2017年03月27日

トランプ氏つまずく・・・「なぜ大きなニュースか」も大事 ニュース★あらもーど(3月18日~3月26日)

テーマ:週間ニュースまとめ

 大きなニュースを伝える新聞記事の冒頭には、①何があったのか②なぜそれが大きなニュースなのか、の二つの要素が何らかの形で入っています。今回取り上げた「トランプ大統領、オバマケア代替案撤回」の記事も、第1段落末尾の「上下両院で与党が過半数を持つにもかかわらず、最優先の目玉法案でつまずいた形で、今後の政権運営にも大きな痛手になりそうだ」で、これがなぜ大きなニュースなのかを説明しています。「医療保険制度改革」という具体的制度の行方よりも、与党内の説得に失敗し最優先の政策すら通せないという状況から、政権運営の不透明感を感じ取っているというわけです。「なぜこれがニュースなのか」の判断は、報道機関ごとに違う場合もあります。そういう時は特に読み比べが大事です。

 写真は12月8日付朝日新聞朝刊、高級宝飾品・腕時計ブランド「カルティエ」の全面広告を使ったバッグ。背景は東京・銀座の「カルティエ銀座ブティック」です。

 毎週月曜は1週間のニュースのうち、みなさんと共有したい話題をお届けする「ニュース★あらもーど」の日。火曜~金曜日の「今日の朝刊」通常版で大きく取り上げていないニュースをまとめています。ご活用ください。(朝日新聞教育総合本部ディレクター・真下 聡)

ニュースダイジェスト

【経済】G20共同声明から「反保護主義」消える 米新政権に配慮 (3/18.Mon)

 主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議がドイツで開かれ、共同声明が採択されたが、貿易分野についてこれまでの声明にあった「保護主義に対抗する」という文言が今回は入らなかった。削除を求めていた米トランプ政権に押し切られた形で、G20の存在意義が問われそうだ。

【IT】日独、共同でIoT国際ルールづくり ハノーバー宣言調印(3/20.Mon)

 日独両政府が、あらゆるモノをインターネットにつなげる「IoT」の技術での協力強化で合意した。ドイツのハノーバーで始まった欧州最大級のIT見本市「CeBIT(セビット)」で、安倍晋三、メルケル両首相がIoTの国際ルール作りに共同で取り組む方針で一致した。日独政府はIoT分野での協力強化を盛り込んだ「ハノーバー宣言」に調印した。

【公示地価】住宅地平均、下げ止まる 「札仙広福」高い伸び (3/21.Tue)

 国土交通省が2017年の公示地価(1月1日時点)を公表した。住宅地の全国平均は前年から横ばい(0.022%上昇)で、9年ぶりに下げ止まった。ただ、地方を中心に、まだ全調査地点の4割超で値下がりが続く。住宅地では、3大都市圏(東京、名古屋、大阪)が前年と同じ0.5%の伸び。地方中核都市の札幌、仙台、広島、福岡の4市が2.8%と高く伸びた。

【森友問題】籠池氏、証人喚問で安倍昭恵氏とのやりとりなど明かす (3/23.Wed)

 学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題で、学園理事長・籠池(かごいけ)泰典氏に対する証人喚問が参院予算委員会であった。籠池氏は、安倍晋三首相の妻昭恵氏に国有地の借り受けについて相談し、財務省への問い合わせ結果を首相夫人付の政府職員からファクスで受け取っていたと明かした。また、昭恵氏から100万円の寄付を受け取ったのは「2人きりの時だった」、「昭恵夫人から私の妻に口止めともとれるメールが届いた」などと話した。野党は昭恵氏の証人喚問を求めるなど攻勢を強めている。一方、昭恵氏は自身のフェイスブックで「籠池氏に寄付金を渡したことも講演料をもらったこともない」と否定した。

【米国】トランプ大統領、オバマケア代替案を撤回 目玉政策で痛手(3/24.Fri)

 トランプ米大統領が、大統領選の公約に掲げた「医療保険制度改革(オバマケア)」の撤廃を目指して与党・共和党が出した代替案について、撤回する意向を表明した。党内調整に失敗して成立の見通しが立たず、採決を断念した。上下両院で与党が過半数を持つにもかかわらず、最優先の目玉法案でつまずいた形で、今後の政権運営にも大きな痛手になりそうだ。

※「就活割」で朝日新聞デジタルの会員になれば、すべての記事を読むことができ、過去1年分の記事の検索もできます。大学、短大、専門学校など就職を控えた学生限定の特別コースで、卒業まで月額2000円です(通常月額3800円)。お申し込みはこちらから

アーカイブ

テーマ別

月別