2024年03月01日

いよいよ就活本番! 就活ニュースペーパーもリニューアルします【就活のキホン】

テーマ:就活のキホン

 3月1日はいわゆる「就活解禁日」。この日から、2025年卒採用の就活がスタートします。今日から「あさがくナビ」などの就活サイトや企業の採用活動ページでエントリーが始まり、ES提出期間や会社説明会などのスケジュールも開示されます。

 就職活動は年々スタートが早くなっており、あさがくナビの調べでは、2025年3月卒業予定の学生(現3年生)のうち、 2024年1月末段階で内々定をとった学生は29.2%とすでに3割近くに達し、昨年同時期にくらべて7.3ポイント増えています。ただ、内定を持っていないからといって焦る必要はありません。企業の採用意欲は今年もかわらず高く、学生優位の「売り手市場」は継続中。視野を広げて企業を探せば、必ず運命の一社が見つかるはずです。実態としては就活折り返し地点の感もある「解禁日」ですが、改めてこれからやるべきことを整理し、テンションを高めていきましょう。今回リニューアルする「就活ニュースペーパー」の紹介もいたします。(編集部・福井洋平)

(写真はすべてPIXTA)

タイパ優先でプレエントリー数は減っているが……

 3月1日からは、企業の採用活動に対する本格的なエントリーが始まります。

 学生の企業へのエントリー数は、年々減っています。あさがくナビの調べでは、2025卒予定の学生が解禁日前にプレエントリーしたい企業数は11~20社が28.7%で最多でしたが、「1~5社」が19.3%、「6~10 社」が27.6%と、約半数が「10 社以下」と回答しています。

 これはインターンシップやオープン・カンパニーが一般化し、学生が就活解禁までに企業とより深いコミュニケーションを取れるようになったことが影響していると考えられます。また、近年よく言われる「タイパ」(時間対効果)志向も影響しているかもしれません。

 エントリーする企業についてしっかり研究できる機会が増えるのは、よりよい就活をするためにはいい傾向とも言えます。ただ、あえていえば、タイパを考えてエントリー数を絞り込む方向だけで考えるのは「もったいない」とも感じます。

 リクルートの就職みらい研究所が発表した「就職白書2024」によると、2024年卒生で最初に内定をとって以降も活動を継続した割合は68.7%。そのうち、「内定取得先の企業でいいのか不安に感じたため」と答えた学生は27.0%いました。いまは売り手市場でもあり、はやめに学生を確保したい企業は増えています。そのため内定はあっさりもらえるのですが、本当にここでいいのか……という悩みをもつ学生も増えているといいます。

興味の「はじ」にある企業にもエントリーを

 自分が思いもよらなかった業界や企業に、実は自分の「運命の1社」がある可能性は十分あります。たとえば昨年、大手化学メーカーに内定を決めた女子大生(文系)は、就活の当初まったく意識していなかった化学メーカーのインターンシップを偶然受けたことから興味がわいてエントリーした結果、別の化学メーカーの内定にたどりつきました。

 また、大手商社の男性若手社員は、就活当初は自分のやったことが直接目に見える仕事がしたくてメーカーを中心に検討していたそうです。しかしこれもインターンシップを重ねるうちにメーカーの川上で資材を調達している商社の仕事が面白いと気づき、最終的には大手商社に内定、入社しました。

 社会人人生のスタートを決める企業選びは、なるべく自分が納得のいく形ですすめたいです。タイパはもちろん大切ですが、ここから本格的にエントリーを始めるにあたって自分の興味のはじっこにある企業も1つ、2つ選んでみることをおすすめします。ES作成や企業説明会で「これはやっぱりちがう……」と感じたとしても、自分の進むべき道をはっきりさせるための最良の経験となるでしょう。本命企業の選考の妨げにならない程度に、視野を広げることをぜひ試みてください。

 複数内定をとると「オワハラ」にあうのではないか……と心配になるかもしれません。2023年4月に政府は経済団体にあて、オワハラ防止の徹底を要請しています。自分が進む道を決めるのはあくまで自分です。オワハラは政府も問題視しているということをしっかり認識して、最後の決断につなげてください。

スケジュール管理をしっかりと!

 これからES作成や会社説明会への参加、実質的な選考活動も始まります。スケジュールの管理がいっそう大変になると思います。スマホのスケジュールアプリがいいという人もいますし、紙の手帳に書き出すことがベストという人もいます。すでにいろいろなツールを活用していると思いますが、ここからさらにスケジュールが過密になっていきますので予定を漏らさないよう、自分がベストと思える方法をみつけてしっかり管理していきましょう。

 面談や面接に挑む前は、気分を高めるルーティーンをつくることも個人的におすすめしています。社会人を相手に自分をプレゼンするのはパワーがいります。ちょっとでも自分のベストパフォーマンスに近づけるよう、気分を高める曲を決めてかけたり(私はこれを実践していました)、室内で軽く発声練習をしてみたり、これまでの面談経験があればその一番よかったことを思い出してみたり、気持ちを高めて本番に挑んでください。

「就活のキホン」コーナー新設

 さて、3月1日から「就活ニュースペーパー」も記事のカテゴリーをリニューアル。「就職最新情報を知る」「企業と業界を知る」「ニュースで就活力を高める」の3カテゴリーに再編します。「就活最新情報を知る」カテゴリーでは、時事ネタをさっと把握できる「週間まとめニュース」や就活に役立つニュースをまとめた「イチ押しニュース」、先輩たちの体験談をまとめた「先輩に聞く!」に加え、新たに就活のキホンやTIPS 、迷った時に読んでほしい記事を集めた「就活のキホン」コーナーを新設しました。「企業と業界を知る」では若手・中堅社員が登場する「SDGsに貢献する仕事」、採用担当者に根掘り葉掘り聞く「人事のホンネ」で企業のロングインタビューを掲載。「ニュースで就活力を高める」では、「時事まとめ」「業界研究ニュース」で面接のネタや社会人力を高めるコンテンツを毎週提供します。ぜひ、今後の就活ニュースペーパーもチェックしてください。

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