2023年08月21日

中国の恒大集団が米で破産申請 中国経済の行方に注目を【週間ニュースまとめ8月7日~20日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 中国の不動産大手、中国恒大集団が米連邦破産法の適用を申請しました。日本的表現にすると、恒大集団がアメリカで倒産したということです。中国にある恒大集団の本体が倒産したわけではありませんが、昨年末時点で日本円で約49兆円にも上る負債を抱えており、青息吐息の状況といわれます。中国では、不動産は必ず値上がりするという不動産神話があり、不動産バブルが発生していました。しかし、バブルは崩壊しつつあるようです。すでに経済成長は鈍りはじめ、若者の失業率が上がっています。物価が上がらないデフレの兆候も見えています。中国経済の変調が、世界経済に与える影響は小さくありません。中国がバブル崩壊後の日本のように長くデフレに苦しむことになれば、世界経済にとってマイナスになるでしょう。中でも日本経済は中国への依存度が高く、大きなマイナス要因になります。そうなれば、企業の採用にも影響することは間違いありません。中国経済の行方に注目しましょう。(ジャーナリスト・一色清)

(写真・恒大の名前が外されていた中国北京市のマンション建設現場=2022年11月)

【経済】近ツー社長、過大請求問題で辞任へ 法令順守軽視の「企業風土」指摘(8/9.Wed)

 新型コロナワクチン接種のコールセンター業務で近畿日本ツーリストが委託費を過大請求した事件で、親会社のKNT―CTホールディングス(HD)は9日、近ツーの高浦雅彦社長が責任をとって31日付で辞任すると発表した。9日に公表された第三者調査委員会の報告書は、利益最優先の方針で、コンプライアンス(法令や社会規範の順守)を軽視する企業風土が原因だと結論づけた。近ツーは自治体から委託されたコールセンター業務を別会社に再委託。二つの支店がオペレーターの人数を水増しして請求し、だまし取っていた。過大請求は最大50自治体の事業、計約9億円に上るとしている。

【社会】甲子園へUSJへ「一刻も早く」 台風通過後も新幹線5時間ストップ (8/16.Wed)

 日本海に抜けた台風7号の影響で、静岡県内では16日にも大雨が降り、東海道・山陽新幹線は朝から一時全線で運転を見合わせた。前日の計画運休などで、この日に振り替えた乗客も多く、急な立ち往生に困惑し、疲労もにじんだ。
東海道・山陽新幹線の混乱は17日も続き、一部が運転を見合わせ大幅な遅れも生じた。お盆の時期だっただけに、新大阪駅などは大混雑。JR東海は16日の混乱について「台風と異なり、局地的な大雨は規模や時間が予想しにくく、計画運休は難しい」とする。そのうえで「15日に計画運休した分、16日は多少遅れても輸送を続けるという姿勢で臨んだが、結果的に17日もダイヤが大きく乱れてしまった」としている。(8/17.Thu)

【経済】恒大集団が米国で破産法申請 中国の不動産問題、世界経済のリスク (8/17.Thu)

 経営危機にある中国不動産大手、中国恒大集団が17日、米連邦破産法の適用を申請した。海外債権者による差し押さえなどを防いで経営再建につなげる狙いだが、見通しの厳しさは変わっていない。必ず値上がりするという中国の不動産「神話」は崩れ、中国経済だけでなく世界経済を減速させるリスクもはらむ。恒大は同日、米ニューヨークの裁判所に連邦破産法15条の適用を申請した。同条項は海外企業の「国際倒産」を規定。裁判所が適用を認めれば、米国に保有する資産の強制的な差し押さえを回避できる。恒大は18日に声明を発表し、「正常な債務再編手続きの一環であり、破産を申請するものではない」と強調した。

【社会】上関町長、中間貯蔵施設の調査受け入れ表明 中国電にも方針伝達(8/18.Fri)

 中国電力が山口県上関(かみのせき)町に建設を計画する使用済み核燃料の中間貯蔵施設をめぐり、同町の西哲夫町長は18日、中国電による施設建設に向けた調査を受け入れると表明し、中国電に伝えた。調査の申し入れから16日後に判断した。同社は、関西電力と共同開発する方針で近く調査の準備に入る。青森県むつ市に続き、全国で2例目の中間貯蔵施設の計画が動き出すことになった。18日にあった町議会の臨時会で、西町長は町の人口減や厳しい財政状況に触れ、「持続可能なふるさとを次世代につなげることが私の使命だ」として調査を受け入れる考えを表明。その後、全10議員が意見を述べた。うち7人が「調査段階から交付金が入る」などと賛成する一方、3人が「拙速で住民への説明が足りない」などと反対した。

【国際】日米韓首脳ら、年1回の協議と軍事訓練を合意 中国・北朝鮮を念頭に(8/20.Sat)

 岸田文雄首相は米ワシントン郊外の大統領専用山荘「キャンプデービッド」で18日昼(日本時間19日未明)、米国のバイデン大統領、韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領と会談した。首脳らによる定期協議の開催や緊急時の迅速な協議などで合意し、日米韓の安全保障協力を強化するための「制度化」を図った。北朝鮮に加え、軍事・経済・技術の各方面で台頭する中国への対抗を強く意識した。共同声明「キャンプ・デービッドの精神」では、日米韓連携の具体策を示した。首脳や外相、防衛相らそれぞれが少なくとも年1回協議することや、自衛隊と米韓両軍による3カ国共同訓練の毎年実施などを列挙。経済安全保障も重視し、中国の「経済的威圧」を念頭に、重要鉱物などのサプライチェーン(供給網)の安定化を図る「早期警戒システム」の試験運用開始に向けて連携するとした。

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