2021年02月01日

英国がTPP加盟申請へ 経済協定は日本成長のカギ【週間ニュースまとめ1月25日~31日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 「犬が人をかんでもニュースではないが、人が犬をかむとニュースだ」とは、昔よく聞いたマスコミ業界の言葉です。今は野良犬が少なくなって犬が人をかむことが少なくなりましたので、この言葉をあまり聞かなくなりましたが、意外性こそニュースの大事な要素ということに変わりありません。この週、とても意外性を感じたニュースはイギリスの環太平洋経済連携協定(TPP)加盟申請です。TPPはその名の通り太平洋を取り巻く11カ国の協定です。まさか太平洋から遠く離れたイギリスが入ろうとするとは、意外でした。TPPは関税電子商取引投資などについて自由度がとても高い協定なので、このルールを守るのなら国の位置に関係なく歓迎されるはずです。だから意外ではありますが実現性のあるニュースです。昨年11月には中国の習近平国家主席も「参加を積極的に考える」と表明しました。参加の署名をしていたアメリカがトランプ政権になって離脱したときにはTPPは大きな挫折を味わいましたが、ここにきてラブコールが相次ぎ、様変わりです。資源が少なく、国内市場が縮んでいく日本は、できるだけ自由に世界で経済活動ができることが大事になります。TPPなどの国際的な経済協定に関するニュースは日本経済の成長と密接に関係しますので、注目してください。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色清)

(写真は、TPP加盟11カ国と英国旗の前に座る英国のトラス国際貿易相=英政府提供)

【社会】世界のコロナ感染者、1億人に 1日で60万人増える(1/27.Wed)

 新型コロナウイルスの世界全体の感染者が27日、米ジョンズ・ホプキンス大の集計で累計1億人を超えた。人類の約78人に1人が感染したことになる。最近は毎日60万人前後(過去7日平均)の新たな感染者が報告されている。感染による死者数は215万人を超えている。最も感染者数が多いのは米国で約2538万人。昨年11月ごろから1日の新規感染者数が20万人前後の日が続いていた。インド(約1067万人)、ブラジル(約887万人)が続く。欧州では昨年10月以降に感染者が急増し、いまも毎日約20万人の感染者が出ている。ロンドンがあるイングランドロックダウン(都市封鎖)が続くなど、状況は改善していない。

【経済】トヨタ、世界販売台数5年ぶり首位 モデルチェンジ奏功(1/28.Thu)

 トヨタ自動車が5年ぶりに世界販売台数で首位の座に返り咲いた。28日に発表した2020年の世界販売は前年比11.3%減の952万8000台(ダイハツ工業日野自動車を含む)。930万5000台(前年比15.2%減)だった独フォルクスワーゲン(VW)グループを上回った。2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大で世界的に販売が低迷したが、トヨタ単体では4月に中国が、7月に欧州が前年同月を超えるなど回復。世界全体の販売台数で9月以降、前年同月を上回った。「RAV4」や「ワイルドランダー」など人気のスポーツ用多目的車(SUV)を、2019年から2020年にかけてフルモデルチェンジや新規投入し好調だった。

【経済】米GM、35年までにエンジン車全廃へ 電動化が加速(1/28.Thu)

 米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は28日、2035年までにエンジン車を全廃する方針を明らかにした。電気自動車(EV)など走行中に排ガスを出さない「ゼロエミッション車」に全面的に置き換える。気候変動対策を重視するバイデン新政権の発足直後に、米最大手のGMが野心的な目標を掲げたことで、電動化に向けた世界の自動車産業の動きが一段と加速しそうだ。メアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)は「安全で環境に優しい世界をつくる政府や企業の取り組みにGMも加わる」としたうえで、同業他社などにも追随を呼びかけた。

【経済】東芝が3年半ぶり東証1部復帰 釘刺す「もの言う株主」(1/29.Fri)

 東芝が29日、東京証券取引所2部から1部に復帰した。米原発事業の失敗による債務超過のため2017年8月に2部に降格しており、復帰は3年半ぶり。事業売却や組織改革など再建への取り組みが東証に認められたかたちだ。1部復帰を機に、再建を加速させたい考えだが、「もの言う株主」との対立など、火種はなお、くすぶっている。中堅企業が中心の2部から、大企業が多く東証株価指数(TOPIX)にも組み込まれる1部に昇格すると、株価の上昇やスムーズな資金調達が期待できる。この日、東芝株の終値は3415円。1部復帰が承認される直前の終値から1週間で約15%上がった。幹部らは「2部では超えられない天井だった4000円台」を視野に入れる。

【経済】英国、TPP加盟申請を発表 EU離脱の「成果」急ぐ(1/30.Sat)

 英国政府は30日夜(日本時間31日朝)、環太平洋経済連携協定(TPP)に正式に加盟申請すると発表した。トラス国際貿易相が2月1日、今年のTPP議長国を務める日本の西村康稔経済再生相らとオンラインで会談し伝達する。昨年末に欧州連合(EU)から完全離脱した英国は、TPP加盟を新たな経済戦略の柱と位置づける。TPPは2018年に日本や豪州、シンガポールなど11カ国で開始。発足メンバー以外の国からの加入要請は初めてで、欧州からの申請も初となる。日本が主導する自由貿易の枠組み拡大に弾みがつきそうだ。

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