2014年11月20日

人から始める企業研究「街づくりの夢語る銀行員」

テーマ:就活

ニュースのポイント

 銀行員にどんなイメージを持っていますか。真面目で堅くてちょっと冷たい……なんて言うと怒られますが、へーっ、こんな人もいるんだと思わせられる記事が載りました。りそな銀行の藤原明さん(写真)。全国各地に出かけて、地域の活性化に取り組んでいます。銀行員や銀行の仕事のイメージが少し広がりました。

 今日取り上げるのは、総合面(2面)の「ひと 『街の活性化をしかける』が仕事の銀行員/藤原明さん(47)」です。
 記事の内容は――藤原さんの肩書は「地域オフィサー」。街の活性化だけを手がけ、年に全国300回超の会合に顔を出す。旧大和銀行入行後、銀行の高圧的な体質を変えたいと思ってきた。2003年の「りそなショック」でチャンスが訪れた。改革が待ったなしになり、地域との新しい関係を探る新部署に配属された。大阪を拠点に何でも新しいことを試してきた。上方落語の寄席を復活させようと天満天神繁昌亭建設の寄付金集めに地元商店街の店主らと奔走。水筒を見直すキャンペーンを地元FMラジオ局と展開して水筒メーカーの番組提供を実現。もうけとは縁遠いテーマに500以上取り組み、銀行は住民や企業、役所が力を合わせて課題を解決する「触媒」になれると確信した。「企業の成長を助ける銀行の王道と、本質は同じです」と言う。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 個人や企業から預金を集めて、お金が必要なところに融資するのが銀行の基本的な業務です。藤原さんの仕事は、ずいぶんイメージが違いますよね。

 銀行はあらゆる業種と取引しています。ある地域で何らかの課題があるときに、企業、行政、団体、大学、商店街、住民などがそれぞれ持っている強みを生かし、足りないところを補って解決します。その間を銀行が取り持つわけです。課題解決に資金が必要なら銀行の出番ですし、地域が活性化すると経済活動も活発になり、銀行の本来業務にもつながっていきます。藤原さんは、全国各地でたくさんの課題に取り組んで解決の道筋をつけ、銀行の業務拡大にも貢献してきました。りそな銀行では、「りそな=RESONA」と「地域=REGIONAL」を組み合わせて「REENALプロジェクト」と呼んでいます。

 りそな銀行は、2003年3月に関西を基盤とする大和銀行と、関東が拠点のあさひ銀行が統合してできた大手銀行です。今では「りそなホールディングス」のもとに、「りそな銀行」「埼玉りそな銀行」「近畿大阪銀行」の3行があります。統合直後の2003年5月、不良債権処理の遅れから公的資金が入り実質国有化され、2018年までに国に資金を完済する予定です。この公的資金注入が「りそなショック」と呼ばれています。この危機をきっかけに、りそなに新しいことに取り組む雰囲気が生まれて藤原さんの今があるのですから、人生何が起きるかわかりませんね。

 新聞やニュースで取り上げられた人だけでなく、企業の採用ホームページに登場する先輩社員、会社説明会や0B・OG訪問で会った社員から、会社や仕事内容への興味を深めるのも立派な企業研究です。

 今日の紙面には、1面トップに「24時間振り込み 18年にも/全銀協 新システム導入へ」というスクープ記事が載り、経済面(11面)にも関連記事が出ています。銀行志望の人は必読ですよ。

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