2019年04月01日

「ゴラン高原」って?世界の火種、中東情勢に関心を【週間ニュースまとめ3月25日~31日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 イスラエルを取り巻く中東情勢はよくニュースで取り上げられます。この週にもアメリカのトランプ大統領がゴラン高原についてイスラエルの主権を認める文書に署名したというニュースが大きく取り上げられました。ただ、このことがどうして大きなニュースなのか、分からない人も多いのではないでしょうか。イスラエルを取り巻く中東情勢は長い歴史に基づいていて、とても複雑です。ただ、世界の大きな火種であることは間違いありませんので、問題の大枠はきちんと理解しておくといいと思います。基本はユダヤ人パレスチナ人の争いごとです。紀元前にこの地にはユダヤ人が住んでいましたが、ローマ帝国にこの地が支配されることで世界各地に散離しました。第2次世界大戦後、ユダヤ人はこの地に自分たちの国イスラエルを建国しましたが、そこに住んでいたパレスチナ人は自分たちの地を奪われたと思いました。そしてイスラエルと、パレスチナ人を支援するアラブの国々との間で4度にわたって中東戦争が起こりました。その後は大きな戦争こそありませんが、緊張した情勢が続いています。国際社会は平和的な解決を目指して努力してきました。しかし、トランプ大統領が露骨にイスラエル寄りの姿勢をとっているため、中東の緊張が再び高まっているのです。中東は石油の輸入などを通じて日本とも関わりが深い地域です。情勢次第で経済にも大きな影響があります。関心を持ちましょう。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色 清)

(写真は、ホワイトハウスで署名した文書を記者団に見せるトランプ米大統領〈左〉とイスラエルのネタニヤフ首相=ワシントン、ランハム裕子撮影=3月25日)

週間ニュースまとめ

【国際】ゴラン高原「イスラエルに主権」 トランプ氏が正式署名(3/25.Mon)

 トランプ米大統領は25日、イスラエルがシリアから奪って占領する中東のゴラン高原についてイスラエルの主権を正式に認める文書に署名した。シリアのアサド政権や同政権を支援するロシアやイランとの緊張がさらに高まるのは必至だ。文書では「イランやテロ組織がゴラン高原をイスラエル攻撃のための場所とする可能性がある」と指摘し、「イスラエルの主権を認めることは適切だ」と主張した。

【就職】就活新ルール、政府が順守要請を開始 実効性は不明(3/26.Tue)

 2021年春に入社する今の大学2年生から適用される就職活動の新ルールについて、政府は26日、国内約1100の経済・業界団体に順守を要請する文書を送り始めた。「会社説明会は3年生の3月、面接は4年生の6月解禁」という今のルールの主要部分を維持しているが、罰則はなく、守るかどうかは企業の判断に委ねられる。今のルールを主導する経団連が昨年10月、現2年生からルールを作らないことを決め、政府が代わりに主導することになった。学生の混乱を防ぐためなどとして、日程などの骨格を維持。インターンシップ(就業体験)と称しながら解禁前に実質的な説明会や選考をすることの禁止も、現行の規定を踏襲した。

【社会】中高年ひきこもり61万人 初の全国調査、若年層上回る(3/29.Fri)

 40~64歳のひきこもり状態の人が全国に61.3万人いる。内閣府は29日、そんな推計を公表した。「中高年ひきこもり」の全国規模の数が明らかになるのは初めて。従来ひきこもりは青少年・若年期の問題と考えられてきたが、その長期化・高年齢化が課題となる状況が浮き彫りとなった。今回の推計は、ひきこもる中高年の子と高齢の親が孤立する「8050(はちまるごーまる)問題」が、特殊な例ではないことを示すものといえる。また、「就職氷河期世代」(おおむね現在の30代後半~40代後半)の多くが40代に達したため、中高年のひきこもりが増えているとの指摘もある。

【社会】技能実習生、6年で171人死亡 法務省が調査結果発表(3/29.Fri)

 外国人の技能実習制度の運用実態を検証してきた法務省のプロジェクトチーム(PT)は29日、2012~17年の6年間に技能実習生171人が亡くなっていたなどとする調査結果を発表した。また2017年1月~2018年9月の間に、失踪して「不法残留」などで摘発された実習生5218人のうち、約15%の759人が最低賃金割れや不当な残業など不正な扱いを受けていた疑いがあるという。

【社会】「注目集めた事件、公開の法廷で」検審、佐川氏らに議決(3/29.Fri)

 学校法人森友学園(大阪市)への国有地売却や財務省関連文書の改ざんなどをめぐる問題で、大阪第一検察審査会は29日、有印公文書変造・同行使などの容疑で告発され、大阪地検特捜部が不起訴処分とした佐川宣寿(のぶひさ)・元同省理財局長(61)ら計38人のうち、元局長ら計10人について「不起訴不当」とする議決書を公表した。議決は15日付。検審は議決で「本件のように社会的に注目を集めた事件には、公開の法廷で起訴する意義は大きいのではないかと考える」とした。地検は議決を受けて再捜査し、元局長らを罪に問えるか改めて判断する。だが、強制起訴につながる「起訴相当」議決と異なり、再び不起訴とした場合は2度目の審査は行われず、捜査は終結する。



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