生成AIに役割を与える
生成AIによる言葉のコミュニケーションは、特にチャットGPTがバージョンアップして以降、格段に能力があがっています。そのため、面接対策には特に効果的です。こちらの回答を打ち込むとそれを踏まえて質問を返してくれますし、的確な返事もしてくれます。いまは、1人で面接対策ができる時代になったと感じます。
面接対策での活用のポイントは、チャットGPTに役割を与えることです。たとえば朝日新聞社の1次面接を想定する場合、下記のようなプロンプトを記入します。
「あなたは以下の企業の1次面接の面接官です。あなたの企業が求める学生か判断に必要な質問と質問の意図を10個作成してください。
・企業名:“朝日新聞社”
・企業の採用URL:”(URL)”」
ポイントは、質問の「意図」を出してもらうことです。これによって、より的確な回答を考えることが可能になります。「朝日新聞社の記者職」を想定して質問を10個考えてもらったところ、以下のような質問とその意図が出てきました。5つ紹介します。
1. なぜ「報道」という分野に関心を持ちましたか?
意図:メディア業界への志望動機の深さと、報道への理解・姿勢を確認するため。
2. あなたが「社会に問いを投げかけたい」と感じた出来事を教えてください。
意図:社会的関心の広さ、問題意識、言葉を通じた発信意欲の有無を確認するため。
3. 朝日新聞社の報道姿勢や記事で印象に残っているものはありますか?その理由も教えてください。
意図:企業研究の深さと、朝日新聞社との価値観の一致を測るため。
4. あなた自身が「伝える」立場に立った経験はありますか?どのように伝えましたか?
意図:コミュニケーション力、発信力、構成力(情報整理・論理展開)を確認するため。
5. 報道・メディアに関わる中で大切にしたい「倫理観」とは何だと思いますか?
意図:情報の取り扱いや公正中立性に対する意識、職業倫理への理解を測るため。
自分の長所とエピソードを入れて面接の想定問答つくる
「あなたは以下の企業の二次面接官です。あなたの企業が求める学生かどうか判断に必要な質問と意図を10個作成してください。
・企業名:“朝日新聞社”
・企業の採用URL:”(URL)”
・学生の長所:「目標達成のために計画をたてて努力ができる」
・学生のエピソード:「大学では水泳部に所属。計画、練習、改善のサイクルを1年半繰り返して大学3年のときには学校代表に選ばれ、関東学生選手権で3位に入賞できた」 」
最終面接のトレーニング相手にも
最終面接の相手になってもらうこともできます。例えば下記のようなプロンプトを打ち込みます。
「あなたは以下の企業の面接官です。これからあなたは私に様々な質問をして、私を採用するか判断してください。
#企業
・企業名:”朝日新聞社”
・採用URL:”URL”
#面接のルール
・面接先の企業に沿った質問にしてください。
・質問回数は最大10回までにしてください。
・質問は1回でひとつまで、複数質問がしたい場合は分割して聞いてください。」
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筆者(編集部・福井)も自分の学生時代を思い出しながら、チャットGPTに朝日新聞社の面接官になってもらいました。最初の質問は、「あなたが「報道」や「メディア」に関心を持ったきっかけを教えてください。また、なぜその中でも朝日新聞社を志望されたのか、あわせてお聞かせください」。朝日新聞OBの著作が好きだったことなどを交えて回答を打ち込むと、「とても深く、本質的なご志望理由だと感じました」「志望の理由が朝日新聞社と結びついていることに納得感があります」と返答が。ほかにも「報道の仕事は、批判にさらされることも多く、特に「空気を読まない」ことが求められる場面があります。あなたが多数派と異なる意見を持ったとき、それをどう伝え、どう行動しますか?」や、「あなたがこれまでに「言葉の力」を強く実感した経験があれば教えてください」、「朝日新聞社では、地方や海外への赴任、あるいは社会的に困難な現場に足を運ぶ必要がある場合もあります。そうした場での仕事に対して、どのように向き合っていきたいと考えていますか?」など、朝日新聞社の記者職採用なら聞きたくなる質問が次々に出てきて、非常に頭をつかって回答することになりました。最後に、回答から見える筆者の資質をとりまとめ、評価ポイントまで教えてくれます。面接の練習にはちょうどいい、と実感しました
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リアルタイムの情報検索には注意を
チャットGPTなどの生成AIは、情報収集にも活用できます。特に、短期間で複数社を含めた情報をざっくり知りたいときには有効につかえます。たとえば「人材業界について教えて」と尋ねると、全体的な状況をすばやくまとめて教えてくれます。
ただし、生成AIはリアルタイムの検索を少し苦手としています。ちゃんと「2025年4月現在のデータ」などと時期を指定して検索しなければ、古いデータをそのまま出してくることがあります。生成AIの情報が古くて、社長がすでに変わっていた――ということも起こりえます。会社の面接官も、学生が把握しているデータの古さをみて「生成AIをつかっている」と見抜くことができるといいます。AIが出してくる情報をうのみにせず、会社のウェブサイトなどで情報をチェックすることは必要です。
最後に、生成AIを使う際の注意事項をまとめてみました。
・情報の信憑性を見極めて
・オリジナリティーを大切に
・ウソは書かない
・個人情報や機密情報は書かない
・授業やゼミで使わない
生成AIはあくまで、補助ツールです。前編でもお伝えしましたが、生成AIは入れた情報以上のものはつくりだしてくれません。自分でしっかり自己分析を行い、ESも最初は自分で書くなどして、AIがよりサポートしやすくなるようにがんばってください。
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