2020年03月30日

景気悪化のなか大型投資するトヨタの強さ NTTには追い風【週間ニュースまとめ3月23日~29日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 政府が毎月公表している月例経済報告から「回復」の文字が消えました。約7年ぶりです。景気が悪くなっていると政府が判断したことを示しています。新型コロナウイルスの影響ですが、実感としては、悪くなっているという表現では弱く、転落しているといったほうがぴったりくると思います。ほとんどの企業はすくんで様子を見ているか、後ろ向きの投資を検討しているかのどちらかでしょう。こんな時に前向きの大型投資を粛々と決断する企業は本当に強い企業だと思います。トヨタ自動車NTT資本提携はそれを感じさせます。自動車業界は新車が売れず、生産を大きく減らしています。各メーカーはとても苦しくなっていますが、トヨタは群を抜いて体力があるので、先を見据えた戦略を遅らせたり止めたりすることはないのでしょう。NTTは今の状況が業績の追い風になる可能性のある企業です。人と人とのリアルな接触の危険性がクローズアップされると、オンラインでの接触に移ります。在宅勤務、オンライン授業、オンライン診断などがこれをきっかけに一気に広がりそうです。通信環境を整える仕事なら、NTTの出番です。NTTも前向きな大型投資を躊躇する必要はないのです。新聞の経済欄には、めっきり減っていますが今でも前向きな大型投資のニュースが載っています。そうした手を打つ企業は体力があるか今の状況に大きなダメージを受けない企業かのどちらかです。そうした目で経済ニュースをみて、就活の参考にしてください。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色清)

(写真は、資本提携を発表し、握手を交わすトヨタの豊田章男社長〈左〉とNTTの澤田純社長=2020年3月24日午後3時53分、東京都千代田区)

【経済】トヨタとNTT、資本提携を発表 「つながる街」開発(3/24.Tue)

 トヨタ自動車とNTTは24日午後、資本提携すると発表した。人の生活にかかわるモノやサービスが、インターネットでつながる「スマートシティ」の開発で連携する。互いに約2000億円を出資し、株式を取得する。トヨタからNTTへの出資比率は約2.07%、NTTからトヨタへの出資比率は約0.90%になる。トヨタは今年1月、自動運転や人工知能などの先端技術とサービスの開発を目的にした実証都市「ウーブン・シティ」を、静岡県裾野市の完成車工場の跡地につくると発表。5年以内に人が住めるようにする計画で、世界中の企業や研究者らの参加を募っている。

【社会】東京五輪、1年程度延期 首相とIOC合意、理事会承認(3/24.Tue)

 東京五輪・パラリンピックの開催をめぐり、安倍晋三首相と国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が24日夜に電話で協議し、1年程度の延期を検討することで合意した。首相は協議後、記者団に対し、「遅くとも2021年夏までに開催することで合意した」と述べた。IOCは24日、臨時の理事会を開き、満場一致で延期を承認した。延期は近代五輪史上初めて。首相は記者団に対し、中止はないことを確認したと説明した。その上で、「世界のアスリートが最高のコンディションでプレーでき、観客の皆さんにとって安全で安心な大会とするために、1年程度延期することを軸として検討していただけないか提案した」と明らかにした。バッハ会長は「100%同意する」と答えたという。

【経済】5Gサービス、携帯大手が開始 医療や工場で活用に期待(3/25.Wed)

 次世代の高速移動通信方式「5G」のサービスが始まった。25日には国内で初めてNTTドコモが開始し、KDDI(au)とソフトバンクも週内に始める。スマートフォンを使ったサービスの高度化だけでなく、工場や医療などでも幅広く活用できると期待されており、携帯大手は他業種との連携を深めている。5Gは遅延が短いほか通信速度が速く、多くの機器に同時接続できるという特徴も備える。従来の4Gではスマホを起点としたサービスが多かったが、5Gでは産業機器への応用が広がりそうだ。従来の携帯電話ビジネスから事業を広げるため、携帯各社は異業種と連携し、新たな収益源として育てようとしている。

5Gスタート! 変わる娯楽・交通・医療…【時事まとめ】参照

【社会】東京、週末の外出自粛要請「感染爆発の重大局面」(3/25.Wed)

 東京都の小池百合子知事は25日夜、緊急の記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染者が新たに41人確認されたと発表した。これまで都内での感染確認は24日の17人が最多だったが、大きく増えた。感染拡大防止に向け、小池知事は都民に対し、平日の26、27日はできるだけ仕事を自宅ですることや夜間の外出を控えること、今週末については不要不急の外出を自粛するよう要請した。小池知事は「このままの推移が続けば、ロックダウン(都市の封鎖)を招いてしまう」とし、「感染爆発の重大局面だ」と述べた。

【経済】政府の景気判断「厳しい」 約7年ぶり「回復」消える(3/26.Thu)

 政府は26日に公表した3月の月例経済報告で、景気判断を3カ月ぶりに引き下げ、「新型コロナウイルス感染症の影響により、足下で大幅に下押しされており、厳しい状況にある」との見方を示した。2013年7月から「回復」との文言を使い続けてきたが、6年9カ月ぶりに削除した。政府が「戦後最長の回復」と強調してきた景気は転換点を迎え、後退局面に入った可能性が強い。

◆人気企業に勤める女性社員のインタビューなど、「なりたい自分」になるための情報満載。私らしさを探す就活サイト「Will活」はこちらから。

※「就活割」で朝日新聞デジタルの会員になれば、すべての記事を読むことができ、過去1年分の記事の検索もできます。大学、短大、専門学校など就職を控えた学生限定の特別コースで、卒業まで月額2000円です(通常月額3800円)。お申し込みはこちらから

アーカイブ

テーマ別

月別