2024年02月05日

ビッグモーター、麻生発言…… 教訓にしたいニュースが続く【週間ニュースまとめ1月29日~2月4日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 この週には、社会人になった時に覚えておいていてほしい教訓を含むニュースがいろいろありました。ひとつは、中古車販売大手ビッグモーターの社員が店舗前の街路樹の伐採を指示したとして器物損壊容疑で逮捕された事件です。まだ容疑の段階ですが、指示していたとすれば、会社の上層部の圧力を受けて善悪の区別がつかなくなっていたとしか言いようがありません。公共物を勝手に除去したり壊したりするのがいけないことだということは、子どもでもわかることだと思いますが、そんな常識が失われることがあるということでしょう。

 もうひとつは、麻生太郎・自民党副総裁が女性の容姿に触れた発言をしたことです。公の場で女性の容姿について論評することが、今の時代に反発をかうことが想像できないのでしょうか。大物政治家の感覚のずれに驚きます。みっつめは、医師の自殺で両親が病院を提訴したニュースです。両親は「長時間労働が自殺の原因だ」と主張しています。これまでにも長時間労働によって心を病んで自殺に追い込まれた人がいて、その都度社会問題になりました。そうしたことを経て、多くの組織は長時間労働を強いることのないように変わったはずでした。まだ提訴の段階ですが、もし変わっていない組織があったとすれば、驚きです。法律を守ること、自分の感覚をアップデートさせること、長時間労働にはノーということ、こんなことを社会人の教訓として考えさせるニュースでした。(ジャーナリスト・一色清)

(写真・国政報告会で講演する自民党の麻生太郎副総裁=2024年1月28日、福岡県芦屋町)

【経済】豊田織機がディーゼル試験不正 一部ハイエースやランクル出荷停止へ(1/29.Mon)

 トヨタ自動車グループの源流企業である豊田自動織機は1月29日、トヨタ向けの自動車用のディーゼルエンジンの試験でも不正があったと発表した。豊田自動織機が該当エンジンの出荷を止めることに伴い、トヨタも「ランドクルーザー」や「ハイエース」などの車種でディーゼル搭載車の出荷を停止する。不正を公表したのは、乗用車用のディーゼルエンジン3機種で、出力試験時に異なるソフトを使った装置で出力性能を測定していたという。発表によると「該当のエンジンについては改めて検証し、出力基準を満たしていることは確認している」としている。

【社会】ビッグモーター本社社員を逮捕 街路樹の伐採めぐり器物損壊疑い(1/30.Tue)

 中古車販売大手ビッグモーター(東京都多摩市)の全国の店舗前の公道で街路樹が枯れたり切られたりした問題で、神奈川県警は1月30日、川崎店(川崎市川崎区)に伐採を指示したとして、当時本社に勤務していた、社員の蒲原(かもはら)敏之容疑者(51)=福岡県志免町=を器物損壊等罪容疑で逮捕し、発表した。県警は「捜査に支障がある」として認否を明らかにしていない。逮捕容疑は2022年10月12日、川崎店前の歩道に植栽されていたオオムラサキツツジ6本(10万円相当)を切断して損壊したというもの。県警によると、当時、蒲原容疑者は各店舗を巡回点検する本社の「環境整備推進委員」で、店舗前の街路樹の伐採を店側に指示した疑いがあるという。

【政治】麻生氏が上川外相への容姿発言を撤回 「表現、不適切だった」(2/2.Fri)

 自民党の麻生太郎副総裁は2月2日夜、上川陽子外相の容姿について「そんなに美しい方とは言わない」「おばさん」などと講演で触れた自らの発言を撤回した。朝日新聞の取材に対し、「容姿に言及したことなど表現に不適切な点があったことは否めず、撤回させていただきたい」との談話を出した。麻生氏は1月28日、福岡県芦屋町での講演で、上川氏について「俺たちから見てても、このおばさんやるねえと思った」「そんなに美しい方とは言わんけれども、英語できちんと話をし、外交官の手を借りずに自分でどんどん会うべき人に予約を取っちゃう」などと語った。

【労働】神戸の26歳医師自殺、両親が病院側を提訴 「長時間労働が原因」(2/2.Fri)

 神戸市東灘区の甲南医療センターの医師、高島晨伍(しんご)さん(当時26)が2022年に自殺した問題で、両親が2月2日、センターを運営する公益財団法人「甲南会」と理事長に計約2億3400万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴した。両親側は「自殺は長時間労働で精神障害を発症したのが原因だ」と主張している。訴状によると、高島さんは2020年4月からセンターで研修医として働き始め、2022年4月からは消化器内科の専門医をめざす「専攻医」として勤務した。主に救急患者を治療する一方、専門医の資格取得に必要な学会発表の準備にも追われた。同年5月17日、退勤後に同市内の自宅で自殺した。

【国際】米のイラン施設攻撃、民間人ら16人死亡 バイデン氏「紛争求めず」(2/2.Fri)

 バイデン米政権は2月2日、米兵3人が死亡したヨルダンの米軍基地攻撃への報復として、イラクシリアの7施設にある計85以上の標的に対して空爆したと発表した。米国から戦略爆撃機B1を出撃させ、イランの革命防衛隊や支援を受ける武装組織の軍事施設を標的とした。イラン国内への攻撃は避けたが、今後も攻撃は続くとされ、中東での緊張は高まっている。
 米国と英国は2月3日、イエメンの反政府武装組織フーシの標的36カ所を攻撃したと発表した。イランの支援を受けた中東各地の武装組織との間の緊張が高まっている。(2/3.Sat)

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