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(写真は、西部石油の山口製油所=同社提供)
★【経済】生産拠点の統廃合急ぐ石油元売り大手 脱炭素の需要減で業態を転換(6/14.Tue)
石油元売り大手の出光興産は14日、傘下の西部石油の山口製油所(山口県山陽小野田市)を2024年3月をめどに停止すると発表した。出光の生産能力の1割が減ることになる。ガソリンなどの需要は今後も減少するとみて、生産拠点の統廃合で効率化を急ぐ。出光は西部石油の筆頭株主だ。西部石油には中国電力やUBE(旧宇部興産)なども出資している。今後は出光が株式を買い取って完全子会社化したうえで、生産を止めるという。出光の丹生谷(にぶや)晋副社長は都内で会見し、「高齢化、人口減少、新型コロナによるライフスタイルの変化、脱炭素の加速で、石油製品の需要減少のスピードが速まっている」と語った。山口製油所は1969年に操業を始めた。出光は現在、全国に6カ所の製油所を持ち、原油の処理能力は1日あたり94.5万バレルある。山口製油所はそのうち12万バレルだ。停止すれば、製油所は北海道、千葉、神奈川、愛知、三重の5カ所になり、西日本の生産拠点はなくなる。
★【経済】千葉のLNG火力発電所計画から九電撤退 東京ガスは単独で計画続行 (6/15.Wed)
九州電力は15日、東京ガスと検討してきた千葉県袖ケ浦市の液化天然ガス(LNG)火力発電所建設計画からの撤退を発表した。燃料価格の高騰などで事業環境が悪化し、投資を続けられないと判断した。東京ガスは「開発検討を引き続き進める」とするが見直しを迫られる可能性もある。火力発電所は原発2基分に相当する200万キロワットの規模だ。2023年3月に準備工事を始め、2028年5月以降の運転開始をめざしている。東京ガスは電力販売に力を入れており、発電所を確保しようとしている。建設費は数千億円にのぼるため、九電が抜けたあと1社だけで負担できるかどうかが課題となる。
★【社会】食べログの独禁法違反認定 口コミ評価点の計算方法めぐり 東京地裁(6/16.Thu)
大手グルメサイト「食べログ」で、チェーン店であることを理由に不当に評価点を下げられたとして、焼き肉・韓国料理チェーン店を展開する「韓流村」(東京)が食べログを運営する「カカクコム」(東京)に約6億4000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、東京地裁であった。林史高裁判長(笹本哲朗裁判長代読)は、食べログの独占禁止法違反(優越的地位の乱用)を認め、3840万円の支払いを命じた。食べログは約82万店について、計4000万件以上の口コミを元に独自の「アルゴリズム(計算手順)」で5点満点の点数をつけるが、詳しい算出方法は明らかにしていない。判決は、デジタルプラットフォームのアルゴリズム運用や透明性の議論に影響を与えそうだ。訴状によると2019年5月、韓流村が運営する21店舗の評価点が平均約0.2ポイント、最大で0.45ポイント下落した。同社はチェーン店の点数を一律に下げる不当なアルゴリズム変更が行われて客が減ったと主張した。カカクコムは「不当な判決と考えている」とし、控訴したと明らかにした。
★【社会】原発事故の国の責任、最高裁が認めない判決 「防潮堤でも防げず」(6/17.Fri)
東京電力福島第一原発事故で被害を受けた住民らが国に損害賠償を求めた4件の集団訴訟で、最高裁第二小法廷(菅野博之裁判長)は17日、国の責任を認めない判決を言い渡した。「現実の地震・津波は想定よりはるかに大規模で、防潮堤を設置させても事故は防げなかった」と判断した。裁判官4人のうち3人の多数意見で、1人は国の責任を認める反対意見を述べた。原発政策は「国策民営」で進められてきたが、賠償義務は従来通り東電だけが負うことになる。後続の同種訴訟でも国の責任は否定されていくとみられる。2002年に国が公表した地震予測「長期評価」に基づき、東電子会社が2008年に計算した最大15.7メートルの津波予測は「合理性を有する試算」と指摘。国が東電に対策を命じた場合、「試算された津波に対応する防潮堤が設置されたと考えられる」とした。一方で現実に発生した地震や津波は長期評価の想定よりも「はるかに大規模」で、仮に防潮堤を設置させていても「海水の浸入を防げず、実際の事故と同じ事故が起きた可能性が相当にある」と判断。国が規制権限を行使しても事故は防げず、国家賠償法上の違法性はないと結論づけた。
★【経済】日銀、大規模な金融緩和の維持を決定 国内景気の下支えを優先(6/17.Fri)
日本銀行は17日、金融政策決定会合を開き、大規模な金融緩和を続けると決めた。円安阻止よりも、コロナ禍からの回復途上にある国内景気の下支えを優先し、緩和継続を決めたとみられる。欧米の主要中銀はそろって利上げに動いていて、米国との金利差から今後円安が進み、輸入品のさらなる物価上昇につながるおそれがある。日銀は、長期金利を0%程度で推移させるための金利操作など、現在の金融緩和の枠組みを維持する。金利を低く抑え込むため、利回りを指定して国債を無制限に買い入れる「指し値オペ」を毎営業日実施する運用も続ける。
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