2022年10月24日

円安・物価高は日本の経済が弱いから どうしたら強くなる?【週間ニュースまとめ10月17日~23日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 円安と物価高が止まりません。円安は32年ぶりに1ドル=150円台となり、物価は31年ぶりに3パーセント台に乗りました。31~32年前といえば、バブル経済のピークだった頃です。為替水準や物価上昇率が同じくらいになったといっても、同じ状況に戻ったわけではありません。あの頃は強すぎる景気がもたらした物価上昇でした。あとから振り返るとバブルの部分はありましたが、実際に日本経済が強かったことは間違いありません。今は日本経済が弱いために低金利を続けざるを得ず、海外との金利差が開いて円安が進んでいます。そして円安が輸入物価を押し上げて物価高につながっている構図です。つまり、日本経済が弱いがゆえに円安になり物価高になっているわけです。今の円安・物価高をわたしたちが深刻に受け止めないといけないのは、そこです。金融政策には緩和と引き締めがあります。景気が悪くなったり物価が下がったりすると金利を下げたり市中に出回るお金の量を増やしたり(金融緩和)し、景気が過熱したり物価が上がったりすると金利を上げたり市中に出回るお金の量を減らしたり(金融引き締め)します。しかし、今の日本には金融引き締めという選択肢がなくなっています。経済が弱い状態のままだからです。金利を上げても耐えられる強い経済にしないといけないとは多くの人がわかっているのですが、できていません。日本経済をもっと強くするにはどうしたらいいのか、頭の体操として考えてみてください。 (ジャーナリスト・一色清)

(写真は、一時「1ドル=150円台」をつけた為替相場を表示するモニター=2022年10月20日、東京都港区の外為どっとコム)

【政治】岸田首相、旧統一教会への調査指示 宗教法人法「質問権」を初行使へ(10/17.Mon)

 岸田文雄首相は17日午前の衆院予算委員会で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)について、宗教法人法に基づき、報告徴収・質問権の行使に向けた手続きを進める考えを表明した。衆院予算委に先立ち、官邸で永岡桂子文科相に「質問権」に基づく調査を指示した。宗教法人法に基づく「質問権」の行使は初めて。調査の理由については、2016年、17年に法人自体の組織的な 不法行為 責任を認めた民事裁判 の例がみられたと説明。さらに、政府の電話相談窓口には、金銭トラブルや心の健康に関するものまで、9月30日時点で1700件以上の相談が寄せられ、法テラスや警察を含め、関係機関に相談がつながれていることを挙げた。調査権限は、オウム真理教による地下鉄サリン事件後、1996年に施行された改正宗教法人法に盛り込まれた。解散命令請求などの理由に該当する疑いがある場合、宗教法人審議会の承認を得て、法人に報告を求めたり、質問したりする権限が所轄庁に与えられ、法令違反など解散命令の要件に該当するかどうかを調べる。法人側が同意しないと、施設に立ち入っての質問はできない。結果次第では、旧統一教会の宗教法人格を剝奪(はくだつ)する解散命令の請求につながる可能性もある。

【社会】ADKホールディングスの社長ら3人を贈賄容疑で逮捕 五輪汚職 (10/19.Wed)

 東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件で、スポンサー獲得業務を担った広告大手「ADKホールディングス」(東京都港区)から約4700万円、大会マスコットのぬいぐるみを製造・販売した「サン・アロー」(千代田区)から約700万円の賄賂を受領したとして、東京地検特捜部は19日、大会組織委員会の元理事・高橋治之容疑者(78)を受託収賄容疑で再逮捕し、発表した。逮捕は4回目で計5ルートに及び、立件総額は約1億9600万円となった。特捜部はADK側について、社長・植野伸一(68)、元専務・久松茂治(63)、元五輪担当本部長・多田俊明(60)の3容疑者を贈賄容疑で逮捕した。

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【経済】円相場、1ドル=150円台に 政府の牽制も、円安に歯止めかからず(10/20.Thu)

 20日の外国為替市場で円相場が一時、1ドル=150円台まで下落し、32年ぶりの円安水準を更新した。米国が物価高騰を抑えるための利上げに踏み切った3月以降、円は対ドルで35円も下落。異例のペースで円安が進んでいる。日本政府は円安の動きに、牽制(けんせい)を強めているが歯止めがかかっていない。
 政府・日本銀行は、ドルを売って円を買う為替介入を実施した。関係者が22日明らかにした。9月22日に24年ぶりの円買い介入をしており、追加の措置となる。あえて実施を公表しない覆面介入とみられる。円相場は21日夜、1ドル=152円台近くまで下げたあと、短時間で円高に振れた。一部の電子取引システムでは1ドル=144円台半ばまで7円以上高騰した。その後は徐々に円安が進み、ニューヨーク市場の円相場は、1ドル=147円台後半で取引を終えた。(10/21.Fri)

【経済】9月の消費者物価、31年ぶりの3%上昇 円安の影響強まる(10/21.Fri)

 9月の消費者物価指数(2020年=100)は、値動きの大きい生鮮食品をのぞく総合指数が102.9で、前年同月より3.0%上がった。3%台となったのは、消費増税が影響した期間をのぞくと1991年8月以来、31年1カ月ぶり。資源高と歴史的な円安が影響し、エネルギー関連にとどまらず、幅広い品目が値上がりしている。総務省が21日発表した。上昇は13カ月連続で、日本銀行が物価安定目標として掲げる2%を超えるのは6カ月連続だ。調査対象品目の7割が前年より上昇した。ロシアのウクライナ侵攻による資源高に円安が重なる構図は従来通りだが、最近は円安の影響が濃くなっている。

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【国際】習氏1強が完成、新体制 4期目も視野か 後継者不在(10/23.Sun)

 中国共産党の新たな指導部が23日、発足した。習近平(シーチンピン)総書記(69)は3期目続投を決め、7人で構成する党最高指導部の政治局常務委員には、習氏が引き上げた側近4人が新たに加わった。留任した指導部メンバーも含めて習氏の1強体制が完成し、4期目以降の長期政権も視野に入った。一方で、胡錦涛(フーチンタオ)前国家主席や李克強(リーコーチアン)首相(67)らの系譜を引き、次期首相候補でもあった胡春華副首相(59)が政治局員から外れるなど習氏の意向がほぼ全面的に反映される人事となった。

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