ニュースのポイント
半導体製造装置で世界3位の東京エレクトロンと、1位の米アプライドマテリアルズが経営統合すると発表しました。スマートフォン(スマホ)の普及と進化が、搭載する半導体の製造装置メーカーの再編を促しました。もともと日本の得意分野だけに、今後、他のメーカーの動きにも注目です。
今日取り上げるのは、経済面(7面)の「東京エレクトロン、経営統合/半導体 世界1位と/オランダに持ち株会社」です。
記事の内容は――東京エレクトロンは米アプライドマテリアルズと2014年後半にも経営統合することで合意したと発表した。統合後の売上高は2位を大きく引き離し、断トツの1位に。大手同士の統合で技術力を高め、競争に勝ち残りを図る。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)
就活アドバイス
半導体は、パソコン、携帯電話、家電製品、デジカメ、カーナビ、ゲーム機、自動車など、ありとあらゆるエレクトロニクス製品に使われています。その半導体をつくるための製造装置には極めて高い技術が必要で、これを生産しているのが東京エレクトロンです。1990年には売上高世界一になり、その後も20年以上、世界3位以内を守っています。同社を筆頭に、大日本スクリーン製造(6位)、アドバンテスト(7位)、日立ハイテクノロジーズ(8位)、ニコン(9位)と、世界トップ10のうち半分を日本の企業が占めますが、欧米企業との競争が激化し、厳しい戦いを強いられています。
そんな中で、東京エレクトロンが世界1位のアプライド社との「強者連合」に乗り出すというニュースです。統合に踏み切らせたのは、腕時計型、眼鏡型などさらに小型商品が開発されているスマホをはじめモバイル端末の急速な進化。これに対応するため、半導体もさらなる小型化や省電力化を求められ、製造装置の開発費には数百億円単位の巨額投資が必要になっています。統合で技術力を高めるとともに、コスト削減により開発費を効率的に投入し、競争に勝ち残ろうという戦略です。今後、他のメーカーにも国境を越えた企業再編が広がるとの見方も出ています。
半導体製造装置の詳細やメーカーの最新動向については、一般社団法人「日本半導体製造装置協会」や東京エレクトロンのホームページ(HP)に掲載されています。業界・企業研究の第一歩です。
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