
■エントリーシート
――ESを拝見すると「企業や仕事を選択するうえで、あなたが大事にしている価値観や軸」「企業のどんな部分を見て、自分の価値観や軸に合っていると思うかを教えてください」と、「価値観と軸」にこだわった質問があります。狙いは?
「仕事を通じて何を得たいか」をしっかり考えているか確認したい。もっとも、正解のない問いなのでビシッときれいな回答でなくてもいい。「そこに考えを持っているかどうか」という意味合いです。抽象的でもいいので、「何を大事に思っているか」に立ち戻ってもらいたいと思っています。
結果としてコクヨに入らなくても、より良い就活につなげてもらえればとも思っています。そういう思いも込めて少し抽象的な問いを投げかけています。
――学生はどんな風に書いてきますか。
学生にとっては難しいと思いますが、全然書けていないというケースはあまりないですね。「人の役に立つ」「自分の成長につなげる」といった考えを持つ人が多いでしょうか。突拍子もない言葉はあまりありません。
ただ、日々モノを考えて行動したり、多くの人と接したりしてきた人は、経験に結びつけて書いてくるので説得力があります。
――次に、どんな仕事や職種をやりたいのかを聞くんですね。
少しずつコクヨとの接点を考えてもらうところですね。「自分が大事にすることを、コクヨでどうやって実現したいのか」を書いてもらいます。
――文房具は学生にとても身近ですから、ここは書きやすいのでは?
そうですね。「日常を良くしたい」という感じで文房具に触れる人が多い。ただ、「日常」といっても起きてから寝るまでいろんなシーンがありますからその辺を面接で聞かせてもらうこともあります。
――学生は文房具が大好きですよね。
好きな学生が多いですね。それは嬉しいことです。ただ、自分が「好き」なだけではなく、「文房具が世に送り出されるところまで携わりたい」という思いが大事です。「自分が使うだけではなく、人に使ってもらう」という気持ちですね。
――「消費者目線」ではなく、「ビジネス目線」ですね。どういう考え方をしたら身につきますか。
先ほどの「仕事を通じて何を得たいか」を振り返ってもらえればいいと思います。「文具が好きで、持っているだけでわくわくする」と話す人がいますが、それは自分の気持ちであって、他の人にもその気持ちを届けたいのかどうか。そして届けたい「他の人」はどういう人なのか。学生なのか、ご高齢の方なのか、小さいお子さんなのか、働いている方なのか。それぞれの方が文房具を使うのはどういうシーンなのか。そういう具体的なイメージを、あまり持っていない学生もいます。
ただ、最初の面接ではイメージを持っていなくても仕方がないと思います。私たちが質問して「あっ、そうか」と、考えてもらえばいい。
――「人生最大の挑戦」を問う質問もありますね。
達成する意欲を見たい。困難をどうとらえて、どう行動したのかを聞きたいんです。多くの人は大学の話ですが、高校、中学のことを書く人もいますね。
――事務系以外の職種には、勉強の話や「心がけているデザインのこだわり」といった質問があります。
何に着眼しているか、興味や関心の視点を知りたいですね。なぜそれに興味を持ったか、それを起点に今後どう幅広く関心を持っていくかも参考になります。
私たちの仕事は、お客様や世の中のニーズを広く感じ取ることが大事です。ニーズとシーズ、どちらで勝負するかというと、ニーズです。世の中に幅広く関心を持って、何が求められているのかをくみ取ることが大切という意味合いです。
――「今まで周囲と協力して取り組んだ経験」の設問はチーム作業が多いから?
世の中には1人でする仕事もあるでしょうが、コクヨの仕事は全体で進めて価値が生まれます。周囲と協力したり貢献したりできるかを見ています。部活動やサークルのほか、勉強やアルバイト、課外活動などいろいろ書いてきますね。
■面接
――面接は何回ですか。
コースによって違いますが、事務系は3回です。
2017年卒採用では、1次面接は1対1の個人面接、2次は学生1人に対し面接官が3人でした。最終面接は学生1人に対し面接官2~4人くらいです。時間はいずれも20~30分くらいですね。
――それぞれの面接で見るところは?
1次面接は基本的な能力、たとえばコミュニケーション能力や論理的な能力を見ています。この段階では、志望動機はそれほど見ていません。選考が進むにつれて志望動機が形成されるのもいいと思っています。2次では、主にコクヨで何をしたいのかを聞きます。そしてマッチングが進み、最終面接を経て「相思相愛」になれれば……という設計をしています。
――佐藤さんが面接で重視するポイントは?
ESの最初に聞く「軸」を自分自身で考えようとしているか、またそれを私たちに伝えたい、という気持ちが強いかどうか。その気持ちをしっかり受け止めたい。その「軸」をコクヨと重ねて考えを聞きます。まだ入社していないので、分からないことや間違いがあっても構いません。コクヨという場を通じて、自分は何を得たいとか、世の中に対してこう貢献していきたいという思いを聞きたいですね。
面接では、話し方がうまい人が有利だと思われがちですが、3語か4語でも伝わるときは伝わってきます。饒舌に滑舌よく話すだけではなく、自分なりに思いを伝えてもらえればいい。私たちも聞き逃さないように気をつけています。目的意識が伴わず、しゃべりだけ良くても仕方ありません。
――言葉に詰まってしまった学生から、どうやって話を引き出しますか。
「何でもいいですよ」と。身近な表現でも抽象的でもいいから、自分のペース、自分の言葉で話してくださいと言います。
――話がうまくなくても内定した人はいますか。
いますよ。結果としては、話が上手な内定者が多いのですが、言葉は足りないけれど自分なりに目的意識や軸があって、コクヨで取り組みたいことをしっかり持った人です。
――「世の中への関心」との話がありましたが、ニュースについて聞くことは?
ときおり聞きます。たとえば「働き方改革」について。コクヨを志望して会社のことを知っていくと、オフィス事業に関心を持つ学生も多くなります。「働き方に貢献したい」と。「関連のニュースで気になっていることは?」などと聞いています。学生にとっては難しい質問のようですが。
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