2021年09月13日

トヨタが電池に巨額投資 「EVの心臓部」自前で【週間ニュースまとめ9月6日~12日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 トヨタ自動車が、2030年までに電池の増産や研究に1兆5000億円を投じると発表しました。電気自動車(EV)の時代を迎えるにあたって、トヨタは「電池は自前でつくる」と宣言したことにほかなりません。自動車メーカーが電池を自前でつくるかどうかは、電気自動車の時代をどう生きるかという姿勢に関わります。電気自動車にとってもっとも大事なものは電池の性能とコストです。これまでのガソリン車ではエンジンがもっとも大事でしたが、電気自動車にとっての電池はそれ以上のものと言えます。これまでなら、電池は電池メーカーが作るもので、自動車メーカーは電池メーカーから買ってくるのが常識でしたが、それでは自動車メーカーは組み立てメーカーに過ぎなくなります。心臓部を電池メーカーに握られるわけで、自動車メーカーのほうが下請けのようになるかもしれません。資金力のあるトヨタが「電池も自前で作る」と考えたのは当然だと思います。自動車メーカーは、もう一つの技術革新も迫られています。自動運転です。こちらは自動車を制御するIT技術が心臓部になります。グーグルアップルなどのIT企業が開発に乗り出しています。自動車メーカーはどこまで自前でやるのか、こちらでも問われています。地球温暖化への対応もあって、さまざまな分野で技術革新が起ころうとしています。新技術の心臓部は何で、心臓部をどこが握ろうとしているのか。それがわかってくると、将来の業界の姿がおぼろげながら見えてくると思います。(ジャーナリスト・一色清)

(写真は、トヨタ自動車が公開した新しいEV専用シリーズ第1弾となるSUV「TOYOTA bZ4X」の試作車=トヨタ自動車提供)

【経済】トヨタ、車載電池関連に1兆5000億円投資 自前調達でコスト半減狙う(9/7.Tue)

 トヨタ自動車は7日、2030年までに電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)といった電動車につかう車載電池の増産や研究開発に、1兆5000億円を投じると発表した。EVで1台あたりの生産コストのうち3割を占めるという電池のコストを、半分にすることもめざすという。トヨタは今春、2030年に世界販売1000万台のうち、HVを含む電動車を800万台にする目標を掲げた。車の大量生産に応じた電池の安定的な調達が課題だった。巨額投資によって、自前の調達網を強化する。世界的な「脱炭素」の動きで電動車の需要は急増しそうだ。これに対応できる体制をめざす。

【経済】日経平均株価、終値も3万円台回復 5カ月ぶり(9/8.Wed)

 8日の日経平均株価の終値は前日より265円07銭高い3万0181円21銭で、4月5日以来、約5カ月ぶりに終値で3万円台を回復した。日経平均の上昇は8営業日連続。新政権の発足期待に加え、新型コロナの感染拡大が一服していることが好感され、投資家心理が改善して幅広い銘柄が買われた。

【社会】日大理事長宅を捜索 東京地検、病院工事めぐる背任容疑の関係先(9/8.Wed)

 日本大学が発注した付属病院の建て替え工事をめぐり、日大の理事が大学側に数億円の損害を与えた疑いがあるとして、東京地検特捜部は8日、背任容疑の関係先として日大本部(東京都千代田区)などを一斉に家宅捜索した。学校法人トップの田中英寿理事長の自宅と学内の理事長室も捜索した。関係者への取材でわかった。他に捜索に入ったのは、関連会社「日本大学事業部」(世田谷区)など。同社は日大が全額出資して2010年に設立され、関連施設の管理・運営などを行っている。関係者によると、日大は2020年、医学部付属板橋病院(板橋区)の建て替え工事の設計監理を、都内の設計事務所に二十数億円で発注した。この契約に関連し、日大側の数億円の資金が不当に流出した疑いがあるという。

【政治】19都道府県の緊急事態宣言延長を決定 今月末まで(9/9.Thu)

 菅義偉首相は9日、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言について、東京など19都道府県で12日に迎える期限を今月末まで延長することを正式決定した。政府が8日に公表した緊急事態宣言を解除する際の新指標では、重症者数や中等症者数が減っているかなど医療の逼迫(ひっぱく)状況を今まで以上に重視する内容に変わり、今回の判断から適用した。またワクチン接種が行き渡る11月ごろをめどに、宣言や重点措置の対象地域での行動制限の緩和をめざすことも決めた。

【経済】SBIが新生銀行にTOB 敵対的買収に発展する可能性も(9/9.Thu)

 ネット金融大手SBIホールディングスは9日、約20%の株を持ち、筆頭株主となっている新生銀行に対し、株式公開買い付け(TOB)をすると発表した。約1100億円かけて保有比率を48%まで引き上げ、連結子会社にすることをめざす。SBIは同行に資本業務提携を提案してきたが賛同を得られず、TOBに踏み切った。新生銀の対応次第では敵対的買収になる可能性がある。日本の金融業界で事前通告なしに買収に乗り出すのは極めて異例だ。SBIは2019年4月から新生銀株を市場で徐々に買い増してきた。地域金融機関を支える「地方創生パートナーズ」を2020年8月に共同で設立するなど一定の提携も進展。しかし、大きな相乗効果を期待する証券業務などでの提携は進んでいない。事実上傘下に収めて経営の融合を進め、総合金融グループをめざす。

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