2021年04月12日

北京五輪ボイコット論浮上 国際情勢に注目【週間ニュースまとめ4月5日~11日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 この週は、オリンピックに関する国際ニュースが続きました。まずは北朝鮮が東京オリンピックに参加しないというニュースです。理由は政治的な問題ではなく「選手団がコロナを持ち帰るのがこわい」ということのようです。ただ、同じような理由で不参加を決める国が出てくる可能性があり、気になるところです。もうひとつのニュースはアメリカ国務省の報道官が北京冬季オリンピックのボイコットを同盟国と協議するという趣旨の発言です。理由は新疆ウイグル自治区などで中国が人権問題を起こしていることへの抗議のようです。こちらは東西冷戦時代の41年前にソ連(今のロシアなど)の首都モスクワであったオリンピックにアメリカ、日本など自由主義体制の多くの国が、ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議して参加しなかったことを思い出させます。この発言がどこまで本気なのか、まだはっきりしませんが、アメリカと中国の新冷戦時代の到来を決定づける動きになるかもしれません。オリンピックは理念として世界平和に役立てることをうたっています。しかし、使い方によっては世界の対立を深めることもあります。東京オリンピックが1年延期となったことで、東京オリンピックと北京オリンピックの間隔が半年ほどになりました。今から来年2月の北京オリンピックまで国際情勢はオリンピックがらみでいろいろと動きそうです。国際情勢は日本国内の政治や経済も動かします。注意してみていることが必要です。(ジャーナリスト・一色清)

(写真は、米国務省で記者会見をするプライス報道官=国務省のホームページから)

【国際】北朝鮮、東京五輪に不参加 「コロナから選手を保護」(4/5.Mon)

 北朝鮮のオリンピック委員会が、今夏の東京五輪への不参加を決めた。北朝鮮体育省が運営するウェブサイト「朝鮮体育」が掲載した5日付の記事の中で、不参加の決定を伝えた。記事によると、北朝鮮のオリンピック委員会総会が3月25日に平壌で、ビデオ会議方式で開かれ、金日国(キムイルグク)体育相や委員らが出席。今夏の東京五輪への参加について、新型コロナウイルスから選手を保護するため「委員の提案により参加しないことを討議、決定した」という。

【国際】米、北京五輪ボイコット協議へ 同盟国と、人権問題受け(4/6.Tue)

 米国務省のプライス報道官は6日の記者会見で、来年2月の北京冬季五輪について、中国の人権問題への懸念を示した上で、ボイコットする可能性を米国の同盟国との間で協議したいとする意向を示した。米国からの呼びかけで、日米間でも協議することになりそうだ。プライス氏は、ボイコットの可能性について「当然、我々が(同盟国と)議論したいことだ。(米国と同盟国の)連携したアプローチは我が国の利益のみならず、同盟国・友好国の利益でもある」と述べた。プライス氏はさらに、ボイコットをめぐる検討に関連して、中国・新疆ウイグル自治区におけるウイグル族らに対する迫害など、中国国内の人権問題にも言及した。欧米では中国政府による新疆ウイグル自治区や香港での人権問題をめぐり、北京冬季五輪のボイコットを呼びかける動きが強まっている。バイデン政権はこれまでに、中国国内の人権問題を理由として、欧米各国と連携した対中制裁を科している。

【国際】フジHD、外資規制違反は2年間 総務省に相談していた(4/8.Thu)

 フジテレビなどを傘下に置くフジ・メディア・ホールディングスの金光修社長は8日、同社で記者会見を開き、2014年9月までの約2年間にわたり放送法の外資規制に違反していたと認め、陳謝した。同年12月に違反の事実を総務省に相談し、厳重注意を受けたと説明。同省は当時の対応について「法的な問題はなかった」としている。外資規制は放送が世論に与える影響を考慮し、外国資本を一定程度に抑えるのが目的。議決権の外資比率が20%以上の事業者は認定を受けられず、違反すれば総務相は認定を取り消さなければならない。金光社長は「極めて重要な比率についてオーバーしたことは深く反省しなければならない」と述べた。

【政治】東京・京都・沖縄にまん延防止措置「大きな波にしない」(4/9.Fri)

 政府は9日夜、新型コロナウイルスの感染が再拡大している東京都と京都府、沖縄県に対し、「まん延防止等重点措置」を適用することを決めた。菅義偉首相は首相官邸で開いた政府対策本部で、「各地で発生する波を全国規模の大きな波にしないために、地域を絞った重点措置を機動的、集中的に講じて感染を抑え込んでいく」と述べた。適用開始は3都府県とも今月12日からで、東京都では5月11日までの30日間、京都府と沖縄県は5月5日までの24日間。飲食店などへの時短要請は、緊急事態宣言時と同じ午後8時となる。緊急事態宣言に準じた「まん延防止等重点措置」は、2月に施行された改正特別措置法で新設され、今月5日、大阪府と兵庫県、宮城県で初めて適用された。宣言前でも時短命令を出すことができ、命令に応じない場合は20万円以下の過料となる。スポーツや音楽など大規模イベントの入場者数は、上限を5000人までとする。

【スポーツ】松山英樹、マスターズで優勝 日本男子初のメジャー制覇(4/11.Sun)

 男子ゴルフのメジャー大会、マスターズ・トーナメントは11日、米ジョージア州オーガスタのオーガスタ・ナショナルGC(パー72)で最終ラウンド(R)が行われ、最終組で出た松山英樹(29)が優勝を決めた。日本男子のメジャー制覇は、史上初の快挙。松山は試合後のインタビューで「朝からずっと緊張していて、最後まで緊張しっぱなしで終わりました」と苦笑。日本勢初の優勝について「僕が勝ったことで、日本人が変わっていくんじゃないかと思います」と話した。

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