2017年12月11日

スパコン詐欺、リニア不正入札…特捜部の捜査に注目! 【週間ニュースまとめ 12月4日~10日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 「東京地検特捜部」って知っていますか。「巨悪を眠らせない」という日本最強の捜査機関で、古くはロッキード事件リクルート事件などの政界疑獄事件、21世紀に入るとライブドア事件村上ファンド事件といった経済事件など、たくさんの「権力者の犯罪」を摘発してきました。ただ、2010年に起こった大阪地検特捜部の証拠改ざん事件で、特捜部全体の士気が落ち、最近は活躍が目立ちませんでした。ところが、この週は、二つも大きな事件にとりかかっていることが分かりました。スパコンの助成金詐欺事件とリニア新幹線工事の不正入札事件です。スパコン事件で逮捕された斎藤容疑者は政治家や官僚とのつながりが深いといわれている人ですし、不正入札事件は超巨大事業が舞台です。今後事件は広がる可能性があります。大阪では大阪地検特捜部が森友学園による補助金詐取事件を粘り強く捜査しています。一度傷ついた特捜部が復活をかけて動き出している印象です。社会では何をしてよくて何をしてはいけないのか、の一端が分かりますので、みなさんもこうした事件に注目してください。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色 清)

(写真は、東京地検特捜部の係官らがスパコン開発会社から押収した資料を運び出す様子=2017年12月5日撮影)

週間ニュースまとめ

【社会】スパコン開発会社長ら逮捕 助成金4.3億円詐取の疑い(12/5.Tue)

 国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)から助成金を不正に受け取ったとして、東京地検特捜部は5日、スーパーコンピューターの開発会社「PEZY Computing(ぺジー・コンピューティング)」(東京都千代田区)の社長、斉藤元章容疑者(49)と同社元取締役、鈴木大介容疑者(47)を詐欺容疑で逮捕し、発表した。特捜部によると、2人は2014年2月、同社が選定されたNEDOの12年度の研究開発費補助事業で、約7億7300万円の費用がかかったと水増しした実績報告書を出し、同年4月、助成金名目で約4億3100万円をだまし取った疑いがある。

【スポーツ】ロシア選手団の平昌参加認めず 潔白の選手には参加の道(12/5.Tue)

 国際オリンピック委員会(IOC)は5日、スイス・ローザンヌで理事会を開き、国家ぐるみのドーピング問題を抱えるロシア・オリンピック委員会(ROC)を資格停止とし、来年2月の平昌冬季五輪への選手団派遣を禁じることを決めた。ただし、潔白が証明された選手はチーム競技も含めて「ロシアからの五輪選手(OAR)」として参加の道を開いた。国旗や国歌の使用は認めない。

【社会】NHK受信契約、テレビあれば「義務」 最高裁が初判断(12/6.Wed)

 NHKが受信契約を結ばない男性に支払いを求めた訴訟で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は6日、テレビがあればNHKと契約を結ぶ義務があるとした放送法の規定は「合憲」とする初めての判断を示した。事実上、受信料の支払いを義務づける内容だ。男性は受信契約を定めた放送法の規定は「契約の自由」を保障する憲法に違反すると主張したが、最高裁は男性の上告を退けた。

【国際】トランプ大統領、エルサレムを「イスラエルの首都」宣言(12/6.Wed)

 トランプ米大統領は6日午後(日本時間7日未明)、ホワイトハウスで演説し、エルサレムをイスラエルの首都として「公式に承認する時だと決断した」と述べ、宣言文書に署名した。現在は商都テルアビブにある米大使館をエルサレムに「可能な限り速やかに」移転させる手続きを始めるよう、国務省に指示した。
(こちらもお読みください→今週のイチ押しニュース「『エルサレム首都』宣言が就活を揺さぶる!?」

【社会】リニア工事で不正入札の疑い、大林組を捜索 東京地検(12/8.Fri)

 リニア中央新幹線の建設工事に関する入札で不正があったとして、東京地検特捜部が8日、偽計業務妨害の疑いでゼネコン大手の大林組本社(東京都港区)を捜索していたことが関係者の話でわかった。

※「就活割」で朝日新聞デジタルの会員になれば、すべての記事を読むことができ、過去1年分の記事の検索もできます。大学、短大、専門学校など就職を控えた学生限定の特別コースで、卒業まで月額2000円です(通常月額3800円)。お申し込みはこちらから

アーカイブ

テーマ別

月別