2020年07月13日

感染拡大の中で「Go Toトラベル」 自分がリーダーなら?【週間ニュースまとめ7月6日~12日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 新型コロナウイルスの感染拡大が再び心配される事態になってきました。東京では連日 200人を超す新規感染者が出ています。全国にも広がっていて、400人前後の新規感染者を記録するようになっています。一方で、プロ野球Jリーグでは観客を入れた試合が始まりました。政府は旅行費用に補助する「Go To トラベル」キャンペーンを前倒しして始めることを決めました。感染が拡大しつつあることがはっきりしているのに、政府は人の移動や接触を増やす方向の旗を振っています。感染症対策の観点にたてば、政府は明らかにおかしなことをしています。ただ、旅行やイベントに関わる業界の人たちが苦しんでいるという経済的側面を重く見ると一概には批判できません。感染症対策と経済をどう両立させるかという難しいテーマです。もし自分が国や自治体のリーダーだったらどうするか、考えてみてください。私はこうした時に大事なことはふたつあると思います。ひとつはリーダーが世間の空気に流されないことです。空気よりも科学や合理性を優先させる強い心を持ちたいと思います。もうひとつはリーダーが「こう考えるからこうする」と、方針を丁寧に国民に説明することです。今は、リーダーの説明もなく、「新しい日常」の空気にただ流されているような感じがします。このままで来週はどうなっているのでしょう。心配です。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色清)

(写真は、「Go Toトラベル」について説明する赤羽一嘉・国土交通相=10日午前、東京・霞が関)

【社会】克行議員を「総括主宰者」と判断 特捜部が河井夫妻起訴(7/8.Wed)

 参院議員の河井案里容疑者(46)=自民党を離党=が初当選した昨年7月の参院選をめぐる買収事件で、東京地検特捜部 は8日、票の取りまとめを依頼する趣旨で地元議員ら100人に計約2900万円の現金を渡したとして、夫で前法相衆院議員、克行容疑者(57)=同=を公職選挙法違反(加重買収など)の罪で起訴し、発表した。案里議員についても、このうち5人に対する計170万円の買収罪で起訴した。法務省によると、法相経験者が逮捕・起訴されたのは戦後初。前法相と妻の国会議員2人が大規模買収をしたとされる異例の選挙違反事件をめぐる捜査は終結するとみられる。夫妻の裁判は、公選法の規定で起訴から100日以内の判決が努力義務となっている「百日裁判」になる見通しだ。

【経済】米ブルックスブラザーズが破産法申請 通勤減で需要低迷(7/8.Wed)

 米老舗(しにせ)衣料ブランドのブルックスブラザーズが8日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を米裁判所に申し立てた。新型コロナウイルスの影響で売り上げが急減し、経営が行き詰まった。今後、身売りを探るという。複数の米メディアが一斉に報じた。米ニューヨーク・マンハッタンで1818年に創業した米最古のブランドの一つで、スーツやシャツなどのビジネス服が主力。歴代米大統領やウォール街のバンカーが愛用したことで知られる。オフィスのカジュアル化が進む中で苦戦が続き、新興ブランドとの競争も激化していた。新型コロナで店舗の一時閉鎖に追い込まれ、売り上げが激減。今後もオフィスに通勤する人が減り、さらなる需要低迷が見込まれていた。

【社会】東京都内で新規感染者224人確認 1日あたり過去最多(7/9.Thu)

 東京都は9日、都内で新型コロナウイルスの感染者を新たに224人確認したと発表した。200人を超えるのは4月17日(206人)以来で、都内の1日あたりの感染者数として過去最多となる。大阪府でも緊急事態宣言解除後では最多の31人の感染が確認された。首都圏や関西圏を中心に全国で356人の感染が確認され、再び感染が拡大しつつある。都によると、9日に確認された224人を年代別にみると、20代、30代が全体の75%を占めた。無症状は24人だった。現時点で感染経路が不明な人は104人。接待を伴う飲食店従業員らの「夜の街」関連は74人で、うち新宿が52人、池袋が4人だった。

【就職】来春入社の2500人分、ANAが採用中止 総合職・客室乗務員など(7/10.Fri)

 ANAホールディングスは10日、グループ37社で2021年度入社の大学生などの新卒採用を中止すると発表した。業績悪化を引き起こした新型コロナウイルス感染症の収束が見通せず、新卒採用の実施は難しいと判断した。コロナ危機で採用を見送る動きが、就職先として人気の高い大手企業にも広がってきた。当初はグループで約3200人の採用を計画していたが、8割弱にあたる2500人の採用を中止する。中核全日本空輸(ANA)では、事務・技術の総合職と客室乗務員の採用を見送る。一方、すでに内定を出した専門学校生約600人は予定通り採用し、パイロットと障害者の採用活動も続けるという。ANAは、新型コロナの影響で旅客が減ったことに伴い、春以降、大幅減便を余儀なくされている。採用活動については、5月に一時中断を発表して動向を見極めてきたが、減便の長期化で人員の余剰感が続くため、大半の採用を見送ることにした。航空業界では、日本航空が2021年度入社の新卒採用活動を中断している。再開については「事業計画を策定後、改めて慎重に検討し、可否を判断したい」としている。スカイマークも新卒採用活動を中断している。

【政治】観光業界期待のGoTo前倒し「国は責任ある対応を」(7/10.Fri)

 東京都の新型コロナウイルスの感染者数が過去最多を連日更新するなか、政府は経済活動の再開を加速させている。10日には、大規模なイベント開催の制限を緩和。観光支援策「Go To トラベル」の前倒しも発表した。だが、医療関係者からは、政府に感染拡大の防止策をさらに強めるよう求める声が出ている。国内旅行を対象に、宿泊や日帰りの旅行代金の半額相当を補助する「Go To トラベル」事業。当初は8月上旬の開始を予定していたが、赤羽一嘉国土交通相は10日の会見で、前倒しして7月22日から開始すると表明。「観光関連業界などからできるだけ早くという要望が強く寄せられた」と強調した。だが、東京都の感染者数は200人を超え、連日過去最多を更新。「Go To」事業で観光目的の人の移動が活発になれば、感染者が全国に広がりかねない懸念もある。

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