2021年10月18日

NTTが転勤廃止へ 「昭和のスタイル変える」と社長【週間ニュースまとめ10月11日~17日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 映画「釣りバカ日誌」の第1作は、鈴木建設四国支社高松営業所の浜崎伝助(ハマちゃん)が東京本社への転勤を命ぜられるところから始まります。釣りをこよなく愛するハマちゃんは、出勤前にも釣りのできる高松営業所を離れたくなくてごねるのですが、それが通用するわけなく、しぶしぶ東京へ向かいます。そこで自分の会社の社長と知らずに鈴木一之助社長(スーさん)と知り合い、2人が釣りを通じてドタバタ喜劇を繰り広げます。この第1作は昭和から平成に代わる時の正月作品としてつくられ、シリーズは22作品にもなりました。ハマちゃんのように転勤したくないのに転勤させられるビジネスパーソンは今もたくさんいます。「子どもを転校させたくない」「親の介護がある」などの事情のほか、夫婦共働きが当たり前になった今は「片方の転勤についていけない」ことも事情として増えています。結局、結論としては、家族と離れて単身赴任という形が多くなります。NTTは、4~5年のうちに転勤を廃止する方針を打ち出しました。リモートワークを活用すれば転勤しないですむはずだという考え方です。NTTは通信会社ですので、率先してリモートワークを進めようという思惑もあるでしょうが、転勤廃止自体は多くのビジネスパーソンに歓迎されるのではないでしょうか。昭和の時代は「働く夫と専業主婦」という組み合わせがまだ多く、夫の転勤についていくことも、夫のいない家庭を守ることも、ハードルがそう高くない時代でした。NTTの社長は「昭和のスタイルを変える」と言っています。社会全体で本当にできるのかどうかはわかりませんが、時代がそちらに向かって流れているのは間違いなさそうです。(ジャーナリスト・一色清)

(写真は、NTT本社前の看板=東京・大手町)

【労働】「転勤廃止」進めるNTT社長、自らも10回経験 脱・昭和の裏側は(10/12.Tue)

 NTTの澤田純社長が12日、朝日新聞の単独インタビューに応じた。9月末に表明した「転勤が不要になる働き方」について「4年、5年で実現したい」とし、2025年をめどにグループの大部分でリモートワークを基本とした仕組みを整える方針を示した。全国の空きスペースをリモートワークの拠点として整備し、他社に開放する構想も明らかにした。リモートワークを基本とする働き方は、9月に澤田社長自身が「昭和のスタイルを変える」として発表。転勤や単身赴任についても2022年度以降に「なくしていく方向だ」と述べていたが、新しい働き方の実現時期を示したのは初めて。

【経済】ガソリン162円台、原油高騰で7年ぶりの高値 景気への悪影響懸念(10/13.Wed)

 日本エネルギー経済研究所石油情報センターは13日、11日時点のレギュラーガソリンの店頭価格(全国平均)が1リットルあたり前週より2.1円高い162.1円だったと発表した。6週連続の値上がりとなる。2014年10月以来約7年ぶりの水準だという。ガソリンの原料である原油は、コロナ禍からの経済活動の再開で需要が増えた。一方で供給には制約がある。8月には、米国の石油生産設備の一部がハリケーンの影響で操業を止めた。今月4日には石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの産油国でつくる「 OPECプラス」が、原油の追加増産を見送った。OPECプラスの増産などがなければ、原油の値上がり傾向は当面続くとみられている。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田知至主任研究員は「ガソリン価格の高騰は増税のようなもので、可処分所得を減らし景気にはマイナスだ。世界的にインフレコロナの次の懸念材料となっていて、(インフレと不況が同時に進む)スタグフレーションの恐れもある」と指摘する。

【政治】衆院解散、コロナ禍でも一斉に「バンザイ」 19日公示で選挙戦へ
(10/14.Thu)

 「日本国憲法第7条により、衆議院を解散する」。衆院本会議で大島理森議長が宣言した。コロナ禍の中ながら恒例通り、身分を失った議員たちは一斉に「万歳三唱」をした。大島議長が読み上げた解散詔書は、紫のふくさに包まれて松野博一官房長官が議場に運び込んだ。大島議長が「ただいま内閣総理大臣から、詔書が発せられた旨、伝えられましたから、朗読いたします」と語り始めると、議場は水を打ったように静まりかえった。衆院選は4年ぶりで、19日公示・31日投開票の日程で行われる。解散から投開票までの期間は17日間で戦後最短。衆院議員の任期満了(21日)を超えての衆院選は現行憲法のもとで初めてとなる。

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【経済】台湾TSMCの熊本工場、政府5000億円支援で調整 ソニーなど協力?(10/14.Thu)

 世界的な半導体メーカーの「台湾積体電路製造」(TSMC)は14日、四半期決算のオンライン会見で、日本に半導体製造工場を建設する方針を明らかにした。熊本県につくるとみられる。2022年に着工し、2024年の稼働をめざす。日本政府の誘致に応じた形で、公費による支援が前提となる。TSMCは台湾内外に17の製造工場を持つ。海外での大規模工場は、稼働中の中国と増設中の米国に続き日本が3カ国目となる。新工場への投資額は総額1兆円規模で、半分程度の5000億円を日本政府が支援する方向で調整している。関連費用を今年度の補正予算案に盛り込む方針だ。日本の政府関係者によると、建設地は熊本県菊陽町にあるソニーグループの半導体工場の隣接地が検討されている。稼働に向け、ソニーや自動車部品大手のデンソーなどと協力する可能性もある。

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【社会】ドコモ通信障害、サーバー切り替えに不具合 一部の混雑ようやく解消(10/15.Fri)

 NTTドコモの田村穂積副社長は15日、前日夕に発生した全国規模の通信障害について記者会見し、謝罪した。障害の復旧後も回線の混雑で電話やネットがつながりにくい状態が続いたが、発生から約29時間後の午後10時になって、最後まで残っていた旧型の携帯端末などで使われる「3G」回線の一部での混雑がようやく解消された。ドコモによると、今回の障害の原因はネットワークの切り替え工事。各種の通信端末の位置情報などをためておくサーバーを新しいものに切り替えたが不具合が生じ、元のサーバーに戻した。この時に世界中の端末から一斉に位置情報の再登録が集中し、ネットワークがパンクした。これが携帯電話の音声通話やデータ通信にも波及した。障害の復旧後も回線の混雑は続き、大部分の解消は15日午前5時過ぎになった。ただ、「ガラケー」と呼ばれる旧型端末などで使われる3G回線の一部はその後も混雑が続いた。3G契約は6月末時点で1400万件超。長時間にわたって利用者に不便を強いたことに、田村副社長は会見で「ご迷惑をおわび申し上げます」と頭を下げた。

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