2022年12月12日

「今年の車」日産と三菱自の軽EV 割り切ったコンセプトで成功【週間ニュースまとめ12月5日~11日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 この時期になると、今年のもっとも〇〇なモノやコトに贈られる賞のニュースが増えます。この週には「日本カー・オブ・ザ・イヤー」がニュースになりました。今年は、日産自動車三菱自動車が共同で手がけた軽自動車電気自動車(EV)「サクラ」と「ekクロスEV」が受賞しました。地球環境問題によってクルマにはガソリン車からEVへの流れが生まれていますが、EVには①1回の充電で走れる距離が短い②値段が高い──というネックがあり、まだ本格的な流れになっていません。サクラとekクロスEVは、ふたつのうち値段を安くすることに力を注いだクルマです。国や自治体の補助制度を使えば地域によっては100万円台前半で買うことができ、ガソリン車の軽に比べてもそん色ない安さです。ただ、走行距離は180キロと短く、こちらは街乗りに徹するクルマと考えて力を入れなかったことを示しています。成功の理由は、製品コンセプトのこうした割り切りだと思います。地方ではクルマを2台持つ家も少なくなく、1台は街乗り用という使い方があります。また、都会では通勤や買い物だけにクルマを使う人もいます。多くはないが確かにある需要に的を絞ったことが、ユーザーの反応を生んだのでしょう。EVが普及するための一歩として歴史的に重要な役割を果すクルマになるかもしれません。(ジャーナリスト・一色清)

(写真・日産の「サクラ」〈左〉と三菱自動車の「ekクロスEV」=2022年5月、岡山県倉敷市)

【スポーツ】日本、初の8強ならず 延長戦いクロアチアと1-1 PK戦で敗れる(12/5.Mon)

 サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会は5日(日本時間6日午前0時)、アルワクラのアルジャヌーブ競技場で決勝トーナメント1回戦があり、日本代表(世界ランキング24位)は初の8強入りをかけて前回準優勝のクロアチア代表(同12位)と対戦した。日本は前半43分に前田大然が先取点を挙げたが、クロアチアは後半10分に1点を返した。試合は1―1のまま延長でも決着がつかず、PK戦へ。日本はPK戦で1―3で敗れた。日本は1次リーグでドイツ(同11位)、スペイン(同7位)の優勝経験国にいずれも逆転勝ちし、2勝1敗のE組首位で決勝トーナメントに進出。一方、クロアチアは1次リーグを1勝2分けのF組2位で通過。若い守備陣とMFモドリッチら経験豊富な選手がまとまり、勝ち上がってきた。

【国際】ロシア本土へのドローン攻撃、インフラ破壊に反撃か 戦闘激化の恐れ(12/5.Mon)

 ロシア国防省は5日、同国内の二つの空軍基地が同日、ウクライナ軍のドローン(無人航空機)攻撃を受け、3人が死亡、軍用機2機が破損したと発表した。国営タス通信などが伝えた。ウクライナ側は関与を認めていないが、ドローンによる爆発は、ウクライナの電力施設を標的にしたロシア軍が重ねるミサイル攻撃への反撃との見方が強い。戦闘激化への懸念が強まっている。爆発が起きたのはモスクワ南東のジャギレボ空軍基地とロシア南部エンゲリスにある空軍基地。国防省はいずれのドローンも撃墜したとする一方、破片の落下などで軍用機2機が損傷したと明らかにした。

【国際】中国のゼロコロナ大幅緩和へ 自宅隔離認め、全市民PCR検査も廃止(12/7.Wed)

 中国政府は7日、新型コロナウイルスの感染を抑制する「ゼロコロナ」政策の大幅な緩和となる通知を発表した。軽症者の自宅隔離を認めるほか、公共施設の出入りの際の陰性証明の提示は一部を除いて求めず、感染者が出た地域の全市民を対象とする PCR検査も行わないと明示した。2年以上続いた市民生活や企業活動の制約が、大きく緩和されることになる。これまですべての感染者が原則として政府指定の施設や医療機関で隔離されていたが、今後は無症状者や軽症者の自宅隔離を認める。陰性証明の提示については、医療機関や学校など一部の場所に出入りする時を除いて不要とし、省をまたぐ移動の際の行動履歴の確認も撤廃する。感染者が発生するなどして「高リスク」と判断された地域以外では移動の制限や生産活動の停止を行ってはならないとし、人口が1000万を超える都市などでも実施されてきた全市民への検査も今後行わない。

【経済】「今年の車」に日産と三菱自の軽EV 日本カー・オブ・ザ・イヤー (12/8.Thu)

 自動車評論家らが選ぶ今年の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」に8日、日産自動車と三菱自動車が共同で手がけた、軽自動車の電気自動車(EV)「サクラ」と「eKクロスEV」が選ばれた。日産の受賞は昨年の「ノート」「ノート オーラ」に続いて2年連続。軽自動車の受賞は、1980年の賞創設以来初めてとなった。この軽EVは日産が開発し、三菱自の工場で組み立て、両社が別ブランドで6月に発売した。買い物や通勤などの街乗りでの利用を想定。フル充電で走れる距離を180キロとこれまでのEVよりも短くし、価格を200万円台半ばに抑えた。手に届く価格設定が話題を集め、これまでに「サクラ」は約3万3000台、「eKクロスEV」は約7500台を受注した。評論家からは「EVへのハードルを下げ、日本での普及の可能性を高めた」「軽の走りの質感を格段に上げた」などと評価された。

【政治】被害者救済新法が成立 審議入りからわずか5日間、異例の土曜日に(12/10.Sat)

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題を受けた被害者救済新法は臨時国会会期末の10日、参院本会議で自民党立憲民主党などの賛成多数で可決、成立した。新法は寄付勧誘時の禁止行為や配慮義務を定めた。施行後2年をめどに見直す規定も盛り込まれた。新法は、個人から法人などへの寄付一般が対象。寄付を勧誘する際に「困惑」させる六つの行為を明示して禁止する。禁止行為違反などには国が勧告や命令を行い、命令違反には1年以下の拘禁刑や100万円以下の罰金を科す。寄付を勧誘する際の配慮義務も規定。「自由な意思を抑圧し、適切な判断をすることが困難な状況に陥ることがないようにする」など、マインドコントロール 下にある人への勧誘行為の規制を求めてきた野党側の主張を一部とり入れた。被害救済の仕組みも盛り込んだ。一定の不当な勧誘行為によって行った寄付を取り消すことができるようになる。新法は6日の衆院本会議で審議入りし、わずか5日間でのスピード成立となった。

◆朝日新聞デジタルのベーシック会員(月額980円)になれば毎月50本の記事を読むことができ、スマホでも検索できます。スタンダード会員(月1980円)なら記事数無制限、「MYキーワード」登録で関連記事を見逃しません。大事な記事をとっておくスクラップ機能もあります。お申し込みはこちらから

アーカイブ

テーマ別

月別