2020年10月26日

米司法省がグーグル提訴 IT時代、独禁法の適用増える?【週間ニュースまとめ10月19日~25日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 「GAFA(ガーファ)」(グーグルアップルフェイスブックアマゾン)とよばれる巨大IT企業が強すぎる存在になっている、と欧米などで反発が広がっています。アメリカ司法省はこのうちのひとつグーグルに対する反トラスト法独占禁止法)違反での提訴に踏み切りました。グーグルは検索サービスで圧倒的なシェアを持っています。アメリカのモバイル検索市場では94%ものシェアになっています。ひとつの分野で圧倒的なシェアを持つ企業があると、競争が生まれず、消費者が損をするということから、市場経済の国では、日本の独占禁止法にあたる法律を持っています。状況次第では、会社を分割するよう命じることもあります。健全な競争を促すために必要な法律ですが、企業側からすると、「努力した結果なのに」という不満につながることもあります。そんな独占禁止法の出番は、これまで以上に多くなるだろうと私は見ています。IT企業はひとり勝ちになりやすい構造を持っていると思うからです。一般の商品やサービスは、地域性、好み、価格差、情報を得るまでの時間差などがあり、ひとり勝ちとはなりにくいのですが、IT関係のサービスは場所を問わず瞬時に無料で、しかも評判付きで手に入ることが多く、利用者が多いほど情報が豊富になることから「みんなが使っているものがいい」となりがちです。独占禁止法なんて自分には関係ないと思っているかもしれませんが、社会に出るとこの法律を意識しないといけない場面に出くわすかもしれません。覚えておきましょう。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色清)

(図解は、米司法省のグーグル訴訟の主なポイントとグーグル側の反論)

【教育】学校との連絡もハンコレスに 国がデジタル化へ通知(10/20.Tue)

 学校と保護者の連絡手段を「紙」から「デジタル」にし、ハンコは省略――。文部科学省は20日、全国の教育委員会や都道府県にそんな通知を出した。押印を省き、メールなどを使うことで保護者の負担を減らし、教員の業務効率化を図る。通知は政府が進めるデジタル化の一環。現在、学校では行事への参加申し込み、アレルギーの確認、欠席連絡、進路調査など様々な連絡を書面で行い、必要な場合は押印を求めている。ただ、押印は学校と家庭の信頼関係を高める上で慣例的に使われているに過ぎず、法律で義務づけられてはいない。一方で、多くの家庭が市販の「認め印」を使っており、保護者が書いた文書かを証明するには限界がある。そんな中、横浜市や埼玉県戸田市の各教委がオンラインの専用フォームによる欠席連絡を導入するなど、独自にデジタル化を進める動きも出ていた。

【国際】グーグルを米司法省が提訴 「人々が選んだ結果」と反論(10/20.Tue)

 米司法省は20日、米グーグルが検索や検索広告での独占的な地位を使って競争を阻害したとして、ワシントンの連邦地裁に反トラスト法(独占禁止法)違反で提訴した。1998年に米マイクロソフトを提訴した反トラスト訴訟以来の大型案件で、GAFA(ガーファ)と呼ばれる巨大IT企業の規制は歴史的な節目を迎える。提訴の原告には司法省のほか、11の州も加わった。ローゼン司法副長官は20日の電話会見で、「競争を促さなければ次世代の技術革新の波に乗り遅れ、グーグルに続く次の企業を米国が生むことはできなくなる」と強調した。司法省は、グーグルの基本ソフト(OS)アンドロイド」を搭載するスマートフォンに、自社の検索アプリ標準設定させる取り決めをし、競争企業を排除したことの違法性を訴えている。こうした設定を可能にするため、オンライン広告で集めた巨額の資金を使い、スマホメーカーへの支払いに充てたことも問題視した。

【科学】宇宙飛行士に必要な資質って? 月探査に向け来秋募集へ(10/23.Fri)

 文部科学省と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は23日、来秋にも新たな宇宙飛行士を募集すると発表した。米国が主導する有人月探査計画に継続的に参加することを想定し、今後は5年に1回ほどの頻度で募集する計画という。今回選抜するのは数人。来秋ごろに募集を始め、1年ほどかけて選抜する見通し。会見した若田光一飛行士(57)は「とてもやりがいのある仕事。国際宇宙ステーション(ISS)から月探査という新しいステップに移る中で、多くの人に興味を持ってもらい、若い人が月探査を切り開いてほしい」と期待した。今回初めて、選抜に民間企業が参加するといい、民間の育成ノウハウやアイデアを活用した選抜や訓練を検討しているという。日本人飛行士は、TBS記者だった秋山豊寛さんが1990年に初めて宇宙を飛んで以来、これまでに12人を数える。

【国際】イスラエルとスーダン、正常化へ トランプ氏がアピール(10/23.Fri)

 トランプ米大統領は23日、イスラエルスーダンが関係を正常化することで合意したと発表した。トランプ氏の仲介によるもので、11月3日に迫った米大統領選を前に、新たな外交実績を「歴史的合意」としてアピールした。アラブ諸国とイスラエルは1948年のイスラエル建国時から対立。国交を結ぶアラブ諸国はエジプトヨルダンのみだったが、今年9月にアラブ首長国連邦(UAE)とバーレーンが、トランプ氏の仲介で国交 樹立に署名した。スーダンがこれに続けば5カ国目となる。

【国際】核兵器禁止条約、発効条件満たす 50の国・地域が批准(10/24.Sat)

 核兵器の開発や製造、保有、使用を全面的に禁じる核兵器禁止条約批准国・地域が24日、条約が発効する条件となっている50に達した。90日後の来年1月22日に条約が発効する。「核なき世界」の実現を求める国際的な声に後押しされ、核兵器を非人道的で違法だとみなす初めての国際条約が動き出す。中米ホンジュラスが24日に批准したと、国連関係者が明らかにした。国連が定める五大州別の批准国・地域数は、アフリカ6▽米州21▽アジア8▽欧州5▽オセアニア10となった。小国や島国が多いのが特徴だ。日本は「日米同盟の下で核兵器を有する米国の抑止力を維持することが必要」などとして批准していない。

◆人気企業に勤める女性社員のインタビューなど、「なりたい自分」になるための情報満載。私らしさを探す就活サイト「Will活」はこちらから。

※「就活割」で朝日新聞デジタルの会員になれば、すべての記事を読むことができ、過去1年分の記事の検索もできます。大学、短大、専門学校など就職を控えた学生限定の特別コースで、卒業まで月額2000円です(通常月額3800円)。お申し込みはこちらから

アーカイブ

テーマ別

月別