2023年03月13日

徴用工問題が決着、日韓関係の歴史を知り未来を考えよう【週間ニュースまとめ3月6日~12日】

テーマ:週間ニュースまとめ

  日本と韓国の間で懸案となっていた徴用工問題について、両国政府の間で政治的決着が図られました。これで一件落着となるかはまだ不透明なところがありますが、当面、日韓関係がよくなることは間違いなく、よかったと思います。日本と韓国は隣国ですし、ともに民主主義陣営の一員です。仲良くすればいいと思いますが、しばしばぎくしゃくするのは歴史問題があるからです。戦前、日本が朝鮮半島(今の韓国と北朝鮮)を植民地にした歴史です。特に日中戦争太平洋戦争の際に、朝鮮半島出身の人を動員するなどしたことについて、韓国には今も複雑な感情を持っている人がいます。それが徴用工問題などとなって残っています。また、日本にはそうした歴史について知らなかったり無頓着だったりする人もいて、韓国に強い反感を覚える人もいます。今回の政治的決着の際、韓国の尹大統領は「未来志向的な韓日関係へ進むための決断だ」と述べました。未来志向という言葉が韓国側から出たことはとてもいいことだと思いますが、わたしたちはそれを喜ぶだけでなく、植民地支配の歴史もよく知っておくことが必要だと思います。 (ジャーナリスト・一色清)

(写真・徴用工問題をめぐって韓国政府が発表した「解決策」を詳しく報じる韓国の新聞)

【国際】徴用工問題、韓国が「解決策」を発表 日本は「おわび」継承を表明へ(3/6.Mon)

 韓国での元徴用工をめぐる訴訟について、韓国政府は6日、日本企業が命じられた賠償分を韓国の財団が肩代わりする「解決策」を正式に発表した。日本政府は歴代内閣などが示してきた植民地支配への「反省とおわび」の継承を表明する方向だ。日韓関係の懸案について、両政府による政治的な決着がはかられる。韓国政府が6日に発表した「解決策」では、元徴用工らを支援する韓国政府傘下の「日帝強制動員被害者支援財団」が寄付金を元に、日本企業が命じられた賠償に相当する額を原告らに支給する。現在係争中の訴訟についても、原告の勝訴が確定すれば、同様に対応する予定。当面は韓国企業の寄付金が使われ、韓国側は日本企業への自発的な寄付の呼びかけを続ける。

【政治】安倍氏、NHK番組挙げ「明らかにおかしい」 放送法めぐる文書公開(3/7.Tue)

 総務省は7日、放送法の政治的公平性をめぐる首相官邸側と総務省側の安倍政権下のやりとりを記したA4計約80枚の内部資料について、すべて同省の行政文書と認め、公開した。一方、高市早苗経済安全保障担当相は文書にある総務相時代の発言について、「捏造(ねつぞう)で内容は不正確」と改めて否定した。文書は立憲民主党の小西洋之参院議員が2日に公表した。放送法の政治的公平性をめぐり、極端な場合は一番組でも不公平になりうるとの解釈が追加される過程で、当時の礒崎陽輔首相補佐官が総務省側に働きかけを行う2014~15年のやりとりが記されている。礒崎氏は朝日新聞の取材に「総務省と意見交換をしたのは事実だが、最終的には権限のある総務大臣が判断したことだ」と話した。

【科学】新型ロケット「H3」、打ち上げ失敗 第2段エンジンに着火せず (3/7.Tue)

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業が開発した大型ロケット「H3」初号機の打ち上げが7日、失敗した。第2段エンジンの着火が確認できず、破壊する信号を送ったという。昨年10月の小型ロケット「イプシロン」6号機に続く失敗で、今後の宇宙開発への影響は避けられないとみられる。JAXAによると、H3は予定時刻の午前10時37分55秒に発射した。補助エンジンの固体ロケットブースターや主エンジンがある第1段を分離したものの、その後、着火予定の第2段エンジンが着火されなかったという。JAXAは、載せていた地球観測衛星「だいち3号」を予定の軌道へ投入することができないと判断。打ち上げから13分55秒後の午前10時51分50秒、機体を破壊する信号を送ったという。

【経済】イトーヨーカドー、新たに14店閉鎖へ 3年で32店減らし食品集中(3/9.Thu)

 流通大手セブン&アイ・ホールディングスは9日、傘下の総合スーパー「イトーヨーカドー」の店舗を今後3年間で32店減らす方針を発表した。ヨーカドーとして運営する衣料品事業から撤退し、食品事業に集中することも明らかにした。閉店する店の名前は明らかにしなかったが、店舗は首都圏に集中させるとしており、それ以外の地域が主な対象となる見込み。32店のうち新たに閉店が決まったのは14店で、他はすでに閉店が決まっていた。9日時点で125店ある店舗数は2026年2月末までに93店になり、10年前と比べておよそ半減することになる。

【国際】イランとサウジが外交関係正常化で合意 中国が仲介 両国営通信報道 (3/10.Fri)

 2016年から断交してきたイランサウジアラビアが10日、外交関係を正常化することで合意した。両国の国営通信が報じた。両国の代表がこの日、北京で、外交再開を盛り込んだ共同声明に署名したという。中東で米国の影響力が低下するなか、対立してきた地域大国の仲介を成功させた中国の存在感が大きくなることは確実だ。
 2016年から断交していたイランとサウジアラビアが外交関係の正常化で合意したことを受けて、米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報担当調整官は10日の電話会見で「サウジから協議について情報提供を受けていたが、米国は直接関与していない」と語った。その上で「地域の緊張を緩和するあらゆる努力を支持する」と述べた。(3/10.Fri)

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