■採用実績
――2014年度は何人入社しましたか。
総合職63人、事務職12人。女性は総合職の2割ほどで、事務職は全員女性です。
総合職には、海外の大学から採用する「グローバル採用」の社員6人も入っています。日本語が母国語ではない学生が対象で、2014年4月から10月に入社し約半年間日本語研修を受けて、2015年4月入社の新入社員と一緒に新人研修を受けて本配属になります。中国、香港、シンガポールが多いですが、他にもマレーシア、インドネシアなどアジア系外国人が中心となっています。
――2015年度の入社予定人数は?
総合職70人、事務職12人です。6~10月入社のグローバル採用は6人の予定です。
――2013年度の総合職採用は48人でしたね。この数年でかなり増やしていますが、景気の良さを反映しているんですか。
弊社は2004年に前身の日商岩井とニチメンが統合したときに採用を減らしました。10年間の足場固めの時期が過ぎ、ようやく増やしているところです。総合職の2016年度入社は80人の予定です。
――理系の学生数は?
だいたい2割ですね。女性も理系もプレエントリーの段階で全体の2割程度で、採用も同じくらいの割合です。
――大学名にはこだわらない?
弊社の役員にはいろいろな大学の出身者がいます。学閥がなく、採用も特定の大学に偏ることはありません。少しずつでもたくさんの大学から採用しています。
特定大学にこだわると、限られた学生を他の企業と取り合うことになりますから、幅広い大学から採用するのが我々の戦略です。地方で開くセミナーの回数も増やそうと考えています。
■商社・ビジネス体感セミナー
――プレエントリー数を教えてください。
ざっくり2万5000くらいで、本エントリーが1万弱くらいですね。ここ数年それほど変化はありません。「記念エントリー」がかなり減っていると言われているので、本気で選考を受けたい学生がプレエントリーする年になればいいと思います。
――2015年4月入社の採用スケジュールを教えてください。
2013年12月から広報活動を始め、12月前半は合同企業説明会に集中的に出て、後半から徐々に自社セミナーを開催。1回80~90人規模で50~60回はやりました。東京、大阪がメインですが、北海道、東北、名古屋、九州でも開きました。
――自社セミナーは特徴ある内容だそうですね。
タイトルは「商社ビジネス体感セミナー」。7~8人のチームに分かれて、事業投資やトレーディング機能をどのように発揮して仕事をしていくのか、約2時間半のゲーム形式で商社のビジネスを理解してもらいます。簡単に言うと、エネルギー資源に投資しながら一方で顧客ニーズをつかみ、販売力、収益力を高め企業価値、すなわちその企業が将来に渡って稼ぐことが可能なお金の合計をどれだけ増やせるかを競うゲームです。チームによって与えられた前提条件が違ったり、チーム間での協業や情報収集が戦略的に重要だったりしますが、最終的には数字で結果がはっきり出ます。夢中になって取り組む学生が多く、結構受け入れられていると思います。
わかりにくい商社ビジネスを、ゲーム感覚で楽しみながら仕事のイメージをつかんでもらい、あとは社員の座談会でリアルケースを紹介したり、会社説明などを付け加える、というセミナーです。
――成績優秀だと選考で有利になるとか?
参考にはなりますね。ゲームの中でも動きがいい学生、夢中に楽しそうにやっている学生は目立ちます。周りのチームの視察役、資金計算をする役など役割分担をきちっとやり、話し合って合意にもとづいて一つの方向に物事を進めていく。そういうことが得意な人と不得意な人が分かります。
――その後のスケジュールは?
このセミナーを12月から2月前半くらいまで行い、2月下旬から3月20日ごろまで本エントリーを受け付け、選考解禁の4月1日から面接をしました。内々定は4月上旬に出しはじめ、第3週までには総合職はほぼ内々定を出しました。事務職の選考は4月末から5月初旬に別途セミナーを開催して5月前半に筆記試験、中旬に面接を行い、5月下旬に内々定を出しました。
――後ろ倒しされた2016卒採用はどんな予定ですか。
3月から就職支援会社主催の合同企業説明会に広く参加し、3月中旬から4月末まで「商社ビジネス体感セミナー」を昨年並みに開催します。今年は事業投資案件を題材にしたセミナーも開きます。その後は6月上中旬から本エントリー、7月までに締め切り、8月に面接を始めたいと思っています。
――セミナーはすぐ満員になってしまうのでしょうね。
そうですね。プレエントリーしてもらえれば、セミナー募集告知のメールを送ります。それを見てすぐアクセスしてくる学生が多いですね。
――今年は8月頭に各社の面接が集中しそうですね。
8月に面接に呼んだとき、本当に来てもらえるのかどうかはフタを開けてみないとわかりません。これまでリクルーターは組織的にはやっていなかったのですが、今年は一部取り入れようと思っています。OB・OG社員が後輩の相談に乗る程度のものですが。
双日株式会社
「当事者意識」が大事 ESは早めに出して!
■インターンシップ
――インターンシップはどんな日程ですか。
2014年度は1日程5日間で3回開き、計約170人が参加しました。応募数はかなり多く、納得して参加して欲しかったので説明会を任意参加で開催、面接をして参加者を決定しました。志望動機を聞くというよりインターンで何を学びたいかなどを、社員1人に学生5人くらいのフランクな感じで聞く面接です。
――インターンと採用の関係は?
直結はしません。ただ、色々な社員が参加して仕事の仕方や働く目的、夢などを話しますし、学生にとっても参加社員は初めて一緒に濃密な時間を過ごす社会人というケースが多いと思います。そこで私どもに憧れや「こういう人になりたい」と思ってもらえたら、様々な選択肢の中から弊社を選んでもらう軸になると考えています。
――インターンはどんな内容ですか。
会社説明よりも「自分が何をしたいか」を真剣に考えてもらうキャリア教育に近い内容です。ブランドイメージとか、親が薦めるからとか、人気企業ランキングに載っているからではなく、自分がどう育てられ、どんな生き方をし、どんなことに喜びを感じるのかを突き詰めて自己分析をしつつ、自分が就職する業界・会社を選んでほしいという気持ちがあります。
――ワーク中心ですか。
そうですね。前半の3日間は自分が何をしたいのかについて考えるグループワーク。メンバーから信頼を得て、いろんなフィードバックを受ける中で、自分に足りないものに気づくような機会を与えています。
■ES
――ESの形式と主な項目を教えてください。
昨年はWEB入力でした。学歴やゼミ、研究内容、サークルでもアルバイトでも、力を入れて活動したことを何でも書いてもらう「各種活動内容1、2」の欄。あとは「これまでの人生の中で、主体的に何かに挑戦した経験」「モチベーションの源泉」「あなたは双日でどのように成長し、どんな夢を実現したいですか」といった項目でした。
――「主体的に何かに挑戦した経験」という項目はどんな狙いで設けたのですか。
多様な人材を採用したいので、求める人物像をかちっと定めるつもりはないのですが、「当事者意識」をしっかり持った学生にエントリーしてほしいため設けています。たとえば、双日は他の総合商社に比べて規模が小さいからとか社員数が少ないからやりたいことができないといった「他責思考」ではなく、主体的に周りの人を巻き込んで事業を作り上げていく強い意志を持っている学生に来てほしい。
――「モチベーションの源泉」の項目は?
自分は何に心を動かされるのかという、人間性の根幹部分を赤裸々に書いてほしいと思っています。
――どんな答えが多いですか。
学生時代の経験、たとえば留学や部活動での経験が多い。両親の影響、尊敬する人のようになりたい、といったものもあります。海外に留学して日本のプレゼンスの低下に気づき、日本を力強く復活させたいと考えた……という学生も結構いますね。
――総合商社は留学経験のある学生が多いのでしょうね。
そうですね。エントリーしてくる方の中の海外留学経験比率は高いと思います。だから、留学しただけでは「すごいね」とはならない。留学してどんなことを考え、具体的にどう行動したかが重要です。
――商社には、体育会出身者が多いイメージがあります。
体育会系の学生は一つのことに一途に邁進(まいしん)し、チームワークの大切さなど社会人として生活していくうえで大事な経験をしていると思います。ただ、体育会系というだけでOKという時代ではありません。多様性を求めて採用しているので、体育会系というところだけをアピールされても厳しい。キャプテンなどを一生懸命務め、かつ海外留学経験もある……となると、よく見えるのは確かだと思います。
――ESを見るポイントは?
自分の思いがきちんと表現されているかどうかです。選考用に取り繕って書いたのではなく、書きたいことを一生懸命に書いたESからは訴えかけてくるものがあります。
――評価できないのはどんなESですか。
空白が多いESからはあまり思いが伝わってきません。文章の構成もよく見ます。どこかで見たようなステレオタイプの内容、コピペのようなESは評価できません。
たとえば、最近よく見るのは「地方を活性化したい」。それ自体はいいことですが、よく見かける内容なので「どこかで誰かが言っていることを真似しているのでは?」と感じてしまう。本心からそう思っているかどうかは、面接で聞いていくことになります。
――逆に評価できるのは?
説得力があるのは、やはり自分の体験にひもづけた話ですね。部活でもゼミでもアルバイトでも、そこで何かを真剣に考え、活動していることが大切です。会社で働く上で必要なエッセンスがちりばめられていて、「この学生は大事なことを理解できている」ことが伝わってきます。
――ESの書類選考でどのくらい絞りますか。
半分以下に絞ります。
――何人で評価するのですか。
私を含めて採用課の担当者6人ですべてのESを見るので、直前に提出されると本当に苦しい。
――ESは早めに提出したほうが有利と聞きますが。
有利か不利かはわかりませんが、締め切りギリギリに大量のESが届く傾向があります。ぎりぎりに提出されたものは、どうしても限られた時間で必死に読むことになります。できれば早めに出してもらい、余裕のあるタイミングで読ませてほしいですね。
――WEBテストは足切りに使うのですか。
著しく点数が低いかどうかのチェックはしますが、一律に足切りすることはありません。
――インターンシップはどんな日程ですか。
2014年度は1日程5日間で3回開き、計約170人が参加しました。応募数はかなり多く、納得して参加して欲しかったので説明会を任意参加で開催、面接をして参加者を決定しました。志望動機を聞くというよりインターンで何を学びたいかなどを、社員1人に学生5人くらいのフランクな感じで聞く面接です。
――インターンと採用の関係は?
直結はしません。ただ、色々な社員が参加して仕事の仕方や働く目的、夢などを話しますし、学生にとっても参加社員は初めて一緒に濃密な時間を過ごす社会人というケースが多いと思います。そこで私どもに憧れや「こういう人になりたい」と思ってもらえたら、様々な選択肢の中から弊社を選んでもらう軸になると考えています。
――インターンはどんな内容ですか。
会社説明よりも「自分が何をしたいか」を真剣に考えてもらうキャリア教育に近い内容です。ブランドイメージとか、親が薦めるからとか、人気企業ランキングに載っているからではなく、自分がどう育てられ、どんな生き方をし、どんなことに喜びを感じるのかを突き詰めて自己分析をしつつ、自分が就職する業界・会社を選んでほしいという気持ちがあります。
――ワーク中心ですか。
そうですね。前半の3日間は自分が何をしたいのかについて考えるグループワーク。メンバーから信頼を得て、いろんなフィードバックを受ける中で、自分に足りないものに気づくような機会を与えています。
■ES
――ESの形式と主な項目を教えてください。
昨年はWEB入力でした。学歴やゼミ、研究内容、サークルでもアルバイトでも、力を入れて活動したことを何でも書いてもらう「各種活動内容1、2」の欄。あとは「これまでの人生の中で、主体的に何かに挑戦した経験」「モチベーションの源泉」「あなたは双日でどのように成長し、どんな夢を実現したいですか」といった項目でした。
――「主体的に何かに挑戦した経験」という項目はどんな狙いで設けたのですか。
多様な人材を採用したいので、求める人物像をかちっと定めるつもりはないのですが、「当事者意識」をしっかり持った学生にエントリーしてほしいため設けています。たとえば、双日は他の総合商社に比べて規模が小さいからとか社員数が少ないからやりたいことができないといった「他責思考」ではなく、主体的に周りの人を巻き込んで事業を作り上げていく強い意志を持っている学生に来てほしい。
――「モチベーションの源泉」の項目は?
自分は何に心を動かされるのかという、人間性の根幹部分を赤裸々に書いてほしいと思っています。
――どんな答えが多いですか。
学生時代の経験、たとえば留学や部活動での経験が多い。両親の影響、尊敬する人のようになりたい、といったものもあります。海外に留学して日本のプレゼンスの低下に気づき、日本を力強く復活させたいと考えた……という学生も結構いますね。
――総合商社は留学経験のある学生が多いのでしょうね。
そうですね。エントリーしてくる方の中の海外留学経験比率は高いと思います。だから、留学しただけでは「すごいね」とはならない。留学してどんなことを考え、具体的にどう行動したかが重要です。
――商社には、体育会出身者が多いイメージがあります。
体育会系の学生は一つのことに一途に邁進(まいしん)し、チームワークの大切さなど社会人として生活していくうえで大事な経験をしていると思います。ただ、体育会系というだけでOKという時代ではありません。多様性を求めて採用しているので、体育会系というところだけをアピールされても厳しい。キャプテンなどを一生懸命務め、かつ海外留学経験もある……となると、よく見えるのは確かだと思います。
――ESを見るポイントは?
自分の思いがきちんと表現されているかどうかです。選考用に取り繕って書いたのではなく、書きたいことを一生懸命に書いたESからは訴えかけてくるものがあります。
――評価できないのはどんなESですか。
空白が多いESからはあまり思いが伝わってきません。文章の構成もよく見ます。どこかで見たようなステレオタイプの内容、コピペのようなESは評価できません。
たとえば、最近よく見るのは「地方を活性化したい」。それ自体はいいことですが、よく見かける内容なので「どこかで誰かが言っていることを真似しているのでは?」と感じてしまう。本心からそう思っているかどうかは、面接で聞いていくことになります。
――逆に評価できるのは?
説得力があるのは、やはり自分の体験にひもづけた話ですね。部活でもゼミでもアルバイトでも、そこで何かを真剣に考え、活動していることが大切です。会社で働く上で必要なエッセンスがちりばめられていて、「この学生は大事なことを理解できている」ことが伝わってきます。
――ESの書類選考でどのくらい絞りますか。
半分以下に絞ります。
――何人で評価するのですか。
私を含めて採用課の担当者6人ですべてのESを見るので、直前に提出されると本当に苦しい。
――ESは早めに提出したほうが有利と聞きますが。
有利か不利かはわかりませんが、締め切りギリギリに大量のESが届く傾向があります。ぎりぎりに提出されたものは、どうしても限られた時間で必死に読むことになります。できれば早めに出してもらい、余裕のあるタイミングで読ませてほしいですね。
――WEBテストは足切りに使うのですか。
著しく点数が低いかどうかのチェックはしますが、一律に足切りすることはありません。
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