2015年01月16日

チンドン屋に就職⁉熱く語れることを探せ!

テーマ:就活

ニュースのポイント

 みなさんはチンドン屋って知っていますか? チンチン、ドンドン……。最近はめったに見なくなりましたが、派手な着物の3人組が鉦(かね)と太鼓をたたき、サックスを吹きながら商店街を練り歩いてお店の開店をPRする、あれです。ある会社の面接で大好きなチンドンについて熱く語る自分に気づき、チンドン屋に「就職」した人がいます。あなたが熱く語れることは何ですか?(写真は、太鼓をたたく長田さん)

 今日取り上げるのは、働く面(27面)の「お仕事 日本遺産②チンドン屋/鉦と太鼓で練り歩き」です。
 記事の内容は――チンドン太鼓をたたく長田望(おさだ・のぞみ)さん(31)はチンドン芸能社(東京都台東区)に所属。専属メンバーは5人で、パチンコ店や飲食店のキャンペーンや商店街のイベントなどで月の半分以上は街を練り歩く。長田さんが「天職」と呼ぶこの仕事に出会ったのは19歳のとき。通りかかったパチンコ店前で3人組が演奏していた。初めてなのに懐かしいメロディーと見事なばちさばきに1時間以上も見とれた。「どうしたらチンドン屋になれますか」と尋ねると「管楽器をやるといいよ」。大学の吹奏楽部でトランペットを始め、チンドンに関する本やCDを買い集め歴史や作法を研究した。就職を勧める両親に従って仕方なく回った会社の面接。志望動機はしどろもどろになったが、チンドンクラブを作って学祭で演奏したり、老人ホームを慰問したり、いかにチンドン屋に打ち込んだかをアピール。面接官に「そんなに好きなら、チンドン屋になればいいじゃない」と言われ、その通りと言葉に詰まり泣き出してしまった。決意が固まり、全日本チンドンコンクールで知り合った人に紹介されたチンドン芸能社に弟子入りした。親方は「関東のチンドン屋の将来は、彼女にかかっている」と期待する。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 私は学生のみなさんに「自分の軸を見つけよう」という話をよくします。就活における「自分の軸」とは、仕事に何を求めるのか、何を実現したいのか、仕事を選ぶときに一番大事にしたいこと、こだわりや譲れないことは何かということです。たとえば「モノづくりをしたい」「英語力を生かしてグローバルに活躍したい」「人が好きだから人と関われる仕事がいい」「チーム作業が好き」「専門分野を生かしたい」「社会貢献したい」「地元の役に立ちたい」「旅が好き」「文章が好き」などなど、人それぞれです。内定者はみな何らかの軸を持っています。

 軸の探し方はいろいろあるでしょうが、「熱く語れる」ことは軸になる可能性があります。映画や音楽、スポーツなどの趣味、サークルや部活動、勉強や研究のこと……。みなさんにも話しているうちに思わず熱くなってしまうテーマがあると思います。すべてが仕事につながるわけではありませんし、チンドンという明確な目標を持てた長田さんのようにわかりやすくはないかもしれません。でも、熱く語れる話の中身だけでなく、なぜ面白いのかを考えたり、熱くなるポイントを分析したりすると、軸につながるヒントが見つかるかもしれません。ちなみに、私がかつて就活したときの軸は「報道、ニュース、現場」といったことでしたが、その根底には「新鮮、ワクワク」という気持ちがありました。

 企業研究をして働きたい企業を見つけたら、その会社のことや商品、仕事について熱く語れるようでないと、内定は難しいでしょう。その第一歩は社員と話すことです。これから業界研究イベント「あさがくナビのキャリアデザインフォーラム」が開かれます。明日の東京会場の申し込みは締め切りましたが、2月には大阪、京都、名古屋で順次開きます。合同企業説明会、会社説明会は3月からですが、この時期のイベントにも企業の採用担当の社員は来ますから積極的に話をしてみてください。

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