2020年03月16日

新型コロナ拡大で倒産・失業も…医療と経済のバランスどうする【週間ニュースまとめ3月9日~15日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 新型コロナウイルスの流行は、いよいよ世界保健機関(WHO)の「パンデミック宣言」となりました。世界中がウイルスとの戦いの舞台になっています。日本国内でも選抜高校野球の中止が決まり、東京五輪・パラリンピックも予定通り実施できないのではないかという観測が広まりはじめました。大きなイベントの中止が注目されますが、ウイルスの感染を防ぐには人と人が接触する機会を減らすしかなく、イベントだけでなく経済活動全般を抑えなければなりません。こうした動きを見越して世界の株式市場乱高下を繰り返しながら下落しています。ウイルスの感染を防ぐ方法だけを考えれば、すべての人が自宅から出なければいいわけですが、それでは人は生きていけません。そこまで極端ではなくても、経済活動を大幅に低下させれば、倒産失業が発生します。それによってたくさんの自殺者や病人が出たりしたら、何のために経済活動を低下させたのかわからなくなります。医療の立場からは強い対策が求められがちですが、経済のことも考えなければなりません。医療と経済のバランスをどう考えればいいのか、難しいテーマですが、就活生は自分のこととして考えてみてはどうでしょう。この時期、面接で聞かれるかもしれませんよ。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色清)

(写真は、NYダウの急落を受け、一時1万7000円を割り込んだ日経平均株価=2020年3月13日午前10時19分、東京都中央区)

【医療】コロナ感染拡大はパンデミック WHO事務局長が明言(3/11.Wed)

 世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は11日、新型コロナウイルスの感染拡大について、世界的な大流行を意味する「パンデミック」に分類され得ると述べた。パンデミックは2009年に新型インフルエンザ(H1N1)を認定して以来。今回の認定は、世界経済の動向や東京五輪開催の判断にも影響する可能性がある。WHOはこれまで「パンデミック」を、国境を越えた感染が制御できなくなり、世界中の誰もが感染の危険にさらされる状態と説明。感染の広がりを示す用語として使っており、この認定によって加盟国に新たに対応を強めるよう要請する根拠が発生するわけではない。

【スポーツ】センバツ高校野球は中止に 無観客試合での開催を断念(3/11.Wed)

 第92回選抜高校野球大会を主催する日本高校野球連盟と毎日新聞社は11日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大会を中止すると発表した。大阪市内で開かれた大会の臨時運営委員会で決まった。1942~46年に戦争の影響で中断しているが、予定された大会が中止されるのは初めて。大会会長の丸山昌宏・毎日新聞社社長は記者会見して「現段階では選手が安心してプレーできる環境を担保できない。苦渋の決断となった」と説明した。日本高野連の八田英二会長も「高校野球は教育の一環。選手の健康と安全を第一に判断した」と語った。

【政治】新型コロナで改正特措法が成立 「緊急事態宣言」可能に(3/13.Fri)

 新型コロナウイルスを新型インフルエンザ等対策特別措置法の対象に加える改正法が13日の参院本会議で、自民、公明両党や立憲民主党などの賛成多数で可決、成立した。共産党、れいわ新選組は反対した。14日に施行される。新型コロナの蔓延(まんえん)時などに、首相が「緊急事態宣言」を出し、国民の私権制限もできるようになる。政令で、対象とする期間を来年1月31日までと定めた。政府は蔓延の恐れが高いと判断した場合に、同法に基づき、首相を本部長とする対策本部で基本的対処方針をまとめる。緊急事態宣言を出すか専門家の意見を聞いた上で検討する。実際に宣言を出す場合は、都道府県を単位とする区域や期間を首相が示す。都道府県知事が、住民の外出自粛や、学校、老人福祉施設などの使用停止、イベントなどの開催制限、医薬品、食品などの売り渡しなどを要請・指示する。従わない場合に罰則があるものもある。

【社会】高輪ゲートウェイ駅が開業 警備や清掃はロボットが担当(3/14.Sat)

 山手線京浜東北線品川―田町間に14日、新駅「高輪ゲートウェイ」(東京都港区)が開業した。「未来をイメージできる駅」を掲げ、無人決済コンビニが開店するほか、乗り換え案内や清掃、警備などに人工知能(AI)を搭載したロボットが活躍する。一方、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、JR東日本は開業式典を取りやめ、当面は関連イベントも延期する。山手線に新駅が誕生するのは1971年の西日暮里駅以来で、30番目の駅となる。駅舎のデザインは、新国立競技場を手がけた建築家の隈研吾氏が担った。高さ約30メートルの3階建てで、折り紙をモチーフにした長さ約110メートルの大屋根が特徴だ。

【社会】原発工事などの代金、役員らに還流 関電第三者委が認定(3/14.Sat)

 関西電力の役員らが福井県高浜町の元助役・森山栄治氏(昨年3月死去)から金品を受け取っていた問題で、第三者委員会(委員長・但木〈ただき〉敬一元検事総長)は14日、調査結果を公表した。受領者は75人で総額3億6000万円相当にのぼる。関電が森山氏の関係企業に工事を事前に約束し、実際に発注していた。森山氏は見返りを目的に金品を配っており、第三者委は原発工事などの代金が役員らに還流していたと認定した。調査報告書によると、受領者は関電、子会社の関電プラント、関電不動産開発の役員ら。2011年の東京電力福島第一原発の事故の事故以降、金品の額も受領者の数もふくらんだ。役員ら23人が総額3億2000万円相当を受け取っていたとした関電の社内調査に比べ、関係者が大幅に増えた。

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