やせきなどの症状が出るが、高齢者や慢性肺疾患などがある人の場合、重症になる傾向がある。
 中国へ出国してから感染が判明した人も出るなど、韓国政府は感染者に接触した人の確認などで後手に回っており、批判が高まっている。

【東京圏】高齢者の地方移住を提言 民間研究機関 (6/4.Thu)

 有識者らでつくる民間研究機関「日本創成会議」(座長・増田寛也元総務相)は、今後10年で東京など1都3県の「東京圏」の介護需要が45%増えて施設と人材の不足が深刻になるとの推計を発表した。対策として、高齢者の地方移住などを提言。具体的な候補地として医療・介護に余力のある26道府県の全国41地域を挙げた。

 今回の提言は、少子化と人口減少が止まらず、存続が危ぶまれる全国896の市区町村を「消滅可能性都市」と指摘した昨年の提言に次ぐもの。
 国が進めている住み慣れた地域で在宅医療や介護サービスを使って高齢者が暮らす体制づくりも「東京圏では難しい」(増田氏)とみて、移住という大胆な提言に至った。
 介護や医療の需要は75歳以上の高齢者の増加に伴って増える。厚生労働省の統計をもとに推計すると、2025年までの10年間で介護サービス利用者は東京都や埼玉・千葉・神奈川の3県の「東京圏」が45%、近畿36%、北海道32%などと増加する。一方、2014年の合計特殊出生率は1.42で9年ぶりに前年を下回るなど、少子高齢化は加速の一途だ。

【主要国首脳会議】来年、伊勢志摩サミット 首相が発表 (6/5.Fri)

 安倍晋三首相は、2016年に日本で開かれる主要国首脳会議(サミット)を三重県志摩市で開催すると発表した。会場は英虞(あご)湾の賢島(かしこじま)になる見通しだ。日本でのサミット開催は、2008年の北海道・洞爺湖に続き6回目となる。

 安倍首相は5日、記者団に「日本の美しい自然、豊かな文化、伝統を世界のリーダーたちに肌で感じてもらえる場所にしたいと考え、三重県で開催することを決定した。伊勢志摩サミットです」と話した。
 伊勢志摩は、伊勢神宮やリアス式海岸の絶景で知られる観光地だ。サミットで各国首脳が集まる見通しの賢島は周囲約7キロの島で、真珠養殖で有名な英虞湾に浮かぶ。首脳会議の会場になるとみられる「志摩観光ホテル」は1951年に開業した国内で戦後初の純洋式リゾートホテル。

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