2024年12月23日

貸金庫から十数億円窃盗 徹底的な調査が必要【週間ニュースまとめ12月16日~22日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 銀行業で一番大切なものは、信用です。人々は銀行を信用するから銀行にお金を預けるのです。銀行がおこなっている貸金庫業も、そこに入れたものを安全に保管してくれると人々が信用するから成り立っている業務です。

 銀行の頂点に位置する3メガバンクのひとつ、三菱UFJ銀行で、貸金庫に預けた資産が行員(現在は元行員)によって盗まれていました。貸金庫の責任者である支店長代理が予備鍵を使って金品を盗んでいたのです。被害額は十数億円に上るというから、驚きます。貸金庫を信用することができなくなりますし、銀行そのものの信用にも傷がつきます。盗みはかなり長期間にわたって行われていたようですが、どうして可能だったのか、どうしてなかなか発覚しなかったのか、という点を徹底的に調べる必要があります。明らかな犯罪と思われますから、司直の調べが入ることも必要でしょう。社会に出ると、お金を取り扱う仕事がたくさんあります。就活生の皆さんの中にもそうした仕事に就く人がいると思いますが、一生を棒に振らないようにお金にはとことんきれいであるようにしましょう。(ジャーナリスト・一色清)
(写真・記者会見で頭を下げる三菱UFJ銀行の半沢淳一頭取(中央)=2024年12月16日)

【社会】貸金庫窃盗の三菱UFJ銀行、行員が封印破り予備鍵使う 頭取が謝罪(12/16.Mon)

 三菱UFJ銀行の元行員が貸金庫から多額にのぼる顧客の資産を盗んだとして懲戒解雇された問題を受けて、半沢淳一頭取は16日に記者会見を開き、謝罪した。「信頼、信用という銀行ビジネスの根幹を揺るがす事案であり、関係者におわびする」と語り、管理体制に不備があったことも認めた。元行員は貸金庫管理業務を一人で担い、予備鍵を使って貸金庫を開けていたという。同行は被害額が時価で十数億円にのぼるとし、都内支店勤務で貸金庫の管理責任者だった40代女性のこの行員を懲戒解雇している。

【経済】原発回帰ありき、事実上「増設」も エネルギー基本計画の素案公表(12/17.Tue)

 経済産業省は17日、エネルギー政策の方向性を示す新しい「エネルギー基本計画」(エネ基)の素案を発表した。東日本大震災後に定めた「原発依存度を可能な限り低減する」との文言を削り、「特定の電源や燃料源に過度に依存しない」と差し替えた。さらに、原発の建て替え(リプレース)を進める方針も示した。そのため素案では、廃炉を決めた原発の敷地内に限って認めた建て替えを、同じ電力会社なら別の原発の敷地でも、廃炉した分だけ原子炉をつくれるとした。事実上の増設を認めた形だ。

【経済】実現すれば「世界3位」のグループに ホンダと日産、経営統合協議へ(12/18.Wed)

 自動車大手のホンダ日産自動車経営統合へ向けた協議を始めることで調整に入った。三菱自動車も合流する方針。いずれも早ければ週明けにも発表する見通し。統合が実現すれば、世界販売台数が約800万台となる世界3位のグループが誕生する。ホンダ、日産、三菱自の3社は18日、「将来的な協業について様々な可能性を含めた検討を行っている。更新情報があれば適切な時期にお知らせする」とのコメントを発表した。

【経済】アマゾン、ふるさと納税サービスに参入 ネット通販のノウハウ生かす(12/19.Thu)

 アマゾンジャパンは19日、ふるさと納税の仲介サービスを始めた。ネット通販事業で培った物流ノウハウなどを強みに、掲載自治体と返礼品を増やしていく。ネット通販の顧客に広く利用してもらうことで、先行する楽天などのサイトを追う。サービス開始前の12日に会見したアマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長は「いつもの買い物で使い慣れたアマゾンの仕様で、寄付することができる」と利便性を強調した。スタート時の対象自治体は約1千で、返礼品数は約30万点。今後、順次増やす予定だという。

【政治】与党税制大綱「123万円」 国民民主と合意なし、予算成立見通せず(12/20.Fri)

 自民、公明両党は20日、来年度の与党税制改正大綱を決めた。所得税がかかる年収の最低ラインを「103万円」から「123万円」に引き上げる内容を盛り込んだ。ただ、与党が協力を求める国民民主党とは合意できず、税制関連法や来年度予算の成立が見通せない異例の事態となった。課税最低ラインの引き上げをめぐっては、国民民主が最低賃金の伸び率を根拠に「178万円」を主張。自公は物価上昇率をもとに「123万円」を提示したものの、国民民主に拒否された末、大綱でも123万円とする内容を記した。ただ、3党の幹事長が11日の会談で「178万円をめざす」などと合意した経緯もあり、大綱には「自公で引き続き、真摯(しんし)に協議を行っていく」と入れた。

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