2022年10月31日

物価高対策29.1兆円の財源は赤字国債 つけは若者に?関心持って【週間ニュースまとめ10月24日~30日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 日本銀行 は2022年度の物価上昇率の見通しを0.6ポイント引き上げて2.9%にしました。物価が上がれば私たちの生活は苦しくなりますので、政府は電気代やガス代を安くすることなどを柱とする総合経済対策をつくりました。そしてそのカネの裏付けとなる29.1兆円(一般会計)に上る補正予算案をつくりました。とても大きな規模の補正予算ですが、その財源はほとんどが赤字国債です。国債は国が発行する債券のことで、国債を発行するということは国が借金をするということです。国の借金の残高はすでに1000兆円を超えています。国債には建設国債と赤字国債があります。建設国債は道路や橋など後々まで残るものをつくるための借金で、財政法で発行を認められています。赤字国債は今回の電気代の補填(ほてん)のように使えば消えてなくなるものに使うための借金で、財政法で発行は原則禁止されています。そのため政府は発行するたびに特例法をつくって例外として発行し続けています。赤字国債が原則禁止されているのは、国が安易に借金すると国を危うくすると考えられているためです。安易に多額の借金をすると国が借金を返せないのではないかという不安が生まれます。そうなれば、低い利子で国におカネを貸してくれる人はいなくなり、利子が猛烈に上がったりすごいインフレになったりする恐れが出てきます。太平洋戦争直後の日本では3年ほどで100倍ものインフレを経験し、国債はただの紙切れ同然になりました。今の日本は安易に借金をしている状況です。そのつけを払うのは、若い世代になる可能性が大きいと思います。わがこととして日本の財政に関心を持つようにしましょう。(ジャーナリスト・一色清)

(写真は、総合経済対策などについて会見する岸田文雄首相=10月28日、首相官邸)

【政治】辞任の山際氏「後追い説明で、政権に迷惑かけた」議員辞職は否定(10/24.Mon)

 山際大志郎経済再生相は24日夜、首相官邸で岸田文雄首相と会談し、辞表を提出した。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関わりが次々に表面化し、政権運営の支障となっている責任を取った。山際氏は会談後、記者団に対し、教団との関係をめぐり「後追いの説明となり、結果として政権に迷惑をかけることになった」と述べた。山際氏は辞表提出の理由について、「これからの国会審議等を考えた時、このタイミングを逃すわけにいかないかなと思った。(自身の責任は)本当に大変重たいと思っている」と話した。議員辞職については「国会議員として何か法に触れることをやってきたわけではない」として否定した。

【経済】経済対策、第2次補正予算案29.1兆円程度に 異例の規模(10/27.Thu)

 政府は27日、総合経済対策の裏付けとなる2022年度第2次補正予算案を一般会計で29.1兆円程度とする方針を固めた。物価高に対応するための電気代の負担軽減策などで、異例の規模に膨らんだ。28日に閣議決定する。経済対策の規模は財政支出ベースで39.0兆円程度、事業規模は71.6兆円程度となる。財源は2021年度の剰余金や好調に推移している税収の上ぶれ分も使うが、大半を国の借金である赤字国債でまかなう。国債残高は約1000兆円あり、財政の悪化が避けられない情勢だ。経済対策は4本柱で、財政支出39.0兆円の内訳は電気代などの負担軽減や企業の賃上げの後押し12.2兆円程度▽円安をいかした観光振興や企業の輸出拡大に4.8兆円程度▽学び直しなど人への投資や少子化対策、脱炭素など新しい 資本主義 の加速に6.7兆円程度▽防災や公共事業、経済・食料安保に10.6兆円程度▽今後の備えに4.7兆円程度――となっている。電気代の負担軽減策については、家庭の料金を2割ほど引き下げ、平均的な家庭で月2000円程度安くなるようにする。

【経済】日銀、大規模緩和を維持 2022年度物価見通し2.9%に引き上げ (10/28.Fri)

 日本銀行は28日、金融政策決定会合を開き、大規模な金融緩和を続けると決めた。同時に公表した2022年度の物価上昇率の見通しは、前年度比2.9%とし、前回公表した7月時点(同2.3%)より0.6ポイント引き上げた。歴史的な円安の影響とみられる。日銀が掲げる2%の物価目標を大きく上回るが、2023年度以降は伸びが鈍化するとしていて、景気を支えるために金融緩和が引き続き必要と判断したようだ。この日公表した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)の中で、消費者物価指数(生鮮食品を除く)の2024年度までの見通しを示した。エネルギーや食料品といった輸入品の価格高騰を受けて値上げが相次いでいるため、2022年度の上昇率を2.9%に引き上げた。見通し通りなら、1981年度の4.0%以来、41年ぶりの大幅な上昇となる。

【社会】「餃子の王将」社長射殺事件、服役中の工藤会系組幹部逮捕 殺人容疑(10/28.Fri)

 「餃子(ギョーザ)の王将」を展開する王将フードサービスの社長だった大東(おおひがし)隆行さん(当時72)が2013年12月、京都市山科区の本社前で射殺された事件で、京都府警は28日午後、特定危険指定暴力団工藤会系組幹部の田中幸雄容疑者(56)を殺人容疑で逮捕した。事件は2013年12月19日午前5時45分ごろに発生。大東さんは1人で車を運転して出勤した直後、本社前の駐車場で腹や胸を自動式拳銃で4発撃たれて死亡した。現場付近に落ちていた複数のたばこの吸い殻の DNA型鑑定をしたところ、1本が田中容疑者のものと一致した。捜査関係者によると、田中容疑者は事件当時、福岡県を拠点にしていた。その後、福岡市で2008年に大手建設会社の社員らが乗った車が銃撃された事件をめぐって銃刀法違反と器物損壊の罪に問われ、2019年に福岡地裁で懲役10年を言い渡されて確定。福岡刑務所で受刑していた。
 
【国際】ソウルの繁華街で転倒事故か、50人心肺停止 ハロウィーン前に人出(10/29.Sat)

 29日午後10時15分ごろ、韓国・ソウルの繁華街の梨泰院(イテウォン)で、ハロウィーンを前に集まった多数の人が倒れているとの通報が消防当局にあった。現場は外国人が多く集まり、クラブなどが多く営業する地区。ハロウィーンを前に仮装した多くの人でにぎわっていた。梨泰院は、ネットフリックスで日本でも人気となった韓国ドラマ「梨泰院クラス」の舞台となった繁華街で、日本人観光客にも人気のスポットだ。
 韓国当局側によると、30日夜までに154人が死亡し、132人が負傷した。在韓日本大使館は日本人の女性2人が亡くなったことを確認した。付近にはハロウィーンのイベントで訪れた若者が集まっており、韓国政府によると、死者の多くが20~30代という。現場は地下鉄駅のそばの幅約3メートル、長さ約40メートルの坂道。目撃者の証言などによると、多くの人が身動きがとれない状況の中で次々に倒れ、下敷きになった人を助けようとする人たちが、また折り重なるように倒れるなどしていたという。居酒屋に有名人がいて人が殺到したとの情報もある。人が過密な状態の中で起きる「群衆雪崩」と呼ばれる現象が起きた可能性がある。(10/30.Sun)

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