2013年11月01日

パナソニック、ソニー、東芝、ANA…決算記事で企業研究

テーマ:経済

ニュースのポイント

 巨額の赤字に苦しんでいたパナソニックが過去最高益を記録し、証券大手5社は純利益を大きく伸ばす――電機や証券大手などの2013年9月中間決算が出そろいました。アベノミクスで景気が上向いているため、おおむね好調です。決算記事を読むと、各企業が今何に力を入れているのかや、世界の情勢の影響など、「企業の今」が読み取れます。企業研究に役立ててください。

 今日取り上げるのは、経済面(10面)の中間決算記事「パナ復調、最高益/シャープも営業黒字」「証券5社増益/株価上昇追い風」「航空2社、増収減益/円安で燃料費負担増」です。
 記事の内容は――電機大手8社は、パナソニックが最高益を記録する一方、ソニーはテレビの不振などで赤字が続いた。円安もあって8社全体では復調傾向だが、スマートフォンでは明暗が分かれた。証券大手5社はいずれも純利益を大きく伸ばした。株価上昇の「追い風」で取引がふくらみ、売買を仲介する際の手数料が増えた。ANAホールディングスと日本航空(JAL)は国内線の好調などで売上高が前年同期を上回ったが、円安による燃料費の負担増で減益となった。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 決算とは、企業が一定期間の経営成績や財政状態をまとめ、「いくらお金を使って、いくらもうけたか、財産の状況はどうなっているのか」を明らかにする手続きです。法律で1年に1回は行うことになっていますが、多くの企業は6カ月間の中間決算もまとめています。4月から翌年3月を会計年度としている企業が多く、4~9月の中間決算が今の時期に集中します。

 今日の中間決算記事を読むと、各企業が何に注力しているのかや、どこで苦しんでいるのかがわかります。
◆パナソニック:自動車向けなどのリチウムイオン電池が黒字に/太陽光パネルなどの住宅関連の利益伸びる/携帯電話の出荷台数は前年比4割減で赤字
◆シャープ:液晶パネルの販売が増え、大型テレビも好調
◆ソニー:スマホ販売が前年比2割増/液晶テレビは新興国の販売不振で赤字、テレビ事業の通期での黒字化は厳しく/テレビ、カメラパソコンなどの販売目標引き下げ/下期は新型ゲーム機「プレイステーション4」に期待
◆富士通:携帯電話の出荷台数は前年比7割減
◆NEC:携帯電話の出荷台数が前年比5割減、スマホ生産撤退を決め在庫処分費用が響く
◆東芝:スマホ向け半導体販売増で半導体事業の利益が4倍に
◆三菱電機:韓国・中国などのスマホメーカーからの生産設備の受注伸びる
◆みずほ証券:企業合併・買収(M&A)仲介業務が好調
◆ANA、JAL:国内線が好調/円安による燃料費負担増で減益/景気回復でビジネス、観光の旅客者数増/ANAはボーイング787のトラブルによる欠航と、国際線に占める中国便の割合が高いため日中関係悪化による日本人観光客減が響いたが、売上高は過去最高に

 3面にも電力各社の中間決算の記事が出ています。興味のある業界の決算記事には必ず目を通してください。

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