2023年02月13日

三菱重工、国産ジェット旅客機断念 ものづくり再生どうなる?【週間ニュースまとめ2月6日~12日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 この週には、とても残念なニュースがありました。 三菱重工業が国産初のジェット旅客機「スペースジェット」(SJ)の開発を断念すると発表したのです。国も支援して15年の歳月と1兆円規模の資金を投じたプロジェクトが失敗に終わったということです。「日本はものづくりが得意な国」と言われてきました。航空機分野は太平洋戦争の敗戦で一時研究や開発が禁止された影響があり、アメリカのメーカーの下請けに甘んじてきましたが、日本メーカーも本当はジェット旅客機を製造する力を持っていると信じられてきました。その思いを現実のものにしようとしたのが、このプロジェクトだったのです。だから、失敗に終わったショックは小さくありません。「日本はものづくりが得意な国」というのは過去の栄光ではないのか、という疑問を突き付けられた感じがします。確かに日本は今も自動車や半導体製造装置などのメーカーは世界でもトップクラスです。ただ、かつては家電、半導体、造船などもっと幅広い分野で世界をリードしていました。それがズルズルと後退している印象です。日本のものづくりは再生できるのでしょうか。SJショックをみんなが真剣に受け止める必要があると思います。(ジャーナリスト・一色清)

(写真・試験飛行に向けて離陸するスペースジェット=2020年3月、愛知県豊山町の県営名古屋空港)

【経済】日産とルノーの出資比率が「対等」に 実質的なルノー傘下から脱却(2/6.Mon)

 日産自動車は6日、提携先の仏ルノーと互いに出資 比率を「対等」にそろえることで最終合意したと発表した。今年中に手続きを完了する予定。資本提携した1999年から実質的に続いてきたルノー傘下という立場を脱する。日仏連合は発足以来24年ぶりに大きな転換点を迎える。自動車業界は急ピッチで進む電動化など激動期に入っており、「対等」後の日産の戦略が問われる。ルノーは保有する43%の日産株のうち28%分を仏信託会社に移し、議決権を「中立化」して手放す。日産はルノー株を15%保有しており、両社の資本関係は対等となる。ルノーは一定の株価水準になったときに日産株の売却を検討するとみられるが、筆頭の売却候補は日産とすることなどを条件とした。

【国際】トルコとシリアで強い地震 建物倒壊、両国で死者多数か(2/6.Mon)

 トルコ南部からシリア北部にかけての一帯で6日未明、強い地震があった。米地質調査所(USGS)によると、地震の規模を示すマグニチュード(M)は7.8。USGSによると、地震は現地時間の午前4時17分に起きた。震源はトルコ南部ガジアンテップの西約34キロ、深さは約18キロ。トルコ側の被災地からの映像では、コンクリート造りの建物があちこちで倒壊し、人々が手作業でがれきの中に閉じ込められた人の救出を続けている。
 トルコとシリアで起きた大地震の死者が11日夜、2万8000人を超えた。トルコ南部の被災地を11日に視察した国連のグリフィス事務次長(人道問題担当)は今後、死者数が2倍以上に増えるとの見通しを示した。世界保健機関(WHO)が10日時点でまとめた集計によると、両国の被災者数は2600万人に上る。このうち508万人が高齢者や子どもなどだという。(2/11.Sat)

【経済】三菱の国産ジェット、「知見足りず」に撤退 1兆円の投資も実らず(2/7.Tue)

 三菱重工業は7日、国産初のジェット旅客機「スペースジェット」(SJ、旧MRJ)の開発を断念すると発表した。航空機産業を日本のものづくりの新たな柱に育てようと、国も支援したプロジェクトだったが、開始から15年で撤退に追い込まれた。同日、東京都内で記者会見した泉沢清次社長は開発を断念した理由について、2008年に始めた開発が長期化し、今では最新の技術と比べて機能や装備が見劣りする部分が出ていると語った。今後、設計を変更して商業飛行に不可欠な「型式証明」(TC)の取得を目指したとしても「必要な期間と資金の面で、事業性が見通せない」と判断したという。開発の長期化を招いた原因については、TCを取得するプロセスへの「理解不足」を挙げた。

【経済】日銀新総裁に植田和男氏 政府方針、経済学者で元審議委員 (2/10.Fri)

 政府は、4月8日に任期満了を迎える日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁(78)の後任に、元日銀審議委員で共立女子大学教授(経済学)の植田和男氏(71)を起用する方針を固めた。新体制では金融政策の正常化が大きな課題になり、植田氏は重責を担うことになる。植田氏は、マクロ経済学や金融論を専門とする経済学者。1998年からは日銀の審議委員を7年間務めた。日銀総裁はこれまで日銀出身者と財務省(旧大蔵省)出身者でほぼ占められており、植田氏が就任すれば、戦後初の学者出身の日銀総裁となる。副総裁には、元金融庁長官でニッセイ基礎研究所エグゼクティブ・フェローの氷見野(ひみの)良三氏(62)、日銀の現役理事の内田真一氏(60)を充てる方針だ。正副総裁とも任期は5年。政府は、次期総裁と2人の副総裁の人事案を14日に国会に提示する方針で、衆参両院の同意を得て正式に任命する。

【社会】マスク着用、3月13日から「個人判断」 学校は4月以降基本不要に (2/4.Sat)

 政府は10日に開いた新型コロナウイルス対策本部で、3月13日からマスクの着用は屋内外を問わず、基本的に個人の判断に委ねることを決めた。満員電車や医療機関の受診では当面着用を勧めるが、普段からマスク着用を求める感染対策は終わる。文部科学省は10日、学校の授業などは4月1日以降、基本的にマスク着用を求めないとする通知を各地の教育委員会に出した。3月末までは従来通りマスク着用を求める。卒業式では校歌などを歌ったり、生徒らが呼びかけをしたりするときを除いて、教職員と児童・生徒は着けないことを基本にすると明記した。基礎疾患など様々な事情でマスク着用を希望したり、健康上の理由でマスクを着けられなかったりする児童生徒もいるとして、着脱を強制しないようにすることも求めた。

◆朝日新聞デジタルのベーシック会員(月額980円)になれば毎月50本の記事を読むことができ、スマホでも検索できます。スタンダード会員(月1980円)なら記事数無制限、「MYキーワード」登録で関連記事を見逃しません。大事な記事をとっておくスクラップ機能もあります。お申し込みはこちらから

アーカイブ

テーマ別

月別