2022年05月16日

復帰50年の沖縄 本土との格差大も人口増に光【週間ニュースまとめ5月9日~15日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 この週には沖縄の復帰50周年記念式典がありました。太平洋戦争後、アメリカに統治されていた沖縄が日本に復帰したのが、ちょうど50年前の1972年5月15日でした。その日から沖縄は県となり、通貨はドルから円にかわり、クルマは右側通行から左側通行にかわりました。観光地としての存在感も高まり、近年ではハワイ並みの観光客が訪れる島になりました。しかし、観光産業以外の産業の発展は小さく、1人当たりの県民所得は47都道府県で最下位の239万円ほど(2018年度)です。また大学等進学率は41%ほど(2021年)で、こちらも全国平均を大きく下回って最下位です。こういう数字を見ると、50年たっても沖縄と本土との格差はまだ埋まっていないと感じます。ただ、見落としてはいけないのは、沖縄県の人口がこの50年増え続けていることです。出生率は全国平均を大きく上回る断トツのトップで、本土からの移住者もたくさんいます。所得が低くても、地域の助け合いがあったり、何とかなるさという楽天的な心の持ちようがあったりすることが、人口が増え続ける背景にあるように思います。人口の増加は明るい未来を感じさせます。人口が減り明るい未来をイメージしにくくなっている本土に住む人たちにとっては、沖縄に学ぶところがあるのではないでしょうか。(ジャーナリスト・一色清)

(写真は、沖縄復帰50周年記念式典で合唱する高校生=2022年5月15日、沖縄県宜野湾市)

【政治】経済安保法が成立 国の企業活動への関与を強化、透明な運用に課題(5/11.Wed)

 高度な先端技術の流出防止や、医薬品など経済や生活に欠かせない重要物資の確保などをねらう経済安全保障推進法が11日、参院本会議で賛成多数で可決され、成立した。政府が企業の設備を審査するほか、先端技術研究にも関与し、罰則も設けるなど国の介入を強めるものだ。公正で透明な運用をどう担保するかなどの課題があったが、国会審議で煮詰まらなかった。経済安保法は、医薬品や半導体などを安定的に確保するサプライチェーン(供給網)の強化、サイバー攻撃に備えた基幹インフラの事前審査、先端技術の官民協力、原子力や高度な武器に関する技術の特許非公開――の4本柱からなる。違反した企業などには最大で「2年以下の懲役か100万円以下の罰金」が科される。2023年以降、段階的に施行される見通しだ。

【経済】上場企業、最高益を更新へ 3月期決算、資源高と円安が後押し (5/12.Thu)

 国内企業が円安などを背景に利益をふくらませている。上場企業全体の2022年3月期決算の推計によると、最終的なもうけを示す純利益は前年比35.6%増の33.5兆円となり、過去最高を更新する見通しだ。今後はもうけを設備投資や従業員の賃上げにまわし、経済の好循環につなげられるかどうかが焦点となる。株式市場の区分けが変わる前の東証1部に上場する1323社(金融を除く)について、SMBC日興証券が集計した。11日までに決算発表した577社(全体の43.6%)の結果と、未発表企業の業績予想などをもとに試算した。

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【経済】楽天モバイル、「ゼロ円プラン」廃止へ 新料金は月額1078円から(5/13.Fri)

 楽天モバイルは13日、料金プランを7月1日から改定し、「月額ゼロ円」のプランをなくすと発表した。現状はデータ通信1ギガバイト(GB)までは月額ゼロ円だが、改定後は0~3GB以下を1078円(税込み)とする。これまでゼロ円で利用者数を拡大してきたが、戦略を転換する。新たなプランは0~3GB以下が1078円、3~20GB以下は2178円となる。20GBを超えた場合は、これまで通りどれだけ使っても3278円とする。現在契約している人は、7月から自動で新しいプランに切り替わるという。携帯の契約者には、グループのECサイト「楽天市場」での買い物などにポイントをより多くつけるキャンペーンを実施するなど、他サービスとの相乗効果を高めていく。

【社会】「平和の島、今なお…」沖縄知事が国民へ訴え 復帰50周年記念式典(5/15.Sun)

 沖縄の日本復帰から50年となった15日、「沖縄復帰50周年記念式典」が沖縄県宜野湾市と東京都の2会場をつないで開かれた。岸田文雄首相は、沖縄の基地負担軽減のために全力で取り組んでいくことを強調。玉城デニー知事は、過重な基地負担が50年経っても続く現状と経済的な課題を訴え、復帰の意義について国民全体での認識の共有を求めた。沖縄は、国土面積の0.6%に全国の米軍専用施設の約7割が集中し、米軍機の騒音や米軍人らの事件事故、環境汚染などが課題となっている。岸田首相は式辞で、戦後27年にわたって米軍統治下に置かれた沖縄の復帰について「戦争によって失われた領土を外交交渉で回復したことは史上まれで、日米両国の友好と信頼によって可能になったもの」と振り返った。「沖縄の歩んだ歴史に改めて思いをいたし、県民のひたむきな努力に深甚なる敬意を表したい」と語った。続いて登壇した玉城知事は、復帰時の「沖縄を平和の島とする」という目標が「復帰から50年経ってなお達成されていない」と訴えた。

【国際】フィンランド、NATO加盟申請を決定 ロシア国境で進む「要塞化」(5/15.Sun)

 フィンランドのニーニスト大統領とマリン首相は15日、共同記者会見を開き、北大西洋条約機構(NATO)へ加盟申請する政府方針を決定したことを明らかにした。隣国のスウェーデンも同日、与党社会民主労働党が加盟に賛成するとの結論をまとめた。16日にも政府方針を決定する見通しで、中立を掲げてきた北欧2カ国がNATOに加盟申請することになった。軍事的中立を保ってきた両国ではロシアによるウクライナ侵攻後、NATOへの加盟を望む世論が高まった。ロシアのプーチン大統領は、14日のニーニスト氏との電話会談で、「軍事的中立の政策を放棄することは間違いになる」と警告。ニーニスト氏はNATOに加盟しても、「誰かから離れるということではない」と指摘。ロシアへの刺激を避けながら手続きを進めたい考えだ。両国が加盟するまではNATO加盟国に両国への防衛義務は生じないため、その間米国などが両国の安全をどう保障するかが焦点になる。

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