2023年05月15日

「脱コロナ・円安・資源高」で明暗 志望する会社の決算で企業研究を【週間ニュースまとめ5月8日~14日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 この週は企業の3月期決算の発表がピークになりました。企業の決算期はそれぞれの企業が決めればいいので一律ではありませんが、日本の企業の多くは国の会計年度と同じ4月から翌3月を1年としています。そのため、多くの企業の通期(1年間)の決算発表が4月から5月にかけておこなわれます。今の時期に発表されている決算は2022年4月から2023年3月までのもので、コロナ禍が徐々に平常に戻ってきた時期にあたります。また、為替相場は円安に振れ、原油などの資源価格が上がった時期でもあります。今回の決算発表では、この「脱コロナ」「円安」「資源高」の3点の影響が目立ちました。脱コロナでは、旅行、航空、陸運、百貨店などの業界の業績が目に見えて改善しました。円安については、機械などの輸出企業がその恩恵を受けました。資源高は、資源を開発したり輸入したりしている商社に大きな利益をもたらしました。一方、コロナ禍の巣ごもり需要があったゲーム業界などは伸びが鈍り、円安や資源高は国内向けの製造業や電気・ガス業界などに打撃を与えました。決算は、みなさんの企業研究の基礎的な資料になります。志望している企業が今もうかっているのかどうか、これからどうなると予想しているのか、そしてその理由は何か、といったことは発表された決算からわかります。上場企業の決算資料はネット上で公開されていますので、調べてみてください。(ジャーナリスト・一色清)

【社会】銀座の時計店で強盗 別の容疑で4人逮捕(5/8.Mon)

 8日午後6時20分ごろ、東京都中央区銀座8丁目の時計店で、「強盗が入っているようだ」と目撃者の男性から110番通報があった。警視庁によると、3人組がショーケースをたたき割り100点以上の腕時計を奪って逃走。同庁が行方を追ったところ、逃走に使ったとみられる車両を東京都港区内でみつけ、近くにいた男4人を建物に立ち入ったとして逮捕した。いずれも横浜市内に住む16~19歳の少年だったことがわかった。警視庁は4人が逃走を図ろうと建物に侵入したとみて、強盗事件との関連を調べている。奪われた腕時計はロレックス約70点で、被害総額は2億5000万円以上だったことが捜査関係者への取材で分かった。乗り捨てられた逃走車両などから腕時計のほか、アクセサリーやベルトも見つかった。被害品は全て回収されたとみられるという。

【国際】プーチン氏、戦勝記念日に責任転嫁 長期化にらみ「戦争」と言及か(5/9.Tue)

 ロシアでは9日、ウクライナ侵攻開始から2回目の対独戦勝記念日を迎えた。プーチン大統領は、モスクワ中心部の赤の広場であった大規模な軍事パレードで演説し、「再び我々の祖国に真の戦争が始められた」と強調。「米欧の野心や傲慢(ごうまん)さがウクライナ国民の悲劇を招いた」と述べ、ウクライナ侵攻の責任は米欧にあると訴えた。ロシアでウクライナ侵攻は「特別軍事作戦」と呼ばれ、「戦争」と呼ぶことは禁止されている。プーチン氏が「戦争」という言葉を使ったのは、侵攻の長期化をにらみ、国民に「戦時体制」への覚悟を植え付ける狙いがあるとみられる。

【社会】マイナカードでの証明書誤交付、富士通に停止要請 200自治体採用(5/9.Tue)

 マイナンバーカードを使った証明書のコンビニ交付サービスで、他人の住民票などが誤って交付された問題で、河野太郎デジタル相は9日、システムを提供する富士通Japanに対し、システムの一時停止と再点検を要請したことを明らかにした。全国で200弱の自治体が同社のシステムを採用しており、今後、各自治体ごとに対応を進める。デジタル庁などによると、誤交付は3月下旬以降、横浜市と川崎市、東京都足立区で起きた。住民がマイナンバーカードを使い、コンビニエンスストアで住民票印鑑登録証明書などの交付を受けようとしたところ、他人の証明書が発行された。短い時間に処理要求が重なると誤作動する問題がプログラムにあったという。証明書のコンビニ交付は、マイナンバーカードの本人確認機能を使い、コンビニの複合機で住民票や印鑑登録証明書の印刷ができるサービス。総務省によると、9日時点で全国の約3分の2にあたる1164市区町村で導入されている。

【経済】高まる消費熱で好決算続々 見通し上向き、心配は「消費の減退」(5/12.Fri)

 上場企業の2023年3月期決算発表が12日、ピークを迎えた。新型コロナ対策の行動制限が緩み、高まった消費熱が多くの企業を好決算に導いた。今後の見通しには、資源高の一服など明るい要素がある一方、消費の減退を警戒する声も出ている。脱コロナで活気づいた消費者の外出や買い物の需要を取り込み、商業施設や百貨店は業績を伸ばした。コロナ禍で客足の低迷にあえいできたホテル業界も息を吹き返した。全国旅行支援などの需要喚起策で、2022年の国内客による旅行消費額は2019年比で8割近くまで戻り、訪日外国人(インバウンド)の旅行消費額も今年1~3月期では2019年同期の約9割の水準まで回復している。交通各社も久々の好決算に沸いた。航空大手の ANAホールディングス(HD)と日本航空、JR主要3社(東日本、東海、西日本)は、いずれも純損益が3年ぶりに黒字転換した。昨秋に1ドル=150円台を突破し、歴史的な水準となった円安を巡っては業界ごとに明暗が分かれた。追い風を受けた代表格は天然ガスや石油といったエネルギーや、製鉄用の原料炭などを扱う商社だ。大手5社の純利益の合計は、前年より6500億円あまり増え、4兆2000億円超になった。一方、食品、生活用品のメーカーや小売店は利益確保に苦しんだ。
 トヨタ自動車は10日、2023年3月期決算を発表し、売上高が37兆1542億円(前年同期比18.4%増)と過去最高となったと発表した。円安の影響が追い風になったが、原材料価格高騰の影響で、本業のもうけを示す営業利益は2兆7250億円(同9.0%減)だった。2024年3月期の営業利益は3兆円(同10.1%増)と過去最高を更新すると予想している。(5/10.Wed)

【文化】ジャニーズ事務所社長、性被害問題で謝罪 事実認定は明言避ける (5/14.Sun)

 大手芸能プロダクション「ジャニーズ事務所」の創業者、ジャニー喜多川氏(2019年に死去)から所属タレントが性被害を受けた疑いが浮上している問題で、事務所は14日、藤島ジュリー景子社長が出演する動画と社長名の書面を公式サイトに公開した。約1分の動画で藤島社長は「何よりもまず被害を訴えられている方々に対して深く、深くお詫(わ)び申し上げます」と謝罪した。喜多川氏を巡っては、3月に英公共放送BBCが未成年者への性的虐待疑惑を取り上げた約1時間のドキュメンタリーを放映。日本国内向けにも放映された。さらに4月12日には元ジャニーズJr.の男性が記者会見し、喜多川氏の自宅などで複数回にわたって性行為をされたとする被害を証言した。

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