2014年07月14日

ニュース★あらもーど(7月7日~13日)

テーマ:週間ニュースまとめ

 先週は、台風8号の上陸、個人情報の流出など、大きなニュースがいろいろありました。私が気になったのは、鳥取城での籠城戦を描いたキャラクター「かつ江さん」の公開中止騒動です。そもそも、もう城はなく、土台となる石垣だけが残る「城跡」。今回の騒動で、初めて存在を知った人も多いのではないでしょうか?

 「かつ江さん」は、鳥取市教委が募集した、鳥取城跡のマスコットキャラクターの次点になった作品です。つぎはぎの着物に、やせこけた頰の女性が、カエルを持ち、悲しそうな顔をしています。籠城戦とは、激しい攻撃から城や領民を守るため、兵士や領民が城に籠もって、守りを固める作戦の一つです。一方、相手は、城から出てこざるを得ないように、兵糧(ひょうろう)攻めといって、食糧を運搬する道や近隣諸国との貿易を封鎖して、城を孤立させます。飢えが人々を苦しめます。
 「かつ江さん」を見れば、籠城戦がいかに悲惨なものかわかります。万人に愛されるキャラかどうかは置いておくとして、批判的なメールが届いたからと、あわてて公開中止にする必要があったのでしょうか?

 戦争や大災害など、人の命に直結するような悲惨な過去と向き合うと、受け手は悲しくなったり、不快になったり、ネガティブな感情を呼び起こされます。自戒もこめて言いますが、発信する側は、しっかり覚悟を決めて、取り組みたいものです。

 毎週月曜は先週1週間のニュースのうち、みなさんと共有したい話題をピックアップする「ニュース★あらもーど」をお届けしています。火曜~金曜日の「今日の朝刊」通常版とともに、ご活用ください。(副編集長・奥村 晶)

ニュースダイジェスト

★【スマートシティ】電気を有効利用 環境型都市、千葉で始動(7/8.Tue) 

 太陽光で発電したり、電気をためておいたりして地域で効率的に融通しあえる環境型都市「スマートシティ」が本格的にスタートした。千葉県柏市北部の12万7000㎡の敷地内に三井不動産が、約1000億円かけて整備した「柏の葉スマートシティ」には、高層マンションや商業施設があり、現在約5000人が暮らす。複数の区画をまたぎ、電力を融通しあえる都市は国内初めてという。

 街の中心部などに、太陽電池のほか、一般的な家庭用電池の3000倍にあたる容量1万6000kw時の蓄電池を設置。余裕があるときに電気をためて、必要な施設に効率的に電気を送ることで、電気使用量を抑えることができる。


★【禁酒令】「禁酒令は人権侵害」、福岡市職員が市を提訴(7/9.Wed)

 福岡市の高島宗一郎市長が2年前、飲酒がらみの不祥事を防ごうと、全職員の自宅外飲酒を禁じた「禁酒令」を出したことで、人権を侵害されたとして、男性職員(49)が、市を相手取り、損害賠償を求める訴訟を福岡地裁に起こした。訴状によると、原告の男性は禁酒令に「訓示規定以上の強制力があった」としたうえで、「憲法で保障された自由権を侵害され、多大な精神的苦痛をこうむった」と主張。損害額については金銭的な評価は難しいとして慰謝料名目で1円を請求している。

 市職員の飲酒運転が、子どもを巻き添えにした死傷事故などを起こしたことをきっかけに出された「禁酒令」だが、県弁護士会は今年3月、「人権侵害にあたる違法な通知」として市に勧告している。


★【旅客キロ】ANAがJALを抜き、初の首位 5月国際線(7/9.Wed)

 全日本空輸(ANA)が5月、国際線で客を運んだ実績で初めて日本航空(JAL)を抜いたことがわかった。4月に座席数と飛行距離をかけて表す事業規模でJALを上回ったのに続き、運んだ旅客数と飛行距離を掛け合わせた「旅客キロ」の数値でもトップに立った。旅客キロは航空会社の売上高に直結する数字で、ANAはGWの利用が好調で、前月比11.4%増の約29億5000万旅客キロになった。
 
 国交省は3月末に増えた羽田空港の国際線枠を、ANAに1日11便、JALに同5便と、傾斜配分。羽田発着便は搭乗率が7割を超える人気で、今回の逆転にも影響したとみられる。


★【個人情報】ベネッセ、「進研ゼミ」顧客など760万件の情報流出 (7/9.Thu)

 教育事業大手のベネッセホールディングス(HD)は、通信講座「進研ゼミ」「こどもちゃれんじ」など26サービスの顧客の個人情報が約760万件、外部に流出したと発表した。流出したのは、子どもや保護者の名前、子どもの生年月日、住所、電話番号など。クレジットカード番号や銀行口座、成績などの情報流出は確認されていない。

 消費者庁によると、個人情報の流出件数としては過去最悪。さらに最大で約2070万件まで増える可能性がある。6月下旬、別の通信教育事業を手がけるIT企業が営業用ダイレクトメールに流用していたことで、発覚した。


★【サイバー攻撃】政府機関への不正接続、2013年度は508万件 (7/10.Thu)

 政府は、サイバー攻撃など政府機関への不正な接続が2013年度は約508万件あり、2012年度(約108万件)の5倍近くに急増したことを明らかにした。攻撃の爆発的な増加が見込まれる2020年の東京五輪に向け、対策強化に対応する「サイバーセキュリティ戦略本部」を内閣に置く予定。

 攻撃は多様化していて、地方にある国の出先機関や、原子力関連などの独立行政法人が持つ情報も標的になっている。また、特定の組織や個人を狙う「標的型攻撃」も巧妙化している。

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