2016年01月14日

「SMAP解散」報道で業界研究…「激震」が走ったのは?

テーマ:文化

ニュースのポイント

 国民的アイドルグループ「SMAP」の解散説が大きく報じられています。木村拓哉さんを除く4人が、所属するジャニーズ事務所から独立するかもしれません。そうなると5人組のSMAPでは活動できなくなるでしょうから、行方がとても気になるニュースですね。ただ、就活生としてはファン目線から一歩進んで、「SMAP解散」の影響が及ぶ業界を考えてみましょう。狭い芸能界だけではなく、エンターテインメント業界、テレビ、広告などのマスコミ業界には「激震」が走ったと言われています。今日は「SMAPで業界研究」です。(編集長・木之本敬介)

 今日取り上げるのは、1面の「SMAP分裂危機/中居さんら4人独立協議 『育ての親』が事務所と溝」です。社会面(37面)にも「SMAP解散しちゃうの?」が載っています。
 記事の内容は――SMAPのメンバー5人のうち4人が、所属するジャニーズ事務所と独立を協議していることがわかった。一部のメンバーが独立した場合、SMAPとして活動できなくなる可能性が高いとみられる。仮に解散となれば、5人がそろうことで得られるライブの集客力、テレビの高視聴率が見込めなくなるなど影響は大きい。きっかけはグループの育ての親とされるマネジャーがジャニーズ事務所の子会社役員を辞任したこととされる。SMAPは1988年に結成、91年にCDデビューした。マネジャーはグループを下積み時代から支えた。関係者によると、SMAPの人気が上がるとともに、仕事の進め方などをめぐって事務所幹部との溝が深まっていた。今回の独立は、マネジャーに同調する行動とみられる。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 一アイドルグループの動向ですが、朝日新聞が朝刊1面に取り上げたほか、NHKも13日昼、夜のニュースで報じました。中国や韓国でも人気があるだけに、大きく報じられています。朝日新聞社会面の記事によると、「解散」報道が流れたのは13日未明。同日付スポーツ新聞の1面の写真がツイッターに投稿され一気に拡散しました。今日発売の週刊新潮は、子会社役員を辞任したマネジャーと、事務所のジャニー喜多川社長、メリー喜多川副社長の間の長年の確執などの経緯が詳しく報じられていますが、ここは様々な業界への影響に目を転じましょう。

 SMAPのメンバーをテレビで見ない日はありません。ジャニーズ事務所のホームページ「Johnny’s net」には、SMAPメンバーのメディア出演が紹介されています。
◆放送中のテレビ番組16本(うち15本がレギュラー出演、今週放映予定も含む)
◆ラジオ番組のレギュラー5本
◆テレビCM18本
◆発売中、発売予定の雑誌や書籍16誌
◆公開中、今年公開予定の映画4本
◆上演中の舞台1本
◆2015年に発売されたCD2枚

 多いですねえ。CMやテレビ出演、音楽などの「SMAP市場」は200億円以上と言われます。昨年のSMAPのコンサートツアーは100万人を動員。チケット代やCDなど音楽関連の売り上げだけでも100億円を超すとみられます。今年はデビュー25周年ですから、新曲やベスト盤などを出すプランもあったに違いありません。

 5人は俳優、司会者などとして、それぞれが個人でも大活躍しています。今でも、5人そろっての「SMAP」としての出演は、テレビ3本、ラジオ1本、CM2本(セブン&アイ・ホールディングス「セブンプレミアム・セブンゴールド」、ユー・エス・ジェイ)で、多くはメンバー個々の活動ですから、解散しても露出度にはあまり影響がないと思う人もいるでしょう。しかし、昨年末のNHK紅白歌合戦に7組が出演したようにジャニーズ事務所はエンタメ界で大きな影響力を持っています。テレビ局などにとって同事務所との関係はとても大切ですから、事務所側の対応次第では独立したメンバーの出演数が急減する可能性もあるのです。テレビ業界に「激震」が走ったと言われるゆえんです。独立するメンバーとCM契約を結んでいる企業も対応を迫られるかもしれません。

 スポーツ界にも影響は及びます。SMAPは、2020年の東京パラリンピック大会での「日本財団パラリンピックサポートセンター」のサポーターも務めていたからです。

 就活では、こんなふうに世の中の様々な出来事を「ビジネス目線」で考えるクセをつけることが大切です。SMAPも、業界・企業研究の対象です。

※「就活割」で朝日新聞デジタルの会員になれば、すべての記事を読むことができ、過去1年分の記事の検索もできます。大学、短大、専門学校など就職を控えた学生限定の特別コースで、卒業まで月額2000円です(通常月額3800円)。

アーカイブ

テーマ別

月別