2021年04月19日

日米首脳会談の声明に「台湾」なぜ? 中台の歴史知ろう【週間ニュースまとめ4月12日~18日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 この週は日米首脳会談が注目されました。米国のバイデン大統領は就任後初めて会談する国のトップとして日本の菅義偉首相を選びました。その理由は会談後発表された共同声明を見るとわかります。バイデン大統領がもっとも警戒している国は中国です。中でも台湾を支配するために軍事侵攻するかもしれないという危機感を強めているようです。そうした有事にそなえるには、中国や台湾に地理的に近い同盟国の日本と認識を共有しておく必要があると考えたのでしょう。共同声明には台湾海峡の平和と安定の重要性が盛り込まれました。そもそもなぜ中国と台湾が緊張関係にあるのかは、近現代史を学んだ人はわかっていると思いますが、おおざっぱに説明します。第2次世界大戦前の中国は中国国民党中国共産党が支配権を争っていました。戦後、内戦の結果、共産党が優勢になって中華人民共和国を建国しました。国民党の人たちは台湾に逃げ、中華民国を立ち上げました。しばらくは国連を含め多くの国が中華民国を正当な中国と認めていたのですが、中華人民共和国のほうがはるかに多い人口を抱え、はるかに広い地域を支配していたため、国連も日本も米国も中華人民共和国を正当な中国と認めるようになり、台湾は国ではないとしたのです。ただ、台湾は自由で民主的な政治がおこなわれているので、体制的には日本や米国に近く、日本や米国は台湾を目立たないように尊重するという微妙な付き合い方をしてきました。しかし、中国が政治的にも経済的にも大きくなり、領土や領海を広げようという野心があからさまになってきています。このため、これまでの微妙な付き合い方が難しくなってきて、米国は台湾を守る立場から中国と対立を深めているわけです。もし台湾有事となれば、日本も米国を支援する形で戦争に引きずり込まれる可能性が高くなります。一方で、日本の経済は中国と深く結びついています。いったんことあれば日本も大きく傷つくのは間違いありません。有事にならないよう、事態をコントロールするのがとても大事になってきます。(ジャーナリスト・一色清)

(写真は、日米首脳会談後の共同会見に臨む菅義偉首相〈左〉とバイデン大統領=2021年4月16日、ワシントンのホワイトハウス

【社会】家事や介護に1日4時間 中高生の5%がヤングケアラー(4/12.Mon)

 大人の代わりに家事や介護といった家族の世話を担う子ども「ヤングケアラー」が、中学・高校生でおよそ20人に1人いることが、厚生労働省が12日に発表した初の全国調査で明らかになった。世話に割く時間は1日平均4時間に及び、当事者からは学校生活や将来への影響を心配する声も出ている。調査は全国の公立中学の2年生と公立高校(全日制など)の2年生を対象に昨年12月以降に実施し、1万3777人から回答があった。世話している家族がいると答えたのは中学2年で5.7%、高校2年(全日制)で4.1%。文部科学省の統計にあてはめると、中学2年で約5万5000人、高校2年(全日制)で約4万2000人がヤングケアラーという計算になる。

【医療】「頼みの綱」ワクチン接種、綱渡り 高齢者もスタート(4/12.Mon)

 高齢者向けのワクチンの優先接種が12日、始まった。ただ、ワクチンの確保がなかなか進まず、接種が本格化するのは5月以降だ。足元では新型コロナウイルスの感染再拡大が止まらず、実務を担う自治体では医療従事者が不足するなど課題は山積する。接種計画は綱渡りが続きそうだ。「ワクチンは(新型コロナの)発症や重症化に対する切り札。一日も早く多くの皆さんに接種を受けてもらえるようしっかり取りくむ」。菅義偉首相は12日、東京都八王子市の高齢者向け接種会場を視察した後、記者団にそう強調した。

【政治】福島第一原発の処理水を海洋放出、政府が方針を正式決定(4/13.Tue)

 政府は13日、東京電力福島第一原子力発電所の処理水について関係閣僚会議を開き、海洋放出することを正式に決めた。梶山弘志経済産業相が同日福島県を訪れ、内堀雅雄知事らに会って説明する。福島第一原発ではいまも汚染水が増えている。東電は、多核種除去設備(ALPS〈アルプス〉)で処理してタンクに保管しているが、2022年秋以降には満水になる見通しだという。関係閣僚会議で決めた基本方針では、タンク増設の余地は限定的などとして、海洋放出の必要性を強調している。処理済み汚染水はアルプスで再び処理し、海水で薄める。放射性物質の濃度を法令の基準より十分低くした処理水にしたうえで、海に流す。政府は東電に約2年後をめどに放出を始められるように、設備の設置などを求める。漁業関係者は反対しており、福島の住民らにも不安感がある。政府は「風評被害」が起きないよう万全の対策をとるとしている。

【経済】東芝の車谷社長が辞任 業績で成果、株主とは対立(4/14.Wed)

 東芝は14日、車谷暢昭社長(63)が辞任し、後任に前社長の綱川智会長(65)が復帰する人事を発表した。東芝の再生が完了したため、などと説明したが、株主や社内の不信感を背景に辞任に追い込まれたのが実態だ。車谷氏の「古巣」である英国系投資ファンドの買収提案から1週間。経営は混乱し、トップの交代に至った。車谷氏は元三井住友銀行副頭取。2018年4月に東芝会長に就いた。不正会計が発覚した東芝の企業統治の改善や、米国の原子力発電所事業の失敗による経営危機からの立て直しを任され、2020年4月には社長に就任していた。

【政治】日米首脳、対中で足並み 共同声明に「台湾」半世紀ぶり(4/16.Fri)

 菅義偉首相とバイデン米大統領は16日午後(日本時間17日未明)、ホワイトハウスで初めて会談した。中国をめぐる問題や経済・気候変動分野の日米協力などについて協議した。中国の活発な軍事的活動で緊張が高まる台湾海峡については「平和と安定の重要性」で一致し、会談後に出した共同声明に「台湾」を明記した。首脳間の文書に台湾が記されるのは、日本が1972年に中国との国交を正常化してから初となる。共同声明では、台湾について「日米両国は台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」と明記した。台湾が日米首脳間の文書に明記されるのは、佐藤栄作首相とニクソン大統領との1969年の共同声明以来52年ぶり。日本が1972年に中国との国交を正常化し、台湾と断交する前の時代だった。3月の日米外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)の共同声明でも「台湾海峡の平和と安定の重要性」と明記された。

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