2019年01月15日

統計は地味だが大事な仕事 厚労省の不正が大問題に【週間ニュースまとめ1月7日~14日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 統計調査をする仕事って地味なイメージがありますが、とても大事な仕事です。その統計が元になって政策が行われていることが多いためです。厚生労働省がとりまとめている「毎月勤労統計」が、長年にわたって不適切な手法で調査されていた問題が大きくなっています。この統計で調査されている労働者の賃金が雇用保険労災保険などの給付額の元になっています。しかし、厚労省は調査しなければならない大企業の調査を2004年から減らしていたため、賃金が本来より低く出て、この間に雇用保険や労災保険などの給付額が少なくなっていたのです。影響は約2000万人にも及んでいます。なぜこんなことをしたのかはまだ明らかになっていませんが、単に作業量を減らして楽をしようとしたのか、支給額を減らそうと意図的に大企業の一部を調査からはずしたのか、この二つのどちらかでしょう。この問題については昨年初めからこっそり元に戻していた隠蔽(いんぺい)も指摘されています。まもなく開かれる通常国会では野党だけでなく与党からも厚労省が激しく追及されるはずです。社会に出ると数字のとりまとめのような仕事がいろいろとあります。たかが数字と軽くみていると、大変な問題につながるということを覚えておきましょう。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色 清)

(写真は、記者会見する根本匠厚労相)

週間ニュースまとめ

【国際】正恩氏、誕生日に異例の訪中 焦る北朝鮮、米中の思惑は(1/8.Tue)

 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長が8日、特別列車で中国・北京に到着した。習近平(シーチンピン)国家主席との首脳会談を行った模様だ。正恩氏は近く開催する可能性が出てきた2回目の米朝首脳会談に向け、北朝鮮の立場に理解と支持を求めたとみられる。正恩氏の訪中は昨年3月以降、4回目。習氏の訪朝が実現しないまま1年弱の間に4回も訪中するのは外交儀礼上、極めて異例だ。

【国際】韓国大統領が日本批判「政治家が争点化、懸命ではない」(1/10.Thu)

 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は10日午前、大統領府で年頭の記者会見を行い、日韓関係の悪化について「日本の政治家が政治争点化し、拡散させていることは賢明な態度ではない」と述べ、日本の対応に問題があるとの認識を示した。日韓が元徴用工訴訟判決などをめぐって対立するなか、日本政府が日韓請求権協定に基づいて9日に要請した協議には直接言及しなかったうえ、具体的な解決策も示さなかった。文氏は「(韓国)政府は司法の判断を尊重しなければならない」とも指摘。韓国側の対応には問題がないと強調しつつ日本側の対応を批判した。日韓関係がさらに悪化するのは避けられない状況だ。

【経済】過小給付総額567億円に 対象者2千万人 不適切統計(1/11.Fri)

 「毎月勤労統計」が不適切な手法で2004年から調査されていた問題で、厚生労働省は11日、同統計をもとに給付水準が決まる雇用保険や労災保険などの過少給付の総額が約567億5000万円で、対象者は延べ約2000万人だったとの検証結果を公表した。厚労省は対象者に不足分を追加給付する。この統計は、統計法で政府の「基幹統計」と位置づけられ、国内総生産(GDP)や景気動向指数など多くの経済指標の算出にも使われる。厚労省が都道府県を通じて、労働者1人当たりの現金給与総額や労働時間の変化を毎月調べて公表している。検証結果によると、本来は従業員500人以上の大規模な事業所はすべて調べるルールだが、厚労省は2004年から東京都分について同規模の約1400の事業所のうち約500事業所だけを抽出して調べていた。東京都分で、比較的賃金の高い大規模事業所の調査数が本来の3分の1ほどと少なくなっていたことで、正しく調査した場合と比べ低い賃金の結果が出ていた。2012~17年の「きまって支給する給与額」の公表値は、本来より平均0・6%低かったとみられる。

【社会】JOC竹田会長を訴追手続き 仏当局、五輪招致汚職容疑(1/11.Fri)

 2020東京五輪・パラリンピックの招致を巡って、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(71)が汚職に関わった疑いがあるとして、フランスの検察当局が竹田会長の訴追に向けた手続きに入っていたことが明らかになった。仏紙ルモンドなどフランスメディアが報じた。JOC関係者によると、竹田会長は12月、フランスで聴取に応じたが、汚職の疑いについて否定した、という。ルモンドによると、手続きに入ったのは昨年12月10日。五輪招致が決まる前に180万ユーロ(約2億3000万円)の贈賄に関わった疑いがもたれているという。

【経済】中国の自動車販売、28年ぶり減 低迷は長引くとの見方(1/14.Mon)

 2018年の中国の自動車販売は前年比2・8%減の約2808万台にとどまり、28年ぶりに前年を割った。中国自動車工業協会が14日発表した。2015年秋に始まった自動車取得税の減税が終わった2017年末の前に、駆け込みで車が売れた反動が出た。米中通商紛争を背景に中国景気は減速の色合いを強めており、販売低迷は長引くとの見方が強い。



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