2015年09月07日

世界を動かした写真の力に注目(ニュース★あらもーど 8月31日~9月6日)

テーマ:週間ニュースまとめ

 いま欧州を揺るがせているシリアからの難民問題。シリア難民自体は昨年末段階ですでに400万人に達しているという報道がありましたが、世の中の注目を十分に集めているとは言い難い状況でした。その雰囲気を一変させたのが、最近報じられた、トルコの海岸に漂着した男児の遺体写真です。SNSが普及し、共感を集めることがより大きな力となっている現代。映像の持つ力を再確認した出来事でした。そして映像に限らず、保存したり、記録に残したり、リアルタイムに発信したり、と「見える化」していくことがこれまで以上に価値を持つのが今という時代です。

 写真は8月29日付朝日新聞朝刊、「しつもん!ドラえもん2000回」の特集紙面を使ったバッグです。
 毎週月曜は1週間のニュースのうち、みなさんと共有したい話題をお届けする「ニュース★あらもーど」の日。火曜~金曜日の「今日の朝刊」通常版とともに、ご活用ください。(朝日新聞教育総合本部ディレクター・真下 聡)

ニュースダイジェスト

【学校】授業中のスマホOK 意見発表や動画学習、奈良で導入へ(8/31.Mon)

 高校生が教室で自分のスマートフォンを使って意見を発表したり、空いた時間には予備校講師の動画をスマホで見て、苦手な分野を学習できるという取り組みを、奈良市立一条高校が2016年春から始める。奈良市、奈良教育大、オンラインの学習サービス「受験サプリ」を運営する「リクルートマーケティングパートナーズ」が発表した。動画は企業が無料で提供し、奈良教育大が効果を検証する。学校内での使用が禁じられることの多いスマホを高校が活用するのは、珍しい試みだ。スマホは同校の9割以上の生徒が持っている。スマホを持っていない生徒にはタブレット端末を貸すという。

【国立科学博物館】AIBOなど25件「未来技術遺産」に(9/1.Tue)

国立科学博物館は、科学技術の歴史上重要な成果として保存する重要科学技術史資料(未来技術遺産)に、犬型ロボットAIBOや、夏目漱石の小説にも出てくる胃腸薬など25件を登録すると発表した。登録は、今回で計209件となった。
AIBOは、ソニーが1999年に家庭用ロボットとして発売。感情を表現したり、人との対話で学習したりする機能を持ち、ロボットを生活の中に取り込んだ。胃腸薬タカヂアスターゼは、高峰譲吉が1894年に発見した消化酵素を商品化し、世界各国で発売された。現在売られている胃腸薬の成分にも含まれている。このほか、国産初期の8ビットパソコンやレーザーディスクプレーヤー、国産蓄音機なども登録された。

【国会】マイナンバー法・個人情報保護法の改正法が成立(9/3.Thu)

 マイナンバー(社会保障・税番号)法と個人情報保護法の改正法が衆院本会議で可決、成立した。行政やビジネスで個人情報をより活用しやすくなる。
 2013年に成立したマイナンバー法に基づき、政府は10月から一人ひとりに12桁の番号の通知を始める。2016年1月から、国や地方自治体が持つ個人情報を番号で結びつけていく。所得を把握する際に情報を集めやすくし、公平に税を集めたり、社会保障のお金を配りやすくしたりする狙い。改正で2018年以降、本人の同意を条件に、銀行口座の預金情報もマイナンバーとの結びつけが可能になる。日本年金機構の個人情報流出を受け、機構はマイナンバーをしばらく扱わないことも決まった。個人情報保護法の本格的な改正は、2003年に成立してから初めて。もともと企業などが個人情報を扱う際のルールだが、今回の改正で、本人の同意なく使い道を変えられる範囲を広げ、情報がだれのものかがわからない「匿名加工情報」にすれば企業が自由に使えるようになる。不正利用を監視・監督するため、独立した第三者機関「個人情報保護委員会」を2016年1月につくる。

【インドネシア】高速鉄道、計画見直しへ 日中案ともに不採用 (9/4.Fri)

 日本と中国がそれぞれ受注を目指してきた、インドネシア初の高速鉄道を整備する計画について、担当する同国経済調整相は高速ではなく中速鉄道に計画を見直す方針を明らかにした。日中双方の案とも財政負担に不安があるとされ、採用されないという。日本と中国に中速鉄道案への見直しを求める方針だが、両国が応じるかどうかは不明だ。高速鉄道計画は、首都ジャカルタと、南東へ約140キロ離れた人口240万人の都市バンドンを結ぶというもので、雇用やビジネスの活性化など経済効果が期待されてきた。

【共同声明】G20、中国に改革促す 「経済回復へ行動」 (9/5.Sat)

 トルコのアンカラで開かれていた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、経済の回復に向けて「断固たる行動をとる」とする共同声明を採択して閉幕した。
 会議では、市場の混乱の発端とみなされた中国に対し、日本など各国から要望が相次いだ。過剰な生産設備など経済の構造的な問題について改革を求めた。共同声明では、金融市場の安定をめぐり、「引き続き動向を監視し、必要に応じ新たなリスクに対処する」とするにとどめた。一方で、利上げする構えをみせる米国を念頭に、「一部の先進国で金融引き締めの公算が大きくなっている」と指摘。そのうえで、利上げの悪影響を最小限に抑えるため、各国が情報を共有しながら金融政策を進める必要性を強調した。

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