ニュースのポイント
日本を訪れる外国人客の「爆買い」が一服しています。訪日客の数は増えているのですが、1人が使うお金の額が減ったためです。売れ筋も変わってきました。どんな業界に影響するのでしょう。(編集長・木之本敬介)今日取り上げるのは、総合面(3面)の「訪日爆買い 一服/4~6月/1人あたり消費 2期連続減」と、経済面(8面)の「爆買い変調 焦る百貨店/売れ筋 低価格な消耗品へシフト/円高や税制変更影響」(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版)です。
原因の一つは円高です。昨年までは、アベノミクスなどの効果で1ドル=120円前後の水準でしたが、中国など新興国の経済成長が鈍ったことから今年に入って円高傾向に変わり、最近は1ドル=105円前後。中国の人民元に対しても円は前年より15%超高い水準です。円安になると中国人にとって日本への旅費や買い物が割安になり、円高になれば割高になります。
もう一つは、中国の税制変更です。これまで個人が輸入する場合の関税は簡素で、買い物を持ち込むときの税率も低かったのですが、4月から通常の貿易並みの税が課されるようになったのです。
中国人観光客の数は増えていますから、一部のお金持ちだけでなく中間層で日本に旅行に来る人が多くなったという面もありそうです。
こうした変化を受けてラオックスの担当者は「今は家電より日用品。訪日客のニーズをつかむ品ぞろえをしたい」と話しています。去年のように高級な炊飯器を並べても売れ残ってしまうでしょうし、売れ筋の日用品をそろえなければチャンスを逃してしまいます。お客さんの好みの動向に敏感でなければなりませんね。
企業の人はニュースにも敏感です。たとえば、英国が欧州連合(EU)離脱を決めたあと、円高が急激に進み、一時は1元=15円台前半と約3年ぶりの円高元安水準になりました。円高傾向が続くと、訪日外国人客の数や買い物の内容にも影響するでしょう。世界の経済情勢と、みなさんが目指すビジネスは直結しています。
※「就活割」で朝日新聞デジタルの会員になれば、すべての記事を読むことができ、過去1年分の記事の検索もできます。大学、短大、専門学校など就職を控えた学生限定の特別コースで、卒業まで月額2000円です(通常月額3800円)。お申し込みはこちらから。
2024/11/21 更新
※就活割に申し込むと、月額2000円(通常3800円)で朝日新聞デジタルが読めます。
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10