2022年11月28日

W杯・五輪はビッグビジネス クリーンに世界課題発信を【週間ニュースまとめ11月21日~27日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 サッカーのワールドカップ(W杯)が盛り上がっています。日本は優勝4回のドイツに逆転勝ちするという大金星を挙げ、日本中が歓喜に沸きました。と思うと、格下とみられていたコスタリカに敗れ、歓喜が悲鳴に変わりました。決勝トーナメントに出られるかどうかは、12月2日午前4時(日本時間)からのスペイン戦にかかることになり、やきもきは続きます。サッカーのワールドカップはオリンピックと並ぶスポーツの大イベントであり、大きなおカネが動くビッグビジネスです。今回、中東の産油国カタールが開催国になったのも、カタールや中東が将来性のあるお金持ちの土地柄であることが理由のひとつです。おカネの魅力は、暑さ、人口の少なさ、サッカー後進国といった問題を乗り越えるだけの力があったようです。アメリカ、カナダメキシコが共催する4年後の次の大会からは参加国が32から48に増えます。サッカーのW杯はさらにビッグなビジネスになります。ただ、大きなおカネが動くとおかしな動きも出てきがちです。東京五輪・パラリンピックではおかしなおカネの動きがあったことを東京地検特捜部が解明しようとしています。こうしたことがあると、五輪・パラリンピック自体の価値が落ちてしまいます。W杯カタール大会招致をめぐっては、オイルマネーを背景とした買収疑惑も指摘されました。W杯はおカネにクリーンであってほしいし、これだけ大きな発信力のある大会なので、気候変動とか人権問題とか世界共通の課題を意識した発信ができる大会になってほしいと思います。(ジャーナリスト・一色清)

(写真は、逆転でドイツに勝利し喜び合う日本代表選手たち=2022年11月23日、ハリファ国際競技場)

【政治】防衛力強化の財源、歳出改革と「幅広い税目」で 有識者会議が報告書(11/22.Tue)

 政府の国家安全保障戦略など安保関連3文書改定に向けた有識者会議は22日、報告書をまとめた。防衛力強化の財源について「幅広い税目による負担が必要」だと指摘。増税を念頭に検討を促した。敵のミサイル発射拠点などを直接たたく「敵基地攻撃能力(反撃能力)」の保有は「不可欠」とした。報告書では、防衛力の強化について「将来にわたって継続して安定して取り組む必要がある以上、安定した財源の確保が基本である」とした。財源を検討するに当たっては、まずは歳出改革によって捻出するよう要請し、それでも不足する部分については、「国債発行が前提となることがあってはならない」と指摘。「幅広い税目による負担が必要なことを明確にして、理解を得る努力を行うべきである」と求めた。

【経済】MS&AD、国内生損保で6300人削減へ 自然災害が利益圧迫(11/22.Tue)

 損害保険大手の MS&ADインシュアランスグループホールディングス(HD)は22日、2025年度末までに国内の生損保事業会社の従業員の2割弱にあたる6300人を減らすと発表した。国内外で自然災害が増えていることで利益が減っていて、人件費など経費の削減を進める。投資家向けの説明会で明らかにした。対象となるのは傘下の三井住友海上火災保険あいおいニッセイ同和損害保険三井住友海上あいおい生命保険の3社。3社で従業員は現在、計3万5500人いて、その18%を削減することになる。正社員に加えて、派遣社員などの非正規社員も対象になるという。2022年度に1900人を削減する計画だ。6300人のうち、約6割は定年退職や、新卒採用の削減に伴う自然減だという。残りの約4割は、社員のグループ外への出向を増やすなどして減らす。

【スポーツ】日本2-1でドイツに勝利 後半30分から堂安と浅野のゴールで逆転(11/23.Wed)

 サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会は23日、ドーハのハリファ国際競技場で1次リーグE組初戦が行われ、日本代表(世界ランキング24位)は、4度の優勝経験を誇るドイツ代表(同11位)に2―1で逆転勝ちした。日本が、W杯で優勝経験国と対戦するのは3度目で白星を挙げたのは初めて。
 W杯カタール大会は27日、1次リーグE組の第2戦があり、日本代表(世界ランキング24位)がコスタリカ代表(同31位)と対戦。後半36分にコスタリカに先制点を許し、0―1で敗れた。W杯優勝4度を誇るドイツを破った日本に対し、コスタリカは初戦でスペインに0―7で大敗していた。(11/27.Sun)

【社会】電通本社を捜索、東京五輪テスト大会で談合の疑い 東京地検と公取委 (11/25.Fri)

 東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会が発注したテスト大会業務の入札で談合した疑いがあるとして、東京地検特捜部と公正取引委員会は25日午前、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで、広告最大手「電通」(東京都港区)と、イベント制作会社「セレスポ」(豊島区)に、合同で家宅捜索に入った。電通は組織委元理事の汚職事件の関係先として7月にも捜索を受けたが、今回は関係先ではなく直接の容疑対象となった。公取委の捜索は同法の「犯則調査権」に基づくもので、公取委は検察への刑事告発を前提に調べる。関係者によると、電通とセレスポは一連の入札で、事前に受注者などを決める調整をした疑いが持たれている。特捜部と公取委は、2社以外の落札企業も談合に関わった可能性があるとみて調べている。

【労働】ウーバー配達員「事故や客とのトラブル不安」 労働者の保護進むか(11/25.Fri)

 東京都労働委員会は25日、飲食宅配代行サービス「ウーバーイーツ」の配達員について、労働組合法上の「労働者」と認める判断を出した。労働組合を作って団体交渉を求める権利が保障されることになり、ウーバーの運営会社側に団交に応じるよう命じた。ネットで単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」が労働者として労働委員会で認められたのは日本で初めて。裁判でも例はない。都労委は、①配達員は飲食宅配事業に不可欠な労働力 ②契約内容は会社が決め、配達員は個別に交渉できない ③配送料は配達員の労務の対価である、などとして、労働者にあたると判断した。

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