実は、志望動機は単純ではなく、いくつか種類があるのを知っていますか? ①なぜこの業界か②なぜ我が社か③我が社で何をしたいか――の3ステップです。
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武田薬品工業】(面接では)志望動機をじっくり聞きます。とくに薬学部以外の学生の場合、数多くある業界のなかでどうして製薬業界なのか、その中で「なぜ武田なのか」を聞きます。幼少期に大切な誰かを亡くしたとか、自分が病気になったとか、「医療」「命」に対して特別な思いを持つ人も少なくありません。社会貢献がしたい、人の役に立ちたいという人も多いように思います。病気に苦しむ人の気持ちを理解していること、命の大切さを理解していることは、当社の従業員にとって最も大切なことです。
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日鉄物産】学生時代にやってきたことの「感想文」を述べる人が多いのですが、面接は自己表現の場。1人あたり10分~15分しかない面接では、自分の何を知ってもらいたいのかを吟味せねばなりません。表面的なものではなく、それぞれが持っている強みや特性を分析し、企業の求める人物像と照らし合わせ、なぜ商社なのか、なぜ当社なのかを、論理的かつ情熱的に伝えてほしいと思います。
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第一生命】生命保険業界を志望する理由で多いのは「人や社会の役に立ちたい」ですね。自分の強みと絡めながら言えるかどうかで差がつきます。「自分の強みは○○である」「第一生命は○○な会社だ」「自分の強みを一番いかせるのは第一生命である」といったところまで伝えることができれば、こちらも納得します。「○○な会社だから魅力がある」というだけよりも、そこまで踏み込んだほうが自分の想いが企業に伝わるのではないでしょうか。
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双日】最近よく見るのは「地方を活性化したい」。それ自体はいいことですが、よく見かける内容なので「どこかで誰かが言っていることを真似しているのでは?」と感じてしまう。本心からそう思っているかどうかは、面接で聞いていくことになります。説得力があるのは、やはり自分の体験にひもづけた話ですね。部活でもゼミでもアルバイトでも、そこで何かを真剣に考え、活動していることが大切です。会社で働く上で必要なエッセンスがちりばめられていて、「この学生は大事なことを理解できている」ことが伝わってきます。
採用ホームページに載っている「会社の良いところ」をいくら語っても面接官には響きません。大事なのは企業研究を深めること。図書館の新聞記事データベースで、志望する会社名を検索窓に入れて1年分の記事を検索してください。ライバルの社名でも検索して、参考になる記事を印字してじっくり読み込みましょう。「なぜこの業界?」「なぜ我が社?」に答える材料がきっと見つかります。もう一つのキーワードは「自分」。自己PR、ガクチカと同じで、志望動機も自分の体験、経験がポイントです。仕事と自分をひもづけて、「我が社で何をしたい?」を考えましょう。あなたにしか語れない志望動機をいま一度整理して、最終面接に備えてください。