2015年02月05日

飲料10位JTが撤退…業界の最新動向を知ろう

テーマ:経済

ニュースのポイント

 飲料業界10位の日本たばこ産業(JT)が、飲料事業から撤退すると発表しました。竹野内豊さんがCMに出ている缶コーヒー「ルーツ」、ローラさんの「桃の天然水」(写真)などが有名ですが、飲料業界は競争が厳しく成長は難しいと判断しました。国内の飲料市場は人口減少などで伸び悩んでおり、上位企業は海外展開を進めています。こうした機会にニュースから業界の最新動向を知り、企業研究でリードしましょう。

 今日取り上げるのは、経済面(8面)の「JT 飲料撤退/桃の天然水 譲渡検討」です。
 記事の内容は――JTは全飲料の製造販売を9月末をめどにやめ、飲料事業から撤退すると発表した。子会社が担う自動販売機の運用は続ける。事業の売上高は約500億円。飲料事業には、加工食品と並ぶ多角化の柱として1988年に参入したが、近年は業績が伸び悩み、自販機の運用も含む飲料事業全体の2014年3月期の売上高は、前期比0.5%減の1845億円。営業損益は21億円の赤字だった。桃の天然水などの人気飲料は他社への譲渡を検討する。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 国内の清涼飲料の販売シェア(2014年、飲料総研)を見てみましょう。
①コカ・コーラグループ 27.6%
②サントリー食品インターナショナル 20.5%
③アサヒ飲料 12.9%
④伊藤園 11.0%
⑤キリンビバレッジ 10.5%
⑥ダイドードリンコ 3.1%
⑦大塚ホールディングス 3.0%
⑧カゴメ 2.3%
⑨ポッカサッポロフード&ビバレッジ 2.3%
⑩JT 1.6%
 シェア10%超の上位5社と6位以下の差が大きいですね。

 JTは撤退発表の文書で、飲料市場全体が成熟化した結果「事業規模が優劣を決する構造にある」と分析。さらに商品ライフサイクルが短期化する中で安定した収益を確保するためには「積極的な販促活動で規模を追求しつつ、高品質・独自性を追求した商品を短期間で開発し続けることが不可欠」となっているとして、事業継続が困難と判断したと述べています。

 言い換えれば――国内の飲料市場は人口が減っていくなかで大きな伸びは見込めなくなっており、限られたパイを奪い合っている状況。こうした市場では、多額の宣伝費を投じたり、健康志向の高機能飲料などを次々に開発したりできる資金力を持ち、ブランド力も強い会社が有利で、下位メーカーには厳しい環境――ということです。

 JTは、健康意識の高まりでたばこの売り上げが減るなか、事業の多角化を進めてきました。たばこ自販機の設置ノウハウもあって飲料事業に参入しましたが、近年は自販機に代わってコンビニや量販店での売り上げが伸びています。コンビニの店頭に置かれるのは人気上位数品目と言われ、缶コーヒーでは、看板の「ルーツ」も、「ジョージア」(コカ・コーラ)や「ボス」(サントリー)などの人気商品には及ばないため、厳しい闘いを強いられていました。炭酸飲料のヒット商品を作れなかったことも敗因に挙げられています。

 JTの2014年3月期連結決算によると、たばこ事業が1兆9803億円と8割以上を占め、次いで飲料が8%、加工食品が7%、医薬事業が3%。柱であるたばこは健康志向に加え、たばこの増税で販売本数がピーク時の4割減となっており、加工食品、医薬にさらに力を入れていく方針です。今後の事業展開に注目してください。

 飲料業界では、国内市場は頭打ちとみて海外に積極的に取り組む企業も目立っています。「海外企業買収で成長めざすサントリー食品」(2013年9月10日、今日の朝刊)も読んでみてください。

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