2023年05月29日

ホンダがF1復帰へ レースでEV・脱炭素車の技術開発狙う【週間ニュースまとめ5月22日~28日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 ホンダが自動車レース最高峰の F1(エフワン)に復帰すると発表しました。ホンダは1964年にF1に初参戦し、1980年代後半には連戦連勝。ホンダといえばF1、というイメージがつくくらい強烈な印象を残しました。しかし、ガソリンエンジン車から電気自動車(EV)や脱炭素燃料車への移行が迫られ、ホンダも脱炭素動力の研究開発に力を入れるため2020年にF1からの撤退を決めていました。今回の再参入の背景には、F1の運営側が脱炭素に向けたルール変更を決めたことがあります。ルール変更は、電気エネルギーの比率を高めることや二酸化炭素(CO₂)の排出が実質ゼロになる合成燃料の使用を義務づけることなどです。それならF1が脱炭素への技術開発につながる場にもなるということで、再参入を決めたのです。トヨタ自動車も脱炭素車をレースで試しています。5月27日から28日にかけて液体水素を燃料とした水素エンジン車で富士スピードウェイの24時間耐久レースに出場しました。トヨタは脱炭素の動力源として水素も選択肢に入れており、レースを通じて開発につなげる狙いがあります。自動車の世界の大変化はレースの場でも起こっています。(ジャーナリスト・一色清)

(写真・1988年に16戦15勝を果たした「マクラーレンMP4/4ホンダ」。2019年の東京モーターショーのホンダのブースに展示された=東京都江東区)

【経済】ホンダ、5年ぶりにF1復帰へ 脱炭素のルール変更で2026年から (5/24.Wed)

 ホンダは24日、自動車レースの最高峰であるF1に2026年から復帰すると発表した。アストン・マーチンに動力となるパワーユニットを供給する。電気自動車(EV)などに経営資源を集中させるため2021年限りで撤退していたが、F1が脱炭素を意識したルール変更を導入するとしており、復帰を決めた。ホンダは1964年のF1初参戦以来、撤退と復帰を繰り返してきた。2020年には、EVや燃料電池車(FCV)などの脱炭素化技術の研究開発に技術者や資金を振り向けるため、4度目の撤退を発表。F1は開発費などに年間数百億円かかるとされ、八郷隆弘社長(当時)は「再参戦は考えていない」と語っていた。2021年限りでパワーユニットの供給元としての活動を終え、2025年まではF1参戦の2チームにパワーユニットの技術支援を行うとしていた。再参戦の背景には、F1のルール変更がある。2026年から、エンジンやエネルギーの制御技術などを組み合わせたパワーユニットの電気の出力を増やし、100%持続可能な燃料を使用するよう規則が変わる。ホンダはF1を通じた技術開発が、乗用車などの脱炭素化にも生かすことができると判断した。ホンダは、2040年には世界で売る全ての新車をEVかFCVにするとしており、国内の自動車メーカーの中では最も意欲的な目標を掲げている。

【社会】市議長の長男を殺人容疑で逮捕 長野の立てこもり、警察官ら4人死亡(5/25.Thu)

 長野県中野市で25日夕に発生した立てこもり事件で、県警は26日午前、現場で身柄を確保した農業の青木政憲容疑者(31)=同市江部=を、死亡した4人のうち、県警の男性巡査部長に対する殺人容疑で逮捕し、発表した。一連の事件では、このほかにも警察官1人を含む男女3人が死亡しており、県警は政憲容疑者がいずれにも関与した疑いがあるとみて、経緯を詳しく聴いている。政憲容疑者は青木正道・同市議会議長の長男で、立てこもっていたのは、青木氏の自宅だったという。県警によると、政憲容疑者は25日午後4時半過ぎ、同市江部で「男が女性を刺した」などとする110番通報を受けて駆けつけた、中野署地域課の池内卓夫巡査部長(61)に向けて持っていた猟銃のような銃を発砲して弾丸を胸に命中させて、殺害した疑いがある。

【政治】首相長男ら公邸で忘年会、官房長官「総理から厳しく注意」 処分なし(5/25.Thu)

 岸田文雄首相の長男で政務秘書官の翔太郎氏や親族らが昨年末、首相公邸で「忘年会」をしていたと文春オンラインが報じた問題で、松野博一官房長官は25日午前の記者会見で「報道にあるような行為は適切さを欠くものだ。今後このようなことがないよう、(公邸の)適切な使用管理を徹底したい」と述べ、事実関係を認めた。文春オンラインが24日に配信した記事によると、翔太郎氏が親戚ら10人以上を公邸に招き「忘年会」を開催。掲載された昨年12月30日付とされる写真は、赤いじゅうたんが敷かれた階段で翔太郎氏が親族らと記念撮影したものや、親族の一人が階段に足を伸ばして座っているものだ。

【経済】セブン&アイ、井阪社長の続投決定 株主総会で米ファンドの案を否決(5/25.Thu)

 流通大手セブン&アイ・ホールディングスの株主総会が25日、東京都内の本店で開かれた。井阪隆一社長は経営方針をめぐる考え方の違いから、株主で米投資会社バリューアクト・キャピタルから退任を迫られていたが、株主の過半数の賛成で続投が決まった。バリューアクトは高収益をあげるコンビニ事業への集中を求め、井阪氏らが現状維持を優先しているなどと批判。一方、会社側は、バリューアクトの提案が「短期的な利益を獲得することを目的とした短絡的かつ乱暴な計画を強行するための手段」と批判していた。

【経済】米債務上限引き上げ、大統領と下院議長が大筋合意 議会手続き焦点に (5/27.Sat)

 米政府の債務(借金)上限の引き上げ問題で、バイデン米政権と共和党が27日、上限の引き上げで大筋合意に達した。バイデン大統領が声明で発表した。6月5日にも迫る米史上初の債務不履行の回避に向け、今後の焦点は米議会による手続きに移る。バイデン大統領は声明で、同日夕に共和党のマッカーシー下院議長との間で大筋合意に達したと説明。「この合意は米国民にとって朗報だ。破滅的な債務不履行になりかねなかったのを回避したからだ」などとした。米国では政府が借金できる上限を法律で決めている。現在は約31.4兆ドルで、すでに上限に達している。上限を引き上げなければ、6月5日にも債務不履行に陥る。それまでに議会で上限引き上げの法案を通す必要がある。

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